ダン・アリエリーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
1.行動経済学が読みたくなり、人気教授と評判だったので、購入しました。
行動経済学の視点から、どのような習慣づくりをしていけば良いのかを学ぶ。
2.ダンアリエリー教授に寄せられた日常で起こる質問に対して行動経済学の視点から教授が答えていくような作りになってます。また、それぞれの答えを示した後にキーワードが3つ提示されており、自分なりの答えも考えられるようになってます。
日常で疑問に思うような質問ばかりなので、自分に当てはめながら答えを出していくとより面白く読める一冊です。
3.時折でてくる素直すぎる意見に笑ってしまいました。例えば、p.236の「新年の誓いに意味ってある?」の答えに対して、「毎年1週間くらいはある。年末五日間と年始の二日間くらい」というやりとりがおもしろかったです。ただ、この答えには、人間は年の節目に希望的観測を持って自分を振り返ったり、何かの目標をたてることが習慣となっていることがわかります。
大切なのは習慣化すること、さらに不合理に動くことを前提として、自分と向き合うことです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレお金*行動経済学
「合理的に非合理」よりも好き.
(行動経済学が身近なところで生きるのはお金に絡むことが多いから)
消費者からあの手この手で商品を買わせようとする現代の消費文化とそのトリックを行動経済学というメガネを通して可視化,賢い行動を啓蒙している
・相対性:「X%OFF」はその支出を肯定する根拠になり得ない場合が多い.絶対値で価値判断をする.
・メンタルアカウンティング
お金に色はついてないのに心の中で勘定項目をつけりことで合理的でない収支をつけてしまう
賢く使えば貯蓄や蓄財に使えるが,しばしば欲に身を委ねる時の言い訳にしてしまいがち.
・出費の痛み
出費は痛みを伴う(MRIなどにも出る)
自分が月1で作っている収支計画はまさにメンタルアカウンティングそのもの.支出の痛みを抑えたり,支出一つ一つに思い悩まないという認知負荷を取り除き,かつ,事前に決めた貯蓄のノルマを達成するのにひと役買っているが,「自由費,交際費」にカテゴリされたものについては財布の紐やその多寡の判断が鈍っているのは間違いないだろう.
不動産の売却価格の見積もりを複数のプロに依頼⇨売却希望価格でアンカリングされた見積もりを提示⇨今見ている不動産も相手が提示した価格で考えてしまうな⇨こちらが独自算出した収益性などから算出した価格を指値とすれば納得のいく買い物ができるんじゃないか.
自分が不動産をいくつも見てしっくりこないのは「自分自身でプライシングする」というばのとができてないからなんだなあ
・所有物の価値の過大評価,授かり評価
・サンクコスト
自分なら面白くない本の損切りとか
・損失は同額の利益よりインパクトが強い⇨損失を抱えた時に思い出して脱塩漬け
知識がない人ほどアンカリングに影響されやすい
ハーディング:群衆と同じ行動をとること
自己ハーディング:内なる群衆=過去の自分の意思決定と同じ行動をとること
自分はハーディングはあまりないが自己ハーディングは強いんじゃないだろうか
公正さと労力⇨本質的な価値に影響しないことがプライシングに関わる.⇨苦労や公正さがあるように見せかけて支払わせるor苦労や公正さを見抜く.上の不動産の例でもただ機械的に指値をしては相手に不公正さを感じさせ取引にならないだろう.
⇨自分は苦ではない(低コスト)だが他者にとってはそうではないものが儲かるのは,この労力・公正さのバイアスがそのまま利ざやになるからだろう
ネットビジネスは背景の苦労が見えづらい.⇨自分のアプリももっと「苦労」を発信した方がいいな
消費体験における言葉や儀式の魔力:
食べ物の味は食べ物で決まるが,その評価(いくら出すか)はそれだけで決まらない.高級さや美味しさ,健康さを感じさせる料理名がいい例
職人風・手作り・オーガニック・採れたて・新鮮・昔ながらetc
士業の肩書きなども
公平さと労力:透明さが価値になる
儀式や魔力:不透明さが価値
先払いはお得:
3ヶ月後の旅行代金の支払いはその旅行までの期待感という価値をもたらす.
無料のアドバイスはない
(有料だから良い商品というわけでもないが...)
これは家族にも読ませたいシリーズ -
Posted by ブクログ
ネタバレ人は、どのような時にずるをするのか、ずるに焦点を当てた本。耳がいたい。
「そこの解答だけ見るつもりで見えてしまった隣の問題を、自分で解けたことにして、なんとなく出来ている気になる」よくあることだ。この導入部分からすでに引き込まれた。
本書では様々な実験について記述されているのだが、その中でも「偽物を身につけるとずるをしやすくなる」という実験が興味深い。
クロエのサングラスを 本物・偽物(偽物と伝えていても本物を使用)・なにも伝えない という3つのグループに分けて、サングラスをかけたままテストを行う。
すると、偽物だと伝えていた人がずるを多くしたという結果になった。偽物で他人は騙せても自分は騙す事が出来ないのだ。
また、偽物のサングラスを掛けた人は、他の人に対しての疑心も強くなるという実験もある。
他人を疑い深くなるということ。「自分がそうなんだから、他人もそうに違いない」という心理なのだろうか。
他人は自分を映す鏡という言葉がとても良く当てはまる。
反対に、サングラスが本物だと伝えられたグループは、なにも伝えていないグループよりも、ずるをしないという結果になった。
奮発して買ったバッグや靴を身につけていつときはシャンとした気持ちになるもの。
女性は、下着にお金を掛けなさいと言いますが、気持ちの問題というものは行動に現れるから、そういう風に言われるのかもしれないと思った。
日常生活に使えそうだと思ったのが、コイントス決定法。ただのコイントスで決めるわけでない。
まずは、どちらか迷ったときにコイントスを普通に行う。ここまでは、普通のコイントスと同じだ。
大切なことはその結果に対して自分がどう思うか。
少しでも「もう一回やり直したい」と思ったのなら、もう一方を選ぶ。コイントスの意味がない!と思ってしまうが、真理を突いている方法だ。コイントスをどちらか決定する手段としてではなく、自分でも分からない自分のの気持ちを知るための道具として使う。
選択に迷ったときは、試してみようと思う。 -
Posted by ブクログ
人々の行動の不合理性を行動経済学の視点から考察してベストセラーとなった『予想どおりに不合理』『不合理だからすべてがうまくいく』に続く著者の第3弾。本書ではさらに突っ込んで不正行為について述べている。不正と言っても紙面を賑わすような汚職や粉飾決算などの話ばかりではなく、身の回りのちょっとした「ずる」について、人はどんな時に不正を働くのかを検証したものだ。人々を不正行為に駆り立てるものは何なのだろう。
簡単な問題を解き自己申告した正解の数によって報酬が支払われるという実験を行い、様々に条件を変えて正解数のごまかし(報酬金額の不正な上積み)がどれくらいの割合で起こるかを調べると実に興味深い結果になる。ごまかしが露見する恐れが有る場合と無い場合、他人のごまかしを目撃した場合、その人が自分の仲間内だった場合とライバル集団に属する人だった場合、見知らぬ同士がペアになってお互いを監視した場合、親しくなった同士がペアになった場合、ごまかしをすると自分ではなくペアの相手が得をするという場合、偽物のブランド品を身につけた場合等、様々な実験を行うと、設定した条件によってごまかしの数も変わってくるのだ。
実験により、不正を作る要因は、自分の不正を正当化する能力(自分に対して言い訳上手)、利益相反(経済的な利益関係により公正な判断が損なわれる)、きっかけになる小さな1回の不正、自分が大切に思う他人の得になる、他人の不正を目撃する、疲れて自制力が消耗した脳、文化的背景などであり、不正を減らすものは道徳心を呼び起こすもの、宣誓や署名、監視などであった。そして予想外の事に不正によって手に入る金額や露見する確率などはあまり影響しないことがわかった。
「ずる」を引き起こすものは何なのかを理解すれば行動を自制することもできるし、不正に対する対策を取ることもできるだろう。それが社会科学の真の目的だと著者は述べている。「自分はずるなんてしない」と思っている人、小さな「ずる」を無意識に正当化してしまっていないだろうか。人々の行動には様々な要因が影響を及ぼすことがよく分かり大変興味深い一冊だ。 -
Posted by ブクログ
誰でも、「ずる」不正行為をする。しかし、自分が悪い人間だとは思いたくない。そこで「自分は正直でまっとうな人間だ」と思うための物語を紡ぎ出す。
人間はどういうときに、ずるをすることが多いのかということを、さまざまな心理学の実験をすることで、解き明かしていく。このさまざまな実験を考え出すということがすごい。「なるほどなぁ。でも、どうやってこんな実験を考えついたのだろう」と思ってしまう。
これこそ創造性だろう。
忘れるといけないのでメモしておこう。
「ずるを助長する要素」
正当化の能力
利益相反(サービス提供者がふたつの方向に引き裂かれる状況):歯科医のCAD/CAM機器の例
創造性(知能は無関係)
一つの反道徳的行為
消耗(ダイエットの例)
利他的不正(自分に利益にならないと、より正当化しやすい)
他者の不正を目撃する(同じ仲間が重要)
不正の例を示す文化(いろいろな実験では調べられない文化というものが重要)
ずるを減らす要因:
誓約
署名(最初にまず署名)
道徳心を呼び起こすもの
監視(見知らぬ他人による。ただ、目の写真だけでも効果あり)
ずるには影響なし:
つかまる確率
不正から得られる金額(SMORC: シンプルな合理的犯罪モデル)
「ずるを減らしたい」ずるの横行に悩んでいる人には良い本だ。 -
Posted by ブクログ
ダニエル・カーネマンのファスト&スローが認知、判断など広く扱っているのに対しこの本で扱うのは「ずる」の心理学、そうは言っても重なる部分はかなり有ります。
どういうときに人はずるをするのか、アメリカのゴルファー1万2千人の調査ではライの改善について「平均的なゴルファーがボールを10センチ動かすと非常に有利になる場合動かす可能性はどのくらいか?」聞いた所、クラブを使って動かす場合23%、ボールを蹴る場合14%、手で動かす10%と言う回答だった。(日本のプライベートコンペだとそもそもリプレースOKとしている場合が多いので質問自体が成り立たないかも・・・)手を使うと心理的抵抗が大きいというわけである。また、マリガンルール(打ち直しOK、一説によるとマリガン大統領からきている)の場合平均的なゴルファーがスタートホールでのマリガンは40%、9番ホールでのマリガンは15%が打つと言う回答だった。そもそもわざわざ平均的な・・・と質問するのも意味がある、あなたはどうしますかだと自分はフェアだと信じたがる人はライの改善はしないし、マリガンもしない。平均的な他人は自分より不誠実だというのは本当だろうか?
ずるをする際に最初にすることは自分をだますことなのだ。例えばダイエット中なのに少し食べ過ぎた際どうせ今日はだめだから自分を許して食べよう。朝からがんばればいいとか。自分が受け入れやすい言い訳を作り自分を納得させるのと同じ心理が働いているのだ。例えばニセモノブランド品を身につけるだけで不正行為(ちいさなずる)に対する抵抗は大きく下がる。みんなで渡れば怖くないというのもある。心理的な抵抗のハードルを下げるとずるに抵抗する力が弱まるのでずるは感染するものらしい。
ではずるを無くすためにいい方法はあるのか?これも以外と簡単な答えで例えば宣誓をする、署名をする、見張られていると思わせるなど。いろいろな申告書で署名を取るのはエビデンスを残すためだと思ってたが、署名すること自体に抑止効果がある。ただし、できれば申告前に正直に申告しますと署名をさせる方が効果が高い(心理的な抑制効果が働く)と言うのが著者の実験結果であった。この話は保険会社に進めたがどこにも採用されなかったらしい。道徳心を定期的にリセットする仕組みは宗教などにも取り込まれている。行動心理学関係の本はお勧めできるものが多い。 -
Posted by ブクログ
行動経済学について、たくさんのユーモラスなテストで検証していて読みやすい。
あるものを選択させたい時は似ているが少し魅力が劣るものを並べると選ばせたいものを選びやすくなる。
人に何かを欲しがらせるには、それが簡単には手に入らないようにすればいい。
無料には強力な力がある。何かを無料にするのは強力なアピールになる。
プレゼントは社会規範の領域(善意)だが、値段の話が出ると市場規範の領域に移る。人間関係が社会規範から市場規範に移ると、なかなか戻らない。人をやる気にさせるには社会規範の方が安上がりで効果的なことが多い。社会規範が支配する状況で金銭による支払いを申し出ると、そのせいで相手の意欲が減る可能性がある。値段が0で社会規範が問題になっている時、人々は世界を共同体のものとしてとらえる。
知識が先か後かで経験が変わる。前もって美味しそうと思ったものはやはり美味しいとなり、まずそうと思った時はやはりまずいとなる。