【感想・ネタバレ】予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」のレビュー

あらすじ

行動経済学ブームに火をつけたベストセラー!
「現金は盗まないが鉛筆なら平気で失敬する」「頼まれごとならがんばるが安い報酬ではやる気が失せる」「同じプラセボ薬でも高額なほうが効く」――。人間は、どこまでも滑稽で「不合理」。でも、そんな人間の行動を「予想」することができれば、長続きしなかったダイエットに成功するかもしれないし、次なる大ヒット商品を生み出せるかもしれない!/掲出の書影は底本のものです

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Posted by ブクログ

 行動経済学が理解できる本である。なぜか、最近この行動経済学が、かなり気に入った。この問題をどう行動経済学で考えるか?を考えるだけで、随分と視野が広がる。人間って、なんと矛盾した生き物であることだと思うが、そこに人間らしさがあるのだろう。
 
 トランプを行動経済学で見てみると、 「Make America Great Again(アメリカを再び偉大に)」や「America First(アメリカ・ファースト)」といったシンプルで力強いスローガンは、愛国心や自己防衛の意識といった感情に訴えかけ、国民に特定の行動(トランプ氏への支持など)を促すナッジとして機能し、支持を集めた。メキシコ国境問題を語る際に、「麻薬密売人」「犯罪者」といった言葉を繰り返し用いることで、移民をネガティブな存在として印象付け、壁を作り、不法滞在者(でない人も)を国外に追い出した。「CNNは嘘をついている」などを繰り返しいうことで、支持者が主流メディアの情報を疑い、自分の発言のみを信頼する状況を作り出し、支持者は「トランプの言うことは本当で、他のメディアは嘘をついている」と思い込むようになり、彼の主張が浸透しやすくなった。とにかく、大統領が率先して分断•差別するから威力がある。「失われた栄光を取り戻す」を繰り返しいうことで、昔の強いアメリカの頭で突き進む。トランプの行動は、有権者の非合理的な意思決定傾向(バイアス)を誘導し、この非合理的行動が、実に時代を先取りしているのが、トランプなのだ。

 経済学は、「人間の決断はすべて情報にもとづいた合理的なものであり、あらゆる品物やサービスの価値と、あらゆる決断によってもたらされるだろう幸せ(効用)の大きさについての正確な観念によってくだされる。こうした仮定のもとでは、市場のだれもが収益を最大にしようとし、経験を最高のものにしようと努める。」ということを追求してきた。
 しかし、行動経済学は、人間の判断や行動が非合理であることを追求する。

 人は物事の価値を比較によって判断するものである。比較対象として「おとり(デコイ)」となる劣った選択肢が存在すると、ある特定の選択肢が魅力的に映りやすくなり、選ばれやすくなるという相対性の法則を示している。つまり、人間は、相対的な観点から物事を選択するのである。これは、販売のシーンで活用されている。売れないものも置くことで、売れ行きが良くなる。

 カルガモのように、最初に見たものが、母親である。物事を選ぶのは、最初に見たもので選ぶ。それを、アンカリング効果という。無料だと分別なく、いらないものでも、欲しい。無料のためなら、地の果てまで駆けつける。それほど、無料は人間をワクワクさせる。糖質ゼロも、ゼロに惹きつけられ、魅惑的だ。

 社会規範と市場規範があり、親切に対してお金を払うものではない。関係が崩壊する。愛はお金で買えない。ビートルズも歌う「キャントバイミーラブ」と。

 興奮すると、見境がなくなる。ドーパミン効果は、全てを許す。だから、興奮するとコンドームをつけるのも忘れるのだ。セックスするために、愛してなくても愛してるとさえ叫ぶのだ。情熱はわたしたちが思っている以上にあついのだ。困ったモンだ。行動経済学は、冷静にデータをとって分析する。

 高い化粧品ほど、美しくなるって思い込むのは人間だ。プラシーボ効果は、エジプトのミイラの粉でさえ、万病に効くのだ。聖者が触ると病気が治るのはプラシーボ効果なのだ。民間伝統秘薬でがんが治るって、ありえないのに治る人もいる。多くは、死んでしまうが、人間は一度は死ぬのだ。

 共同で使用する冷蔵庫にあるコーラは、なくなるが、冷蔵庫に置いた1ドル札はなぜかなくならない。共同トイレのトイレットペーパーも同様で、そのささやかな罪は容認されるのだ。シェークスピアは、「人間とはなんとすばらしい傑作か!」と表現した人間像とは違う非合理であることに、行動経済学は、解明し、理論づけるのだ。

 オレオレ詐欺は、行動経済学に基づいて完成する
犯人はまず、「息子が事故に遭った」「トラブルに巻き込まれた」など、緊急かつ深刻な事態を装い、被害者に強い不安や動揺を与える。
 この情動ストレスが高まることにより、被害者は冷静な思考が難しくなり、「騙されているのではないか」という合理的な疑いを抱く余地が失われる。視野狭窄となる。動揺している状態では、人は複雑な状況を深く分析するよりも、提示された具体的かつ単純な解決策に飛びつきやすくなる。

 詐欺師が警察官、弁護士、銀行員などの権威ある立場を装うことで、「この人物の言うことは正しいに違いない」と無意識のうちに信じ込ませる。複数の人物(例えば、息子とその上司、警察官など)が関わっているかのように見せかけることによって、「多くの人が関わっている=本当の事態に違いない」と認識させ、信憑性を高める。そして急がせ、周囲の人に相談させないようにする。
 返報性の法則を使い。人は他者から恩恵や親切を受けた場合、「お返しをしなければならない」という強い心理的義務感を抱かせる。詐欺者は親身になって話を聞き、トラブル解決に協力的な態度を示すことにより、被害者に対して「この人は信頼できる」「助けてもらっている」と感じさせ、最終的な金銭の要求を断りにくくさせる。シナリオはできているのだ。こうやって、年寄りのタンス預金を奪う。行動経済学のたくましく、完成された構造に感心をするのだ。

 ダン•アリエリーは、アンカリング効果、無料の魔力、損失回避などを提唱。
行動経済学は、ダニエル・カーネマン が確立。『ファスト&スロー:あなたの意思はどのように決まるか?』が代表作。2002年にノーベル経済学を受賞。リチャード・H・セイラーが、『行動経済学の逆襲』が代表作、2017年にノーベル経済学を受賞している。

 なぜ?を考える上で、行動経済学は、わかりやすいロジックが見つけることができる。

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2025年10月22日

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私は自分の行動を振り返ると、「なぜこうしたのか」「また同じことをしてしまった」「おかしいな」と後悔や不思議に思うことが多い。自分で判断し行動しているはずなのに、その理由を理解できないことがしばしばあった。

本書『予想どおりに不合理』を読んで、腑に落ちた。人間の行動は合理的ではなく、むしろ不合理さに満ちている。著者は数々の実証実験を通して、私たちの判断がどのように歪められているかを明らかにしている。その結果は「予想どおり不合理」であり、経済学で語られるような合理的な決断は存在しなかった。私たちは見えない力に操られているのではないかとさえ感じる。

本書で紹介されている不合理さはどれも共感できるものであったが、特に共感できたのは第11章の「価格の力」である。まさに価格によって自分の考えや感情まで変えられていることが多い。それどころか無意識の領域で身体に影響まで及ぼしている。そんなことがあるのかと正直驚かされた。しかし、理解はできても、脳がフィルターをかけているので対処は難しいようだ。

それでも本書を読んだことで、人間の行動が実に興味深いものであることを改めて実感した。完全に合理的なAIのように生きたいとは思わないが、不合理な選択によって「また失敗した」と後悔することは減らしたい。せめて大きな決断をするときには一度立ち止まり、「これは本当に後悔しないか」「自分の判断以外の力は働いていないか」と考える習慣を持てるようになりたい。そう思わせてくれる一冊であった。

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2025年10月04日

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多くの実験結果と共に経済学では起こり得ない人間の不合理さを教えてくれる本であった

確かに経済学を学んでいると、いかにも市場の原理が正常に動くと思わせられるが、現実はそうでないことが多いと感じていたので非常に納得させられた

また、ユーモアのある表現も多く読んでいて飽きない。ダン・アリエリーの書を他にも読もうと思う

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2025年09月26日

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じっくり読んでいたら大変時間がかかったが、面白い実験例が満載の絶対に読むべき本。私たちがいかに合理的でないものの考え方をしてしまうか、自分の行動を決められてしまっているかがわかるし、自覚のある話ばかり。そしてそれを証明する実験はとてもユニーク。全部の実験結果が正しいと信じるべきでないとは思うが、実験する側の人にも参加する側の人にも愛着が湧き、こんな実験ができるなら研究職もいいな、なんて。

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2025年08月20日

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・高額な新モデルを出したところ、旧モデルの売上が爆発
→人間は比較で「お得」を感じている

・送料無料と2点購入で送料20円では送料無料を喜ぶ人が多かったこと、20円のチョコを0円に、100円のチョコを80円にしたところ、0円のチョコの方が5倍人気になった
→無料とは魔法

・性的興奮を前にした人間に、正常な経済学は通用しない
?故にポルノ業界の売上は成り立っているのではないか

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2025年07月31日

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読み終わった印象は、心理学の本ということ。
ある状況下で、人の選択のクセを実験で解き明かすが、それが必ずしも合理的ではなく、むしろ全くの非合理的。

相対性の章で、入札金額がそれとは全く関係ない保険番号に影響を受けるというのが一番印象に残った。そんなことある???

社会規範と市場規範の関係も興味深い。人は対価を提示されない方が気持ちよく他者や社会に貢献できる。

行動経済学は実験の再現性に疑問符がつけられているらしい。ただ、「あるある」と思えるものも少なからずあり、あくまでこういう傾向があるかもね、と捉えるのが正しい見方かもしれない。

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2025年07月04日

Posted by ブクログ

1章 相対的に評価する
3つ選択肢がある場合は真ん中
パン焼き機…最初売れない。次に値段が1.5倍,大きさも前回より大型を売り出した。すると最初のが売れた!
独身パーティーでもてたいなら?おとりとしてあなたに容姿が似ているけど少し劣った人,または会話術が少し劣った人を連れて行こう!

2章 需要と供給の誤謬
トム・ソーヤの冒険 トムがペンキ塗りの仕事を友人に売りつけたエピソード
アンカー(イカリ)が働く。(例えば見た数字に影響される)
自分の決断を疑う。

3章 ゼロコストのコスト
498年頃 インドの天文学者アリヤバータがある朝ベッドから起き上がり,「スタナム・スタナム・ダシャ・グナム」(値が10倍で位から位へ!)
何かが無料だとわたしたちは興奮しすぎる。
出費の痛手。何人かで食事に行った場合,わりかん?誰か一人がはらう,次に誰か別の人が払う,がよい。私たちは出すか出さないか,に対する精神的痛手は大きいが,多く出すか,少し出すかに関しては鈍い。0から500は大きいが,すでに2000に500加わってもそれほど痛くない。感応度の逓減性

4章 社会規範のコスト
私たちはふたつの異なる世界―社会規範が優勢な世界と,市場規範が規則をつくる世界―に同時に生きている
社会規範には友人同士の頼み事。社会規範は私たちの社交性や共同体の必要性と切っても来てない関係にある。たいていほのぼのとしている。即座にお返しは必要ない。セックスー無料,愛に満ちている。
市場規範は賃金,価格,賃貸料,利息,費用便益などやりとりはシビアだ。独立独歩,独創性,個人主義も含まれるが,対等な利益や迅速な支払いも含まれる。支払いに見合ったものが手に入る。セックスー売春婦(永遠の愛は求めない)
託児所のお迎えに遅刻すると罰金を課す(市場規範への切り替え)という実験。社会規範の時は申し訳なさで1回遅刻しても次はしなかった。罰金導入後,市場なので,遅刻するもしないも自分次第。遅刻が増えた。その後罰金がなくなっても遅刻は多かった。一度市場になると,社会に戻るのは難しい。
企業は社会規範で忠誠心を育てる(googleのように社員にさまざまな特典を与えている。

教育制度を改善するには,社会的関心の高い社会的な目標(貧困,犯罪,人権)科学技術的な目標(省エネ,宇宙開発,ナノテクノロジー)医学的な(がん,糖尿病,肥満の治療)とのつながりをもっとはっきりわかるようにする。生徒も教師も親も教育により大きな意味を見出し,もっと熱心で意欲的になるかも。教育することが目標であるという点を忘れず,生徒が学校ですごした時間数と生徒が受けた教育の質を混同するのはやめるべきだ。子どもはさまざまなこと(例えば野球)に夢中になる。生徒が野球選手について知っているのと同じくらい,ノーベル賞受賞者についても知りたいと思うようしむけるのが,社会としてのわたしたちの課題だ。

バーニングマン お金を一切使わないお祭り
社会規範がわたしたちの評価をはるかに超えるおおきな役割を社会に対して果たせる

プレゼントは経済効率が悪いけど社会の潤滑油として重要。

サインフェルド(現代の偉大な哲学者の一人!)の中のエピソードで,メイドを恋人に…社会規範(恋人)と市場規範(メイド)の混同。結果共存はできない。

ニューヨークの女性 クレイグスリストに個人広告 年収50万ドル以上の夫を募集中。自分のことを目が覚めるような美人,はっきり意見が言えて,浅はかなところがある。
広告に返答した投稿者:自分は基準を満たしている。自分の利点はおそらく年月とともに増えていくのに,彼女の利点はまずまちがいなく年齢と共に減っていく。これは悪質な商取引だ。この場合,経済上合理的な行動は買うよりリースすることだ。と指摘。

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2025年06月15日

Posted by ブクログ

タダでもらえるものを過大評価しちゃったり、プレゼントを贈る理由だったりなぜ現金じゃだめなのかだったり、
あーなるほどね!あるある!っていうことを面白おかしく事例を交えて紹介してくれて読みやすかった。

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2025年06月05日

Posted by ブクログ

MITの学生で実験。人間は不合理な判断をすることをデータで示す。訳も読みやすいです。
 人間が相対的にしか判断出来ない事実を知れる。無料の威力。オトリに騙される事例、商業的にこの仕組みを使ったトリックが既に横行していることを知るのは自身の行動判断について再考する価値がある本です。

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2025年05月31日

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脳のフィルターによって、決断される結果がいかに不合理かを学べる一冊。
500ページ近くある本だけど、全体的に例え話が豊富で分かりやすい内容となっている。
読んでいて"うんうん、分かる分かる笑"と何度も心の中でつぶやいたことか笑。

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2025年05月18日

Posted by ブクログ

「あるある!やっちゃう!」というところをついてくる面白い心理学実験ばかり。

どんなに優秀な人でも、環境によって不合理な選択をしてしまうことがある。

わたしたちを動かしているものがほんとうはなんなのか人間の行動を研究するおもしろさがつまってる!

楽しい!

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2025年05月17日

Posted by ブクログ

人はなぜプレゼントをするのか。
お金を直接渡すのと、何が違うのか。
人は、お金が介在すると、なぜ人を助けづらくなるのか。
ここらへんの「なぜ?」が詳しく書かれていて、仕事だけでなく、人間関係についても考えさせられる本だった。

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2025年04月20日

Posted by ブクログ

行動経済学の入門書 初めて行動経済学の本を読んでみたが、非常に分かりやすく、面白かった。
様々な行動経済学上の人間の特徴を、実験、解説、考察の流れで解説してくれるので、非常に読みやすい。
これらの特徴をどのようにビジネスに応用するかが考えどころだと思う。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

行動経済学について分かりやすい実験の結果を通して紹介してくれる一冊。分かりやすい。とっつきやすい。深掘りして、実験データが有意かどうかについての検証などについてはあまり深くは書かれていないものの、読み物としてはサラリと読めて、内容も薄っぺらというわけでもない。
特にゼロ円だと社会規範で動くのに対して、報酬があると市場規範で動く、だから下手に安いお金を払って依頼するよりも、ゼロ円でお願いする方が働いてくれるというくだりなんかはとても面白かった。
良い本でした。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

行動経済学のケースが数多く、易しい文体で取り上げられている為、人がどれほど不合理か、ということがよく理解ができる一冊。

タイトルの通り、人は予想通りに不合理である
しかも、不合理であり続けているため、未来にとる行動も不合理と予測できる、ということが一番の気づきであった。

たとえば、無料の魔力。
1000円のギフトカードを無料で貰うか2000円のギフトカードを700円で購入するか、という選択肢の場合どちらを選ぶでしょうか。

合理的に考えると、1300円得をする方を選ぶのだが、ほとんどの人は1000円のギフトカードを無料で貰うこと選ぶ。

また人は自分が何を求めているかわかっていない。そのため、他の選択肢と比較して、初めて自分が求めているものを理解する。
その際、似ているAとA’に加えて、異なるBの選択肢という3つの選択肢であれば、AとA’に目がいきどちらかが選ばれる
つまり、何を選ばせるかはコントロールがされやすいことを意味している

他にも、アンカリングであれば、何の根拠のない数字、例えばマイナンバーの下二桁を記載した後にオークションに参加すると、下二桁が大きい数字の人は入札価格が高く、下二桁が小さい数字の人は入札価格が低くなる。
これは、はじめに見た数字がアンカーとなって、人の判断基準に影響を及ぼしている。

こういった合理的に考えれば選ぶであろう選択肢を選ばない、という不合理さを一貫して持っていることに気づき、日々の生活やビジネスに役立てられる本です。

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2025年11月10日

Posted by ブクログ

人は合理的に行動する訳ではない。
自分の行動を振り返ってみたとき、合理的ではないことに反省しました。そして、人に対する誘導術の参考になりました。

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

ここ数年よく耳にする行動経済学について知りたいと思い手に取った一冊。
経済学と行動経済学、お互いがあるからこそお互いが活きるんだとか。
実験をもとに人間の不合理性にパターンを見いだしていくのが面白かった。
自分は日々より良い選択ができているのか、はたまた不合理の罠にはまってしまっているのか、考えるきっかけにしたいと思う。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

最初から中盤にかけては
目から鱗の情報が多くて面白かったが、最後の方はプラセボとかよくあるもので飽きてしまった。

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2025年09月11日

Posted by ブクログ

気軽な文体と大変に興味をそそる内容で、楽しく読めました。
度々読み返したい。これから、数多の不合理な判断をする前に。

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2025年09月06日

Posted by ブクログ

想像より入門編って感じだったけど、事例集という意味では面白かったかもな。
印象に残った文もたくさんあった!

「フロムによれば、近代民主主義において、人々は機会がないことではなく、めまいがするほど機会がありあまっていることに悩まされている。現代社会においてはまさにそのとおりだ。わたしたちは、やりたいことはなんでもやれるし、なんにでもなりたいものになれると常に言いきかせられている。問題は、この理想にふさわしい生き方をすることにある。わたしたちはあらゆる方向にみずからを成長させなければならない。人生のすべての側面を味わわなければならない。死ぬまでに見るべき一〇〇〇のもののうち九九九番めで止まっていないか、しっかり見とどけなくてはならない。だが、ここで問題が生じる。わたしたちは無理にいろいろなことに手を広げすぎてはいないだろうか。」

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2025年08月13日

Posted by ブクログ

行動経済学の最初の一歩としておすすめの本。
「食事、買い物、恋愛、お金、ものごとの先延ばし、ビール、正直さなど、人生のいろいろな面について調べた、実用的で好奇心をそそるおもしろい(ときにはおいしい)研究」の様子がいくつも紹介されている。
専門用語も少なく、実験の様子が読みものとしても楽しめる。
時代や国の違いで理解しづらい部分もあったが、日々の生活にも活かせそうな内容が多いと感じた。

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2025年05月29日

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人間は合理的ではなく、不合理な行動をする。ただし、その不合理さにも規則性はある。一般の経済学ではなく、行動経済学の観点から我々の行動をいくつもの実験を通して解説。なぜボランティアなら手伝うのに、安い報酬だと断るのか?など面白い例多数。
①価値の相対性②刷り込み③ゼロコスト④社会規範と市場規範⑤無料の力⑥性的興奮⑦先延ばし⑧所有意識⑨選択の自由⑩予測⑪価格の力⑫不信の輪⑬⑭我々の品性⑮無料のランチ をテーマに語られる。

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2025年05月16日

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人が正直になるためには、ただ約束事を思い出せばいい。

マシュマロ実験や囚人のジレンマなど有名な話がある。けれど、それらは近年では否定もされている。
ダイエットや貯蓄はした方がいいしサブスクはお試し期間できっぱりやめた方がいい、そして正直であることは何やりも美徳なだけでなくあらゆる面でメリットは多い。けれど、それら「合理的」な選択をなぜか僕らはできない。
本著はそんな疑問に対するちょっとした解を与えてくれる。
とりわけ印象的だったのは「不正」の予防だ。人は「不正」が手軽でバレにくければ比較的やってしまう。けれど、それを防ぐのは厳しい監視や罰をするのではなく、ただ、「盗むなかれ、嘘をつくなかれ…」といあ十戒の一節を書かせるだけで不正をするものは減るということだ。

「お天道様がみている」という古い言葉はあながち間違えではないのかもしれない。
その他、人が無能に弱かったり締切の効果なども書かれている。
面白かったです。ただ、自分には読み終えるのにそこそこ時間がかかりました。

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2025年05月03日

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この本を読むことで、人間の行動を深く理解し、マーケティングや日常生活での失敗を減らすヒントを得られます。

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2025年04月12日

Posted by ブクログ

やはり行動経済学は面白い。
不合理な判断と習慣を改めて考えさせられた。正直、自分は割と合理的な判断を冷静にできるタイプではあるので眼から鱗とまではいかないが、この人間の不合理性を理解しておくだけで利用できて得をする可能性は高い。

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2025年03月29日

Posted by ブクログ

人が無料のものを過大評価したり、自分が持っているものを過大評価したり、合理的である理由をあとづけしたりする傾向について、実例・実験を踏まえて行動経済学の観点から説明した本。

我々の根底に
「人/企業はは合理的な判断をするものである」
「合理的な判断>感情的な判断」
という先入観があるのでは、と最近感じ始めており、その裏付けを取ってもらったような感覚となった。

・人は自分が求めているものがなにかわからずにいて、状況とからめて見たときに初めてそれがなんなのかを知る
・ひとはものごとをなんでも比べたがるが、比べやすいものだけを一所懸命に比べ、比べにくいものは無視する傾向にある
・社会規範が市場規範と衝突すると、社会規範が長い間消えてしまう
・人はチャンスがあればごまかしをするが、決して目一杯ごまかすわけではない

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2025年03月26日

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わかりやすくユーモラスに説明しようという親切さが伝わる内容でとても読みやすくおもしろかったです。タイトルの予想通りに不合理、まさにそうですね。
文章でみると、そんなバカなことはしないよと思うような判断を人間は日々し続けています。人間が全て合理的に動いているならば世界は違う姿のはずです。
ただ、だからおもしろいのだと思います。
世界の見方が変わる素晴らしい本でした。

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2025年03月16日

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この手の話は、へぇ、そうなの、で終わってしまう感じで、暇つぶしにと聞いてみた。ものすごい発見があったわけじゃないけど、意外と面白い話もあって、それなりに楽しめた。

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2025年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大学やり直すならこういう分野も面白そう
以下、印象に残った話

◯市場規範と社会規範は相容れない
男女の交際という社会規範の中に男が奢る→見返りという市場規範を持ち込むとうまく行かない
(一番高いセックスは無料のセックス)

学校の先生の待遇上げた方が良い派だったけど給料上げる市場規範で釣ろうとするより社会規範で持ち上げるのもありな気がする。(先生という仕事のやりがい、社会貢献度、地位)

市場規範に持ち込んだ瞬間、何が正しくて何が正しく無いのかを考えなくなるので、脆い

◯ 知識が後か先かで経験が変わる
「肯定的な予測は、ものごとをもっと楽しませてくれるし、まわりの世界の印象をよくしてくれる。何も期待しないことの害は、それ以上何も得られずに終わってしまうかもしれない」
→車ならBMW、時計ならロレックス、住むなら港区という情報がある人の方が=それが良いものという予測のある人の方が、期待できる人の方が幸せかもしれない。一種のプラシーボ効果と考えたらなんか人間そんなもんだしそこまで抵抗無い。

◯現金が絡んだ方が罪悪感は大きい
共用のトイレットペーパーくすねるのと同じ金額のの現金盗む罪悪感の違い

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2025年02月09日

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ネタバレ

本書の中身は面白く、文章もわかりやすくて軽快で、本来なら文句なく☆5を付けたいところなのだが、読んでいる最中に著者の行った研究不正がどうにもちらついてしまう。
カーネマンが「研究の半数以上に再現性が無い」と指摘されたことは(カーネマンのそれに対する姿勢はクソだが)、他の分野でも十分にあり得ることで、統計学を意識しながら補強していけば良い部分であるが、アリエリーの取り下げた論文のねつ造に関しては明らかに故意であり、悪意を持っていると思えるので論外。当然、「1つねつ造が見つかったということは・・」となりすべての研究が怪しくなってしまう(;1つのねつ造が認定されれば研究者としては終わりなのでそれ以上の研究不正を探すようなオーバーキルを普通はしない。ゴシップを探すことが好きな研究者はいないし労力も無駄になる)。米雑誌の記事によれば他にも不正が疑われている研究成果が複数あるようだし、共同研究者とされた人物が「一緒に研究したことはない」と証言していたりするようで、それを加味すると本書の内容も綺麗な結果を見る度に「コレ、やってないよな?」となり信頼しきれない気持ちになる。
本書12章の『不信の輪』が非常に皮肉な内容で、まさしく私が著者に対して抱いている感情について描かれている。
翻訳も良く、内容も文章の調子も面白いのだが読みながら妙な気持ちになりたくないのでもうこの著者の本を読むことはないだろうなと思った。


本書序盤のアリエリーの研究を志したモチベーションを記す部分では、非常に気の毒な経験をしていることが分かる一方で、この部分だけは著者のコンプレックスというか恨みのような暗い、冷たいものを感じる文章だった。
自らのケガの治療について研究し、当時の看護師に研究結果を伝えた段では看護師の立場からの言葉を全く意に介していないように見受けられる。私ならばこの看護師の言葉でハッとして、包帯交換にかかる時間が大幅に増えることや医療従事者の積算される苦痛とそれにより離職者が増える可能性(;経験を積んだ優秀な人材を失うこと)の費用対効果のような、反対側の見方からの議論が欠けていたことを反省し、患者・医療者両面からの最適解を探さねばとなるのだが、著者は若いときから「自分だけが正しい」のみの人ではないかと思えた(= なんか不正もやりそうだなぁ)。
この姿勢だが、カーネマンにもその感じがしたのでユダヤ人の持つ特色(;アメリカ人研究者の特色ではないのはわかる)なのか、行動経済学をやる人間の傲慢さなのか、たまたまだろうか。

この部分を過ぎれば以降は不穏な感じは無い。本編に入ってしまうとわかりやすく読みやすく、スラスラと流れる文章で気持ちよく読める。
扱っている話題も興味をそそるものが並び、それを明らかにするための実験と得られた結果も行動学らしく明瞭でよく考えられている。随所に使われている例も身近で(アメリカでも大皿に食べ物が1つだけ残されることや女性のステレオタイプについては日本固有の考えではない点でも驚いた)、専門用語や模式図を使わずとも易しく、大雑把に行動経済学の成果を短い文章で上手く示せる(;事前にカーネマンの著書を読んでいるために感じるのかもしれないが)のは著者の力量だろう。この分野の広告塔として有名になったのもうなずける内容だった。


細かく見ていると、データに偽りがないとしても「数字の理解がどんぶり勘定過ぎないか?」と感じる部分がところどころにある。

5章の中で同じ種類の実験をしているのに数字が違いすぎることには疑問を感じる。
164ページの実験でのキャラメルは無料なのか1セントなのかで、一人が持っていく数は3倍程度の差に収まるのに対して、次の169ページ以降のチョコレートでは無料と1セントの間で(無料時の個数はほぼ同じであるのに)20倍の差と、一桁違っている。
このバラツキにはきちんとした考察や再現性を示さないと、チョコレート実験の『労働した場合』の解釈が真逆になり得る(;1セントでの持ち帰り数がマシュマロ実験の比率のように4.5個程度なら、「労働すること(8.6個)は少額の支払い(4.5個)よりも市場規範寄り」という結果になってしまい本書結果とは完全に異なることになる)。

11章のプラセボ(ソービーの実験)の部分でもクイズの正解数にはどれくらいの誤差(標準偏差はどのくらいか)があるのだろうかと気になった。
試験の内容的にサンプル数を増やしてもバラつきは収束しようがなさそうなので、エラーは最小でも1〜2問分くらいあるのではないかと思うのだが、もしそうならば結果がひっくり返ることもあり得てしまう。
また、0.6個の差は相当のサンプル数がないと有意とは言えないし、正答数の有効数字が一定ではなかったり(6.5問や3.3問だけが2桁)、ちゃんと分かって数字を出しているのだろうかと訝しんだ部分があった。

13章の不正直さの実験でも対照群と不正群(?)との比率が実験ごとに結構変わる(1〜8割)のが気になる。これも平均値だけでなく標準偏差のような分布がわかるものが必要ではないのか。

64ページの表の相関係数のように、扱っている相関係数が自然科学に馴染んでいる人からすると異常に低い(自然科学なら偶然の一致〜ほぼ相関していないと解釈する)と感じる点は、「社会科学のデータは因子が多くて系をシンプルにできず相関係数が低くなりがち。大まかな方向性を示せれば良い」ということで理解できる。
しかし、相関係数の低さとエラーの大きさは本質的には無関係なはず(エラー大きく相関も大、エラー大きく相関小、エラー小さく相関も小、エラー小さく相関大、どれももあり得る)で、測定値のエラーについては大まかに考えてはいけないはず。そこら辺がごちゃ混ぜになっているように感じたのは気持ちが悪かった。

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2024年03月04日

購入済み

まだ途中ですが

人の行動の不合理さが実験によって示され、言語化されているところかわかりやすい。
行動経済学に興味を持った人にオススメの一冊です。何度も読み返したい一冊です。

#タメになる

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2021年09月28日

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