【感想・ネタバレ】予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」のレビュー

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Posted by ブクログ

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人間の意思決定における不合理なパターンを、行動経済学の観点で解説している。ユニークなテーマを扱い、あまり専門用語を使わず分かりやすく説明されており、面白かった。行動経済学に興味をもつきっかけとなった。

個人的には第4章の「社会規範のコスト」が面白かった。人とお金のやりとりをすると、対人関係を冷たくしてしまうんだなと思った。仕事以外の場面では、お金のやり取りをしないよう心掛けたい。

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2023年09月09日

Posted by ブクログ

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なぜ、人間は合理的に行動しないのか。経済理論などの机上の論理に対して、実験と検証を行うことでいかにして人間が不合理な判断をおこなっているか、を明らかにしていく画期的な良書。マーケティング理論では、チョコレートの例で、Free!があった場合に、人は誤った経済合理性というマーケティング理論を大きく外れた行動にでる。タダでもらえるというだけで、リスクやロスした感覚が軽減されてしまう。レストランに頼まれることを期待しない、高価なメニューを入れておくと、その次に高い(食べて貰いたい)ものを選択してしまう。また性的な興奮状態でも、人は正しい判断ができなくなることも明らかにしている。えげつないような、アホな生き物だなと思うけど、それが現実でもある。また、車を買うときにも、オイルが無料になるとか、メンテフリーとか、そういうアディショナルなものが、購入するための冷静な判断を狂わせる。行動経済学的な観点でも、人は合理的に行動することを前提にしたものが一般化の過程で必要であるが、我々が購入する多くの権利関係、大きな買い物にはこの合理性以外の要素が多く入ってくる、つまり誤った決断をする可能性がある。ちょうど、家を買うか悩んでいる人がいて、欲しいエリアの欲しい間取りのマンションが2億円程度になっていたが、1億2000千万円で中古が出たときに、買おうとした友人がいた。これも、頭の中で、比較が発生して、人は比較していい方に行動しようとする。
イントロの例が一番面白い。新聞の料金体系で3つの選択肢があり、新聞紙のみ、新聞紙とネットのセット、ネットのみ、という3つがあり、新聞紙とネットのセットがネット単体よりも安く設定されているときに、多くの人はそのセットを買ってしまうというものだ。その際、他紙がどうなっているという比較を頭ができなくなってしまい、つい2択の中で良い方が正しい選択だと思ってしまう。
また、論文締め切りを自ら設定する場合、合理的なのは締め切りギリギリにすべきところ、あえて早める人がいて、その場合、先生から勝手に締め切りを設定される生徒よりも成績が良いという結果も出ているという。これが示す、人間が欠点(先延ばし)を認識した上で、それを乗り越えることができる人がいるという実験結果も面白い。数々の実験と事例で、人が合理的に行動しておらず、気をつけないとその罠にいつの間にかにハマっていること、それを回避する手立ては自分が冷静に物事を判断すること、にあるということを教えてくれる。

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2022年08月07日

Posted by ブクログ

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人が何気なく取りがちな行動について、実験的にデータ化し、その理由の分析を試みた本。行動経済学というものが身近に感じられ、面白かった。

15の例が挙げられているが、そのうち特に、"需要と供給の誤謬"では、人は自分の中の基準値ができると、それより高いかお得かなどと判断するという、アンカリング効果についてはなるほどと思った。また、"予測の効果"では、あらかじめ効果などを示しておくと実際に効果があがる人が多いなど、プラセボ効果が実証されていて、今後はなんでも疑ってかかるより、信じて試すようにしたいと思う。

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2023年01月15日

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