ピーター・スワンソンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ解説の言葉につきる一冊。
『そしてミランダを殺す』からの快進撃は横目で捉えていた。
『そしてミランダを殺す』は読んでいたが、その後は手付かずで、『8つの完璧な殺人』を読んでから俄然興味が湧いていた過去作の一つ。
「サスペンス・ルネサンス」とはよく言ったもの。
ここ数年のピーター・スワンソンとアリス・フィーニーの新世代サスペンスは正にルネサンス。
不穏さを軸にしつつも読みやすさ、視点切り替えの巧みさによる疾走感があり、めくるめく展開に翻弄されながらゾクゾクとドキドキが止まらない。
過去のトラウマもあって何につけ悪い方への妄想が膨らむ不安神経症のロンドンに住むケイトは、ボストンに住む従兄弟の -
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Posted by ブクログ
ボストンの郊外に引っ越してきたばかりの版画家のヘンとその夫のロイド。あるとき、隣に住むマイラとマシュー夫婦の家に招待された。
ヘンはマシューの書斎で、ある高校のフェンシングのトロフィーが飾られているのを見た。そのトロフィーは、2年半前に起きた殺人事件の被害者のもので、現場から犯人が持ち去ったとされていたものによく似ていた。もしそれが本物であるのなら、マシューは間違いなく犯人だ。そう確信したヘンは、マシューの周囲を調べ始める。
複数の人間の視点から語られるこの物語は、同じものを撮影している複数のカメラが次々に切り替わっていくように、ずっと読んでいるとくらくら眩暈を起こしそうになる。
すべてにの -
Posted by ブクログ
犯罪小説8編を「完璧な殺人」のリストとしてブログに書いた書店のマルコム。
ある日FBIの捜査員が訪ねてきて、リストの通りに殺人が起きていると言う。
果たして犯人は。
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ステキな作家さんに出会ってしまった。
途中で、もしかするとこの展開は…と思ったけれど、そこからの二転三転は読めなかった。
思いもかけない展開で、最後は一気読み。
また、さまざまなミステリ作品への敬意が感じられるのも良かった。
文章もいい。
原作もそうなのだろうけど、訳者さんも良いのだろう。
スラスラと読めて、途中で読み返すこともなかった。
面白かった。
他の作品も読んでみようと思う。 -
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Posted by ブクログ
ここ最近、読む本を選ぶときの基準になるのはタイトルと内容であって、著者はあまり気にしないことが多い。でも何かピンときた場合は、ちゃんとその名前を心に刻んでおくことにしている。そして一番新しく刻まれた名前が、この本の著者であるピーター・スワンソンだ。
なんか邦題に惹かれちゃう(結局タイトルなのか)。
大学の卒業式を直前に控えたハリーは、父親が遊歩道の崖から転落して死んだという知らせを受ける。急いで実家に戻った彼を迎えたのは、悲しみに暮れる美しい継母のアリスだった。
当初は事故かと思われていた父の死は、死体の状況から他殺の可能性が出てきた。更に葬儀には、父親の愛人だという若い女性が現れる。
父親 -
Posted by ブクログ
ミステリー専門の書店を経営するマルコムの元に、FBIの女性捜査官グウェンが訪ねてくる。彼が昔ブログに載せた、完璧な殺人による犯罪小説のリストに基づき、本当の殺人が行われているのではないかというのだ。その小説は下記の8殺。おっと冊の変換が。。。
①A・A・ミルン「赤い館の秘密」
②アントニイ・バークリー「殺意」
③アガサ・クリスティー「ABC殺人事件」
④ジェームス・ケイン「殺人保険」
⑤パトリシア・ハイスミス「見知らぬ乗客」
⑥ジョン・D・マクドナルド「溺殺者」
⑦アイラ・レヴィン「死の罠」
⑧ドナ・タート「シークレット・ヒストリー」
有名な作品ばかりなのだろうか。わたしは残念ながら2冊しか -
Posted by ブクログ
ピーター・スワンソンを読んだ2作目。
大のお気に入り作家というのではないので、立て続けに読んではいないのですが、広く振り返ってみて、けっこういいなと感じている今日この頃(笑)
ロンドンに住む若い女性ケイトは、ボストンに住む又従兄のコービンがロンドンに来る機会に、半年間、部屋を交換することにした。
ケイトはなぜか子供の頃から不安感が強い少女だったのだが、恐怖に取りつかれるのも無理のない事件にも遭遇していた。
訪れたアパートメントは凝った造りで、新たな地でしばらく平穏に暮らせると思ったのも束の間、隣室に住んでいた女性オードリーが殺される事件が起きる。
知り合ったばかりの人たちはそう悪い人に見えな -