ピーター・スワンソンのレビュー一覧
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ピーター・スワンソンのミステリ、4作目。
それぞれ独立した話ですが、作者の切れ味は共通。
この作品が一番、面白かった!
版画家のヘンリエッタ(ヘン)と夫のロイドが引っ越してきたのは、ボストン郊外のテラスハウスが並ぶ優雅な住宅街。
ご近所の顔合わせパーティーで、隣家の夫婦と知り合います。
マシューとマイラは仲がいい夫婦だが、マイラは見るからにあたたかく、マシューはちょっと変わっていた。
ヘンは、たまたま興味を持っていた過去の事件に関連する品を、隣家の書斎で見つけてしまう。
それは、ダスティンという若者が殺された事件で、犯人が持ち去ったとされる証拠品…
本当に、犯人なのか?
マシューの方も探りを入れて、なぜか信頼を寄せるように近づいてくる、予想外の展開に。そして…?
このユニークさ、スリル、迫力、異様さ、人間味。
「このミステリーがすごい!」海外編2位。納得☆ -
Posted by ブクログ
ある日、9人に自分の名前が載っているリストが届きます。なぜそこに自分の名前があるのか?他の名前に見覚えもない。そんな意味不明なリストが届いたあと、一人ずつ殺されていきます。
面白かったです。読み始めは、カタカナの名前と格闘でした。私、カタカナ苦手。とにかくいっぱい出てくるので名前と職業、人間関係など把握できなくて大変。でも50ページぐらいまでいくと、それ以降はスラスラ読めるようになり、物語に引き込まれていきました。相変わらずカタカナの名前はいっぱい出てきたのに不思議。
読んでいると、アガサ・クリスティの影響をすごく感じました。それが物語に引き込まれた要因かな。何とな〜く結末が見えてきたと、分かった気になったけど、そうきましたかと騙された感が。終始分からなかったリストの名前の共通点も最後には分かるのだけど、そういう理由で選ばれたのかと思いもしなかった。それは分からないよ。殺されたリストに載ってた人たちは、そんな〜と思っただろうな。あの世で。私の想像以上でした。
私が気になったのは、探偵役がいなかったことです。こういう話はたいていいると思うのだけど、いないままどんどん殺されていく。刑事が調べているのだけど、少ししか出番がない。そこが不思議に思った。刑事はたまに出てきて、ヒントになるような事を言ったりやったりする。あとになって思い返すとそれが伏線だったのかなと思う。それが逆に良かったのだと思う。刑事がグイグイ出てくると、この物語の突然殺される恐怖、世界観みたいなものが壊されてしまう気がする。
静かなサスペンス、そんな風に思えた作品でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ有名な犯罪小説8作(赤い館の秘密、殺意、ABC殺人事件、殺人保険、見知らぬ乗客、溺殺者、死の罠、シークレット・ヒストリー)になぞらえて、殺人が繰り広げられていくお話です。
直近で読んだ作者の他の作品、「9人はなぜ殺される」が面白かったものの若干もやもやが残ったのでこれはどうかなぁと思いつつ読んだところ、こちらは完全に私好みでした!
やっぱり犯人と被害者との間に強い動機がある方が読みごたえがあると言いますか。「9人…」は逆恨み系の話だったので、面白かったけど動機が薄いなぁと思ってしまったんですよね。
※ここから盛大なネタバレ含みます※
もちろん「ABC殺人事件」が登場するので無関係な人も死ぬことは分かっているのですが(つまり特に動機なく殺されている人もいるので矛盾してるんですが笑)、結局犯人は二人いるという落ちで、しかもその犯人(たち)がサイコパス味とロジカル味を両方あわせもっているおかげで、ランダムな殺人の背景に深みが増すと言いますか。
叙述ミステリチックな要素もあって(8作の中に含まれていない「アクロイド殺し」)、読みながらあれこれ予想したことが悉く外れていったので、めちゃくちゃ面白かったです!(マルはノーマン以外にも殺してるんだろうなとは思いましたが、マーティが犯人だとは思わずびっくり...)
間をあけるとよく分からなくなると思うので、時間があるときに一気読みするのがお勧めです! -
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ネタバレタイトルもそうですが、冒頭で「そして誰もいなくなった」「ABC殺人事件」のストーリーに触れることが注意書きで書かれているので、全員死ぬし、関係ない人も殺されるんだろうなということ自体は最初に分かります。
そしてタイトルの通り9人が対象なので、登場人物がめちゃくちゃ多い!
そのせいか序盤は中弛み感があって、何度か読むのを中断してしまいました。
でも最後まで読んでみると、後半であれよあれよと伏線が回収されていくので、中断したことを後悔する羽目に(結局何度か序盤を読み直しました笑)。
そして登場人物の多さも相まって、私は本当に後半になるまで全然犯人が誰かは分からりませんでした。
結末は他の方も書いている通り、「そんな動機で...?」という感じはあります。
とは言え、世の中の実際に起きている殺人事件を考えると、大概が逆恨みとか通り魔的ものなので、逆に現実的なのかも?と個人的には妙に納得しました。
ただ、ここまで周到に準備して実行するところはサイコパス度120%、さすがピーター・スワンソン作品!
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ネタバレ面白かった。瑕疵が無いわけじゃないけど、エンタメとして十分楽しんだ。
最初はキャラクターの多さに把握するのが大変だったが、死者が増えるにつれ、視点人物が減っていくので1/3くらいからどんどん面白くなって、半分のところでは夢中になって最後まで一気に読めた。
ミステリーとしては推理できないけれど、まあワケありなのはわかるし。アガサ・クリスティを下敷きにしているので、展開にはついていけた。
気になったのはジェシカがどうして助かったのか。その示唆が全然わからなかった。元軍人に依頼したのに失敗するなんて。失敗する要素はあったのか?
全体を通して見ると、死者の数を揃えるため?エリックが死んだ分、ジェシカが助かったとか?
あと肌の色の描写されるまでわからないので、サムやジェシカのシーンは興味深かった。ジェシカは黒人の血とベトナム人の血が入ってて、スペイン語が話せそうな見た目?有色人種ではあるんだろうな。
リストの人物の中に犯人がいるお約束が守られてて面白かったし、最後まで読んでから最初を読むと、もろ犯人の名前が最初に来てて面白かった。
ちゃんと仕掛けられている。
教授とシンガソングライターのやりとりはどうなんだろうな。詩を通じて仲良くなれた感じ。でも親同士が知り合いだったとしたら、親の好みが受け継がれていたとかそういうこと?
なんかみんなリストを見て、見たことある聞いたことある、みたいな引っ掛かりを感じていたのも面白かった。
そして親たちは一切子供達に喋らなくて、悪夢としてだったり過去の友人としてだったりでほのめかすばかりで、どの子供達も親の罪を知らずに死ぬのが面白い。
3児の父親のマシューやゲイのアーサーの死後、周りの人はどう受け止めたのかという描写が無かったのが少し気になった。
必要な描写じゃないけど、人はいつか自分が死ぬことを忘れ、誰かが死ぬことも忘れる、ということかな。アーサーは夫のリチャードのことを忘れるのを恐れているし、ジェエシカも記憶を失う。
逆に犯人は忘れられなかったから犯行に及んだということか。 -
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ピーター・スワンソン、3作目。
ミランダ、ケイト、アリスと来ましたね。
大学生のハリーは、父が急死したという知らせで、帰宅します。
転落死だが、慣れた道なのに?という疑惑も…
父と再婚した若い継母アリスは美しいが、どことなく不自然な気配も感じられるのだった。
視点を変えて、過去と現在が交錯します。
想像の上を行く展開が、じわじわと迫るサスペンス。怖いわ~。
この構成、滑らかな繋がり、作者の頭の切れには、感心します。
作風や主人公のタイプは、変化つけて来てますね。どれが一番面白かったか?この時点では迷いました。ミランダは読みやすいけど、ケイトの方が好み。完成度ではアリス?
5作読んだ時点で、4作目が一番面白かったです☆ -
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ネタバレ
ご同情申し上げます。っていうぐらいに変な男を引き寄せ、事件に巻き込まれるケイト。
『ケイトが恐れるすべて』そう、まさしく外の世界の全てを恐れているケイト。
「これはわたしのせいなんです。彼らはわたしに寄ってくる。異常者はみんな。私は磁石みたいなものなの。」
嫉妬深く、狂気的な元彼はクレアを暗いクローゼットに閉じ込め、ライフルで自分の頭を吹き飛ばして自殺する。又従兄弟は殺人犯かも?の展開の中、どうやら又従兄弟の友達はサイコパス。クレアの新しい彼氏は覗き魔。
私は不幸を呼ぶ、、、と、生まれてからずっと不安障害に悩まされ続け、心理的にも身体的にも追い詰められていく事件が、距離と時間の巧妙な筋立ての中で、複雑に絡み合ってストーリーが展開されていく。
うらすじに「想像を絶する衝撃作!」とあるが、ほんと最高!!
ミステリ、スリラー、サスペンスの大ファンであるスワンソンの作品の設定や場面に、彼の愛読書が顔を出すのもスワンソン作品の魅力だ。
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15歳で母を肺癌で亡くし、大学の卒業式の直前に、父を殺されてしまうハリー。彼のたった一人の家族は、共に残された美しすぎる継母。父が死んだというのに、何故かウキウキと嬉しそうにも見える継母。そして、彼女は異常にもハリーにその美貌で迫ってくる。誰が父を殺したのか?
話がどこに向かうのか、落とし所はどこなのか、勘の鈍い私にはわからないまま、次なる展開に期待して息も忘れてしまうくらいに読み進めた。
ピーター・スワンソンの初めて読んだ一冊目「8つの完璧な殺人」が面白過ぎての二冊目だった。私の好きな作風とは違うのに、中毒になってしまった。今作のラストも最高だった。 -
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ネタバレ
タイトルに惹かれて読んだこの本は、私にとって、文句なしに面白かった!
陰気な北欧ミステリ、犯人が最初からわかっているサイコパス野郎系を好んで読む私だが、この本は終盤まで誰が犯人なのかわからない。
31章で罪の告白を始める主人公わたしが、真実を語ったのか、全てを語り尽くしたのか、、、解説でこのことを「語り落とし」と説明している。まさしく、それだ!
最後の32章の手記で真実が明かされるが「何が現実で何が夢なのかわからない夜が幾夜もあった。」というほど、わたし自身がすでに自分さえも信じられないのだ。
この本はミステリ作家へのオマージュである。登場する9冊の本をすでに読んでいるミステリマニアに向けて書かれている。恥ずかしいことに、どの一冊も読んだことのない私であるが、それでも充分に楽しめた。9冊全部を読んだ後でこの本を読めば、さらに面白さは✖️9になったことだろう。
本書に出てきた「くまのプーさん」のA.A.ミルンが唯一書いたミステリ「赤い館の秘密」は、是非、読んでみたい。 -
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ネタバレ面白かった!
ピータースワンソンはカメレオンみたいな作家さんだなあって思ってる。
昔、音大とか正規に学んだ人の方がバラエティに飛んだ曲を作れるものだ、なんて聞いたことがあって、それが正しいのかはわからないけど、この作家さんの作品を読むたびにそれを思い出す。
硬質で精緻な文章に、ピリッと効いた思いがけないアイデア。最後の着地があっちかな?それともこっち?と、最後まで予測できずにでも、読み終えてものすごく満足感があった。(特にその前にミランダを再読してたので、出てくる人の善人率の高さに少しほっとしたり)
それぞれ癖のある登場人物たちをうまく組み合わせての物語はほんとうに丁寧で、そつがないのに飽きさせない。いやー、いい読書だったなあ。
個人的にはコービンがすこし不憫だなあって。特に母親と兄に対しては少し、なんらかの懲らしめがあればいいのにって思ってしまった。しかも同じ結末のヘンリーがそこそこ満足して笑って幕を閉じてない?ちょっと悔しい。