ホノジロトヲジのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2025/10/27
p.37
声によって想像すれば、それは、まだうら若い異国の乙女でございました。ちょうどその時、部屋の中には誰もいなかったのですが、彼女は、何か嬉しいことでもあった様子で、小声で、不思議な歌を歌いながら、踊るような足どりで、そこへはいってまりました。そして、私のひそんでいる肘掛け椅子の前まできたかと思うと、いきなり、豊満な、それでいて、非常にしなやかな肉体を、私の上へ投げかけました。しかも、彼女は何がおかしいのか、突然アハアハ笑い出し、手足をバタバタさせて、網の中の魚のように、ピチピチとはね廻るのでございます。
それから、ほとんど半時間ばかりも、彼女は私の膝の上で、とき -
Posted by ブクログ
夢野久作の『瓶詰地獄』と素敵なイラストがコラボする、乙女の本棚シリーズ第6巻です。
とある役場から海洋研究所に宛てて3つのボトルメールが打ちあがった旨の手紙が送られます。
手紙の内容はそれぞれ遺書、神への懺悔、両親宛ての助けを乞うもの、でした。
この手紙を出した太郎とアヤ子、二人は大海原を漂流した末にたどり着いた島で長く暮らすことになる兄妹です。
食料や資源などの豊富な島であったので兄妹は特に不自由なく生活をすることができましたが、長い年月により成長したお互いの肉体を異性として意識するようになっていきます。
男と女の関係となってしまったものは兄妹には戻れず、それは社会的にも認められないものでし -
Posted by ブクログ
ネタバレこの作者の書くバディは外れない。
大正の世で怪異にまつわる事件を追う(好奇心)文豪に付き合わされる、学生の春彦。凸凹でありながら相性の良い二人のやり取りは見ていて気持ちがいいものがありました。
いつもながら日本神話に対する解像度が高く、こちらも勉強になるものがありました。
香月の正体は、作者曰く「一人か二人くらいは今作の設定や会話などから看破する読者が現れるかもしれないと思っている。」とのこと。
春彦が「一瞬、三本足の巨大な鴉が、この男の背後に蹲っているように視えた。」となっている。
3本足の鴉といえば八咫烏なので、ちょっと調べたところ賀茂家という陰陽に関係のある家系が出てきた。そのあた -
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はい、45おネェはホノジロトヲジさんと抜群の相性でお馴染み『読まずにレビュー』第8弾です!(パオーン!)
*『読まずにレビュー』とは?
表紙と題名、作者のみを手がかりに本の内容を推理し、感想まで書いちゃう!という傍若無人のレビューです!(先に表紙拡大して確認してみてね)
はい、やっちゃいましたよ
あれほど注意してね!って言っておいたのにやっちゃいましたよ
アレルギーですよ
一目見てわかりました
アナフィラキシーショックですよ
いやほんと笑い事じゃないのよ!!
生命に関わるのよ!
救急車〜救急車〜
いやQ急車じゃなくて!(小ネタ)
なんのアレルギーか?だって!
そんなも見ればわかるや -
Posted by ブクログ
ネタバレ文豪・太宰治の二次創作。
聖書を読んでユダに感情移入してしまい、昂った気持ちのまま勢いよく書いたような作品。
初めは「可愛さ余って憎さ百倍」なヤンデレ展開ですが、終盤「商人として主を売った」とユダが自身が悪人であることを自覚する流れが、羅生門みたいで好きです。
最初、挿絵の意味がよく分からなかったですが、小羊(羊小屋で誕生)、小鳥(イエスの棘を抜く前のコマドリ?)、銀貨30枚と狐(罪のイメージ)など、聖書などでイメージが定着している動物が描かれているのかなと思いました。
全部の意味はわからなかったですが、聖書読んでる人なら理解できるのかも?
あと、ユダの足が鳥なところも謎です。
聖書って解