ホノジロトヲジのレビュー一覧

  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄

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    ネタバレ

    何だか切なくて、可哀想な話だと思った。
    せっかく海難事故から逃れて、兄妹2人、南国の楽園のような島にたどり着いて生きながらえたのに、聖書という書物があったからゆえに、ある意味その地で生きるには不要な知識を植え付けられてしまい、悩み苦しむことになってしまったのだ。

    聖書を読んでいなければ、一般的な世界でタブーと言われることは起こってしまったかもしれないが、2人とも、そこまで深刻に思い悩むこともなく、楽しい人生を送れたのではないか。二度と元の社会へ戻れないのであれば、今いる土地で幸せに生きられる道を模索することの方が、ずっと良いのではないか、と考えさせられた。

    色々な解釈ができると思うのだが、

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    2025年02月06日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    主人公はキリスト教のイスカリオテのユダ。

    っていうのは最初のころにわかった。ので、ラストの一文に驚きはなかった。
    ただユダ視点で考えるとなぜイエスを裏切ったのか?という問いに対し、銀欲しさなどではない。イエスへの鬱屈とした愛情と独占欲、という解釈は面白かった。
    一言、お礼を言って欲しい。自分だけを見て欲しい。特別な女を作らないでほしい。
    「旦那様」と訴えているが、凄く混乱している感じで、押し付けがましい信仰心なのか、同性愛なのか、どっちかなあ、と思った。

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    2024年12月15日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    読みにくい。文章が古めかしいのも、あまり使わない漢字を使うのも、核心にあまり触れない描き方も、何度も読み返してなんとなくしかわからない本だった。
    胸の手術を麻酔なしで受けると言い張る夫人と、執刀医の高峰に特別の感情があった、と言うことなのか???
    9年前に小石川植物園ですれ違って、手術室で再会。で、次のページで2人とも死んだとあるけど。
    夫人がそこまでして秘密にしたかったことが今でもピンときていない。心の中はどうあれ、実際はただ一度すれ違っただけじゃない。不貞でもないと思うのだけれど。
    ただ夫人が心配したように、麻酔手術の後に暴れたりする「せん妄」という状態は実際にある。
    三国志の関羽雲長が麻

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    2024年12月08日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    ひたすら晦渋な文章づくしで、文字を目で追うのがやっとだった。
    おそらく半分も理解できていないと思う…。
    他の方の解説を読んでどうにか大体の内容を把握できた。

    麻酔を施した際、本音や深層心理に眠っていた感情が声に出てしまうことがあるらしい。
    手術台に横たわる美しい女性、伯爵夫人は高峰医師に自分の秘密がバレてしまうのを恐れ、麻酔無しでの手術を望む。
    その強い思いはどこから来るのか____。

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    2024年11月25日
  • 人間椅子(乙女の本棚)

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    人間椅子の内容は言わずもがな、とても面白く。
    挿絵は綺麗なのだが少し独特の世界すぎて「なぜこういう挿絵にしたのだろう?」と意識を持って行かれてしまい、話から注意を逸らされてしまうのが少し残念だったので星4。

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    2024年11月21日
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄

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    南の島に漂着した少年少女の兄妹の物語。
    島に閉じ込められたことと、瓶の中に物語を閉じ込めたことが掛かっているのかな?
    兄妹で愛し合ってしまったと憂いている内容で、挿絵も美しいのだけど、本当はロビンソン・クルーソーのような格好だったんだろうなあ。

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    2024年11月18日
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄

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    「乙女の本棚」というシリーズで、文豪の名作に人気イラストレーターがイラストをつけた、大人向けの絵本シリーズらしいです。

    恥ずかしながら、夢野久作はドグラマグラしか知らず、この「瓶詰地獄」を読んだことがなかったので、「えっこれだけ?抜粋版なのかな?」と思ってしまいました…
    (後で元のを読みましたが、元々短いお話でした)


    絵が綺麗です。
    このホノジロ・トウジさんというイラストレーターの方は「刀剣乱舞」のイラストレーターもしてらっしゃるとのこと。


    ちょっと夢野久作の作品に充てるには美化しすぎな気もしましたが、それはそれでいいんじゃないかと。
    ただ話の内容と絵が合ってない細かい部分があったの

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    2024年11月03日
  • 縊死体 乙女の本棚作品集

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    乙女の本棚シリーズでおなじみ、ホノジロトヲジさんのイラスト作品集。
    あらためて読み返してみても夢野久作や泉鏡花との相性がよすぎて、どれも妖艶&崇高な雰囲気が醸し出されている!
    お目当てだったイラスト描き下ろし短編『縊死体』は、ストーリーにあわせて夕刊を模した仕様になっており、ポップと不気味なテイストの融合がたまらない。乙女の本棚シリーズでの新作も楽しみ。

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    2024年10月28日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    でも、貴下は、貴下は、私を知りますまい!
    外科室での手術で麻酔を拒否する夫人。その視線の先には、外科医・高峰がいた。

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    2024年09月19日
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄

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    この美しい、楽しい島はもうスッカリ地獄です。
    浜辺に流れ着いた3通の手紙。そこには、遭難した兄妹の無人島での生活が綴られていた。

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    2024年09月19日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    泉鏡花文学忌、鏡花忌

    また読んでしまった外科室
    青空文庫で読んだ2年ほど前のレビューを転記

    上 で、手術室の場景が描かれる。美しいであろう伯爵夫人が、手術にあたり、麻酔を頑なに拒む。遂に、麻酔をせず、執刀が始まる。彼女は、昏睡の中での、うわ言を恐れていたのだ。
    医師のメスを、自らの胸に突き、最期に秘密を囁く。医師も彼女を追う様に死す。

    下 で、夫人と医師が若かりし頃、すれ違い、互いに、その一瞬で惹かれあっていた過去が描かれる。

    9年前のただ一度のすれ違い

    米澤氏の『儚い羊たちの祝宴』の「身内に不幸がありまして」の作中に出てきて、寄り道読書。
    今回は、“うわ言”がポイントでしょうか。

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    2024年09月07日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    もっと絵があればいいのに。が最後まで読んだ感想。
    何故か冒頭からすごく早口で話している感覚で途中ついていくのに必死だったが文字を追う目がどんどん先をいき、途中文字から目を離さないとどんどんエスカレートしていく。文字をこんな早く、急かされるように読む感覚は初めてでびっくり。そして、誰が話しているのだろうと思っていたらあんなに忠誠心を示して自分がいかに想っているか語り尽くしていたのに最後に裏切り者だと知る。どんでん返し。

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    2024年08月15日
  • 人間椅子(乙女の本棚)

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    江戸川乱歩文学忌、柘榴忌

    1925年大正14年の作品
    エログロナンセンス

    美しい人妻女性作家
    彼女の元に届くファンレター
    その中に椅子職人からの告白
    自ら椅子の中に潜んで座られる快楽
    読み終えて届く
    もう一通の手紙

    時々映像化される人気作品
    もしかして若い人はご存知ないかも知れないので
    乙女の本棚で書籍化してくれてありがとうという感じです
    私としては、最後のオチがない方が面白いかなと思ってます
    絵はホノジロトヲジさんでした
    希望としては もうちょっと艶っぽくてもと思いました

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    2024年07月28日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

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    最初は読んで理解しきれず、
    後半になるにつれ、だんだんと話の流れが理解できた。
    これが最初に繋がるわけね、と2回読むと面白かった。
    また、ボカロ曲のロウワーのモチーフと知ってさらに楽しめた。
    最後の晩餐の絵やキリストについても知っていたらもっと面白くなるのかな。
    そういう深い解釈なしにしての感想としては、
    歪んだ愛情は怖いね、、と思ったお話でした。




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    2024年07月15日
  • 乙女の本棚9 外科室

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    夫人登場の2ページを跨いだ1枚絵の姿は幼すぎるように感じたが、他は文章にはないイメージとして、仮面をつけた夫人を黒い医療者達が取り囲む絵や、赤血球柄の着物を着た赤い夫人が傷口から出てくる絵など、オリジナル解釈でありながらイメージが崩れることなく、好みのものだった。

    話自体もロマンスがあり、胸の下を切り開いて処置するのに麻酔無しで堪えるほどの想いがあるというのがグッとくる。

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    2024年07月10日
  • 死後の恋(乙女の本棚)

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    うーん…イラストがあったけど、難しかった…夢野久作先生の話が難しいのかな。ソ連やロシア系の話が好きな人に合いそう。

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    2024年07月02日
  • 駈込み訴え(乙女の本棚)

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    「裏切り者」のユダが、イエスと彼自身のこれまでの顛末をひたすら訴え続けるお話。ユダの愛情が憎しみに変わるまでの心情をただひたすらに吐露し続ける物語の勢いに圧倒された。口述筆記で書かれた物語だというからさらに驚き

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    2024年05月28日
  • 死後の恋(乙女の本棚)

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    夢野久作命日、死因は脳溢血。
    1928年 「新青年」

    ロシア貴族の血を持つ男。
    日本の軍人を捕まえて「死後の恋」を語る。
    独白体形式。

    ロシア革命直後、ウラジオストク。
    親から譲り受けた見事な宝石を隠し持つ、美しい少年兵との関わり。

    分隊は壊滅、絶命する仲間。
    少年兵と偽っていた少女は、生きたまま蹂躙され内臓に宝石を撃ち込まれていた。
    圧倒的、高圧的、夜の森。
    凄惨な死体の内側に輝く宝石。

    アナスタシア内親王殿下!


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    2024年03月11日
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄

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    夢野久作命日、遺作は「ドグラ・マグラ」
    1928年『猟奇』

    海洋研究所に漂着した手紙の入った3本のビール瓶
    それは、孤島に漂流した兄妹からの手紙
    一方通行の書簡体系式。
    時間を遡って手紙が読まれる。
    タイトル「瓶詰地獄」のセンスの良さ。
    悲劇的状況の中で二人という幸福。
    心身の成長と共に変化する関係。
    なぜ地獄なのか、美しい兄妹の孤島での生活を読んで欲しい。

    ホノジロトヲジさんの乙女系的キャラクターに救われるが、イメージ的には、もっと人間的かな。

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    2024年03月11日
  • 人間椅子(乙女の本棚)

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    人間椅子は作者がイタズラ好きなんだな、と思わせる作品。
    でも、イタズラ好きだけでは収まらない気味悪さがあってそこが魅力的だった

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    2024年01月30日