加藤元のレビュー一覧

  • 十号室

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    各階2世帯ずつの4階建てのコーポ中里では月イチでお茶会がある。住みたくないな。10号室の森下悠子が亡くなり姪の詩乃が住み始める。メモを作りながら読むのがおすすめと知ったものの面倒なので読み始めた。が、すぐに最初に戻り作りながら楽しく読んだ。
    『自分の選択が正しかったことを証明するために、他人の人生をとやかく判断するのは、どうかと思うけれど』『忘れられない苦しみに対して、忘れろというのは、他者の傲慢だ』
    抛っとけ(ほっとけ)が読めなかった。恥ずかしい。
    この著者の本で一番面白かったかも。

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    2024年11月02日
  • もりのかいぶつ

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    家に寄り付かず妻子に関心のない父、歪んだ感情を向ける母から捨てられた藤村優。
    優は、絵本作家である伯母の登季子のもとで暮らす。
    風変わりだけどちゃんと優のことを見てくれる伯母と飼い猫ランとの生活は穏やかに過ぎていく。

    優と友だちとの関係も伯母は不思議なほど把握できていた。
    自分から誰かに話しかけることのなかった優のいちばんやりたいことが強くなることで、相撲を習い始めたり、中学で声をかけてきた関本晶子とは、感想文の書き方は読書から入ることだと絵本から進めてお互いに『ヘンゼルとグレーテル』『走れメロス』『智恵子抄』と読み合って感想を言い合う(この掛け合いが気持ちいい)間柄が、離れた高校でも続く。

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    2024年08月29日
  • カスタード

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    ポイントが貯まったら
    一人一人に違うおまけをくれる
    不思議なお弁当屋の物語。

    そのおまけがお客さんの
    「取り返したい物」を気付かせ
    その為に1歩進む手助けをしてくれる。

    ラストは、そのおまけを提案した
    「カスタードの娘」自身にも
    おまけが与えられる、優しくて
    暖かい世界観だと思いました。

    読みやすい文体で
    他の作品も読んでみたいと思いました!

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    2024年08月18日
  • うなぎ女子

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    表紙のうなぎがあまりに美味しそうで
    読み始めたが
    最初の佑市のダメ男ぶりに嫌気がさした。
    と思ったら実はぜんぜん浮気なんかしてない
    ことが、次々に来店する関係した女の話で
    見えてくる。
    おみやげは誰に持っていってたか、、
    誰と暮らそうとしたか、、
    最後にわかってまた頭から読み直し
    なんでちゃんと言わないの!と
    もどかしかった。

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    2024年08月17日
  • 四百三十円の神様

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    加藤元さんの作品を読んだのは、本書で4冊目となりました。

    初めに読んだ『嫁の遺言』☆5の衝撃があまりにも「凄く」、続いて読んだ『金猫座の男たち』☆4、『ごめん。』☆5にも深い感銘を受け、加藤さんの全作品を読むと決心した後の1冊目が、本書『四百三十円の神様』です。

    以上の経緯を経て読んだ本書の評価ですが、☆4となりました。
    『嫁の遺言』と同じように全7話で構成される短編集であることから、どうしても比べてしまうことで、ちょっと損をしたのかもしれません。
    もし、加藤さんの最初の作品として本書を読んだのならば、☆5だったと思います。
    それほどまでに、本書は面白いと同時に、共感できる場面・文章がいく

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    2024年07月09日
  • 嫁の遺言

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    7編の充実した短編集。どの作品も、身の上話を聞いているような感じがして、読みやすかった。人間模様が目に浮かぶようだった。

    『嫁の遺言』
    主人公が自分に話してくれている感じがして、すぐに話に引き込まれた。関西弁で語られる嫁のことを聞いているうちに、そんなこともあるかもしれないなあと思ってきた。最後はこの話を聞かせてくれてありがとうと言う気持ちになった。

    他、『いちばんめ』『あの人への年賀状』『不覚悟な父より』『あんた』『窓の中の日曜日』『おかえり、ボギー』

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    2024年06月20日
  • 蛇の道行

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    戦後を生き抜いた少年と女。

    戦争が終わったと中国で知り、もともと母の記憶も薄く、父をも亡くした少年は父と一緒にいた女と共に日本へ。

    戦後の復興期に今日を生きるを糧になんでもやってきた少年と女。

    その女も最初から訳あり謎ありただものではないのがありありと…。
    少年の心のうちがことばで表現されていないので、想像でしかわからないところも不穏すぎる。

    「行けるところまで、さ」
    この最後のことばにとことん生きてやるという力強さと太々しさの両方を感じた。



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    2024年05月31日
  • ごめん。

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    杉田課長の話は旦那に読んでもらいたい…
    ただ同じことを考える人は多いだろうな…笑
    ごめんって言ったんだから許せよって態度。
    許すかは相手に任せてよ。というかそれを言う時点で反省してなくない…?って思うことは私も多々あり。。
    自分は謝りすぎちゃう方なので、子どもの自立心を伸ばすためにも自分のせいじゃない時は控えなきゃと思っている。
    いろんな気持ちで発される「ごめん。」があり、いろんな受け取り方をされる。
    改めて謝ることについて考えさせられた。

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    2024年05月06日
  • ごめん。

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    11話の少しずつつながりのある短編集。
    色んな夫婦が登場したが、すごく共感する部分が度々出て来て面白かった。そして、登場人物の心の声の部分のユーモアセンスが、すごく自分好みで笑えた。
    初読みの作家さんだったけど、更にこの人の作品を読んでみたい。もしかしたら、ファンになるかも。

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    2024年03月30日
  • カスタード

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    外装も内装もケーキ屋さんを思わせるお弁当屋さん。
    店員は強面なおじさんとちょっと無愛想な娘さん。
    そのお店のポイントカードが貯まると飲み物1本とおまけが貰えます。
    そのおまけはその人にとっての苦い思い出や悲しみを乗り越えるための一歩をくれる。
    ちょっと不思議なお弁当屋さんがもたらす心がほっと暖かくなるお話でした。
    ラストよかったなー(*ˊ˘ˋ*)

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    2024年03月08日
  • ほかに好きなひとができた

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    「ほかに好きなひとができた」
    そう言って離れていく、彼には幼少期からのトラウマがあった。
    彼の「好き」がいつか叶って、彼の望む「好きなひと」と幸せになれますように。

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    2024年02月23日
  • ごめん。

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    あー!!!わかる!!!

    この旦那との会話のズレ感。
    この絶妙なズレ感!!!!!
    途中まではちゃんと合ってる、いや、合ってるんだと思うんだが、感覚とかが違うんだろうね。
    え?今それ言う?
    ってのとか。
    なんで、そうなるか?
    っていう。
    面倒くさくなって話さなくなる。
    これ、典型ではなかろうか。
    いや、余計なこと言うよなぁ。って思うのもあるし、なんだ今ここでそのテンション、うざ!
    ってなることもある。
    このズレはどーしたってどうにもならんのかな。

    普段はいいのよ、多少ズレてても。
    ここぞってときに、ズレ出されると離婚直結よね。

    そして、この本に出てくる空気の読めない杉田課長。これはもう、婚姻

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    2024年02月13日
  • 本日はどうされました?

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    何の情報もなく読み始めたら疑わなかった。
    ここで、ネタバレ以外の口コミ読んでいたので、途中で察しはついたけど、最後をどうやってもっていくのかな?と気になりあっという間に完読しました。
    一気読みしないと人間関係がわからなくなるかも?でも一気読みしたくなる文体だったので、問題なしでした。

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    2024年01月18日
  • 本日はどうされました?

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    一気読み。

    湊かなえの告白のような文体で、11人の人間の証言から真実に繋がっていく。

    悪魔の看護師がいる。

    この悪魔に迫る。

    これがまた、うまい!!
    わかる!こんな女いるわあーっていう同意と、いるいる!こういうやたら調子いい女!

    とか、

    そうそう、よくわかんないけど仲間はずれだけはされたくなくて、うんうん、それわかるわかるーって絶対わかってないのに言ってのけるやつ。
    ↑こういうやつは、大概、あとで色々言ってんだよなぁ、陰で。
    とか。笑笑
    とにかく女所帯あるある!!笑

    すっげー鈍くてみてるだけでイラつくやつもいるいるあるある。
    ただただ、悪口が言いたい女も、あるある!笑

    でも、な

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    2023年11月17日
  • ロータス

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    タクシーの運転手視点の連作短編

    何かを「見た」経験をしたタクシー運転手
    この世に人ならざる存在が登場するにもかかわらずホラーではなく、なぜかヒューマンドラマ


    収録は4編
    ・サナダ
    ・タドコロくん
    ・オガワ堂さん
    ・キツさんたち


    猫絡みの話はやはり響くなぁ……

    同級生との思い出
    でもその相手は……

    前作(?)のお弁当屋さんとのお付き合いも順調なようで
    そして、和菓子屋だった頃のあれが妙な形で描かれる

    お弁当屋のおじさんの現在
    そしてタクシーに一緒に乗り込む若い女性やその他の人たち


    今作だけでもいい話だけど、前作を読んでいるとよりぐっとくるものがあるな
    まぁ、個人的には前作の方

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    2023年05月26日
  • カスタード

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    お弁当屋さんと後悔を抱える常連さん達の連作短編集

    収録は5編
    ・おにぎり二個さん
    ・からあげさん
    ・のり弁お嬢さん
    ・タクシーさん
    ・Custard


    友達との別離を後悔している女性
    母親の気遣いを煩わしく思っている男性
    捨て猫にトラウマがある女子高生
    奇妙なお客さんを乗せたタクシー運転手
    亡くなった母親を思う女性


    安くて美味しいというお弁当屋
    強面のおじいさんがやっていたが、最近は無愛想な娘が店の表に立つようになった
    常連は、いつの間にかポイントカードで飲み物と「おまけ」を渡される
    懐かしいお菓子、メッセージカード、キャットフード等
    特にもらって嬉しいものではないが、なぜかその品が常

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    2023年05月25日
  • ほかに好きなひとができた

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    個人的には結構好きだったな

    当たり前のことだけど改めて
    好きだからや良かれと思ってって言葉は
    相手の受け取り方ひとつで
    有り難くも嫌悪感にも変わるもんなんだな〜と。

    神崎くんには心から救われてほしいと思ったな
    大介とか川藤ウザすぎて無理だった(笑)

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    2023年04月08日
  • 本日はどうされました?

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    インタビュー形式で進んでいくから読みやすい。
    手記とかあったことを淡々と書き進めていくタイプが苦手であれば苦痛だと思う。

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    2023年03月07日
  • カスタード

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    ネタバレ

    読んでいてほっこりするお話ですね。
    誰にでも後悔していることってありますよね。
    それをお弁当のポイントのおまけで取り戻すことができる。
    お弁当屋さんの娘さんは不思議な力があるんですね。
    いろいろな過去と後悔から、次々と救われていって気持ちがあたたかくなりました。
    面白いお話でした。続編が読みたいですね。

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    2023年03月04日
  • カスタード

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    なんとなく親との関係が上手くいってない人のお話ち。心のどこかに引っかかっていたものが「おまけ」の力で解決される。

    イシザカさんはどうなってしまったのかなぁ。

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    2022年12月16日