【感想・ネタバレ】蛇の道行のレビュー

あらすじ

なにがあっても、離れない。家族は失った。けれど、隣にはお前がいる。昭和24年、上野。戦争未亡人ばかりを集めたバー・山猫軒で、二人はひっそりと暮らしていた。バーを切り盛りする青柳きわと、住み込みで働く立平だ。生き抜くため、絡み合う蛇のように彼らは時代を駆け抜けた。戦後復興期を舞台に、親のない少年と若き未亡人の名付け得ぬ関係を描いた加藤元の新たなる傑作!

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Posted by ブクログ

「蛇の道行」(加藤 元)を読んだ。
ん?なんだこの人は!と思いながら読んでました。なにしろこの本を手に取るまで名前すら存じ上げなかったわけで。
刑事こそ出てこないけれど森村誠一とか高村薫とか松本清張とかのテイストだよな。
描きたかったのは『人間の業』か。
いやー面白かった。

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2019年09月24日

Posted by ブクログ

戦後を生き抜いた少年と女。

戦争が終わったと中国で知り、もともと母の記憶も薄く、父をも亡くした少年は父と一緒にいた女と共に日本へ。

戦後の復興期に今日を生きるを糧になんでもやってきた少年と女。

その女も最初から訳あり謎ありただものではないのがありありと…。
少年の心のうちがことばで表現されていないので、想像でしかわからないところも不穏すぎる。

「行けるところまで、さ」
この最後のことばにとことん生きてやるという力強さと太々しさの両方を感じた。



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2024年05月31日

Posted by ブクログ

女は、蛇のように狡猾に生きた。
弱い者を丸飲みにしてでも、戦後の混乱した時代を生き、
この先もずっと生き延びるために。
そして、絡み合う蛇のように、その生を共に生きる男も。

久々の加藤元さん、惹き込まれて一気読みでした~♪

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2016年08月25日

Posted by ブクログ

片岡球子さんの絵の表紙に惹かれて手に取る。
ほんの数ページ読むうちに
いきなり濃い物語の中に放り込まれていた
 
近松門左衛門さんの「曽根崎心中」が初演された時に
当時の、庶民たちがこぞって芝居小屋につめかけた
その時の気持ちが、こんな感じなのかなぁ
と 思いながら…
 
 読み終わった後、もう一度表紙の「絵」を眺めて
まさに、この物語を象徴する「絵」だなぁ
と強く思った。

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2016年06月11日

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