加藤元のレビュー一覧
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入院患者の不審死が相次ぐ病院があり、患者の容態急変にはすべて1人の看護師が関わっているらしい。
友人からの情報に興味を持ったフリーの雑誌記者が関係者への取材を開始するが……。
集団社会のストレスが生む歪みと悪意を描くサスペンスミステリー。
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真中さんもあやしいと、はじめに言い出したのは菊村さんでした。
入院患者が連続して不審死を遂げた、K県のO病院で起きた事件。それと似たような連続不審死がうちの病院でもあったのです。
O病院では点滴に薬物を混入したとして逮捕された看護師がいましたが、うちでも真中さんが同様のことをしたんじゃないかと菊村さんは疑っていました -
Posted by ブクログ
ネタバレケーキ屋仕様のお弁当屋を舞台に過去の出来事で心に深い後悔を抱えた常連たちがスタンプカードでもらったおまけをきっかけに過去を乗り越え一歩前に進み始める物語。少し前に読んだ青山美智子さんの『#お探し物は図書室まで』と何となく重なる作風という印象。
ヒトは誰しも忘れられない苦い記憶があって普段は胸の奥に渦巻いていたりするけれどちょっとしたきっかけで浮かび上がり辛くてもそこから少しだけ頑張って自分の心と向き合うことで前に進めたりもする。状況はそれぞれ違っても物語の主人公たちが成長する様子にちょっと背中を押されて勇気をもらえた。
第4章から第5章で物語の伏線回収ができていくんだけど陰陽師とか安倍晴明 -
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看護師の闇を見た感じがしたね、
実際に、働いてて、うわ、わかるこの気持ちとかあるし、薬とかね。わかるって思うこともあって、リアルだなって感じ。
あとは、看護師とかじゃなくて、人間の闇だよね。
先入観から、普通に真中さんが犯人でヤバいやつと思って読んでたけど、言い出しっぺがやばいやつだったっていう話。人間こえー
あとは、看護師は身内に優しくないがじわる。
移されたくないからとか言う理由なのもおもろい。
人間の軸的なのとか、人間性とか、人柄とか、芯の部分、核の部分は、目に見える物じゃないけど、だから、大事よね。
それって、言葉とか態度とか、絶対に伝わるもんだからすげーんだよなー。
看護師って、 -
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加藤元『彼女たちはヤバい』集英社文庫。
『嫁の遺言』に次いで、加藤元の小説を読むのは2作目。タイトルと表紙に惹かれて読んでみることにした。加藤元が女性作家であるとを初めて知った。
本作は一種のイヤミスだろう。タイトル通りヤバい女性たちが登場するのだが、今一つストーリーが掴めない。
ダメ男のケンこと高林健と関わる女性たちがネットストーキングするというのが、凡そのストーリーのようだが、その女性たちも一癖も二癖もあるのだ。
ケンと別れた元妻にその息子、同棲相手の女性に現在の彼女、占い師の女性と次々とおかしな女性たちが登場するのだが、話があっちに行ったり、こっちに行ったりで、どうにも的が絞れな -
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はじめ、お弁当屋さんの娘は表情に乏しく接客もうまくないという情報から、勝手に江口のりこをキャスティングしていた。
でも終盤になり、娘は若いことがわかり、しかも父親との会話はポンポン弾んでいて、父親からのメッセージに対するツッコミも早くて、印象がだいぶ変わった。
からあげさんの隣に住んでる桜田さん。その娘が次の章ではのり弁お嬢さんとなって登場してくるところは私の好きな連作短編集だと嬉しくなったが、そういう仕掛けはそこだけだった。
陰陽師とか幽霊とか・・・なんかねぇ。
青山美智子もこういうハートウォーミングな連作短編集が得意だけど、青山美智子の方が断然好き。
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とっても読みやすい本。
短編なせいもあるけど、気楽に気軽に読み終えられます。
わたしはたまたま、この本の前に億り人になるって言う、やたら盛大に借金して、投資せよ!
そしたら、一か月で億万長者だ!っていう本と、月15万で楽しく暮らす。ひっそり生きる。っていうとても若い人とは思えない、非好奇心の若者のリアル本を読んだあとに、
四百三十円の神様っていうフィクション読んだもんだから。
大変申し訳ないんだけど、ノンフィクションのパンチ力半端なさ過ぎて、いや四百三十円って、億万長者にもなれなければ、15万で細々くらす若者にしてみたら、しょーもないっていう。なんとも言えない、現実と非現実のギャップ。 -
Posted by ブクログ
あまい恋、あの頃の爽やかな笑顔と甘やかな気持ち。みたいなそんなもんではなく、そんなんは少女漫画に任せておいてさ。でも、ミステリーほどおどろおどろしくなく。
恨みはあるが、まぁ、許そうか。
ゆるさへんけど、覚悟せぇよ。
とか。仕方ないなぁ。とか。
日常にあるほんの少しだけある、すれ違いや、行き違い、思い込み一端を掬ったような話ばかりで。
誰もが身に覚えがありそうで無さそうで、ホント身近な心のチクリがストーリーになってるところが、たまらん。
わたしの話かはたまた友達の話だったかな。
そんな気分で読めます。
人間、こういうことあるよね。だからさ、どんな人との出会いも宝物になるんかもなぁ。