加藤元のレビュー一覧

  • 十号室

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    初読み作家さん。
    奇しくも読み終えたばかりの東野圭吾の赤い指と通ずるところあり、文章もとても読みやすく、気持ちの入り込める作品でした。
    他人は他人、そう思えない人のなんと多いこと。
    そして、無遠慮な物言いをする人。
    こういう本を読んで、自分の襟は正していかないといけないな。

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    2018年08月30日
  • 好きなひとができました

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    ネタバレ

    『衝撃と慟哭のミステリー』

    んんん?これは煽り帯だなぁ。(-∀-`; )

    一体、誰が主人公なんだ??
    連作短編集だから、中心となる人物や背景が変わるからかなぁ。

    「好きだから。よかれと思ったから。それが全ての通行券となる。」

    このことにまつわる内容がやたらと出てくるけど、、(というかこれがテーマなのか)

    異性、同性、親子に関わらず、人に対して深い感情になると、そういう気持ちになるのも分かるような気がする。

    でもそれって結局は自己愛だよね。

    衝撃と慟哭は感じなかったけど、「人を好きになるということ」という意味を色々考えさせられたかな。。

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    2017年04月02日
  • 好きなひとができました

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    別れの言葉で「好きな人ができたから」って言われちゃったらもうアウトですよねー・・・ってことで、これほど人を傷つける残酷な言葉があるだろうか・・・衝撃と慟哭のミステリー!って言われちゃあ読むっきゃないですよねぇ?w

    んで、目次を開いてビックリ!
    え?まさかの妖怪譚??しかも短編集だったり???
    怪訝な面持ちでページをめくる・・・んー、現代だね。ダイジョブ、妖怪譚ではなさそう・・・w

    さてさて・・・あ、なーるほど。ふむ、これはなかなか面白いかも~、と読み進める。

    むーん・・・いろいろ壊れてるなー。
    壊れてる人に関わってると、その人も壊れて行っちゃうのねー・・・という、ね。

    背の高い細身の男

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    2016年11月06日
  • 蛇の道行

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    女は、蛇のように狡猾に生きた。
    弱い者を丸飲みにしてでも、戦後の混乱した時代を生き、
    この先もずっと生き延びるために。
    そして、絡み合う蛇のように、その生を共に生きる男も。

    久々の加藤元さん、惹き込まれて一気読みでした~♪

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    2016年08月25日
  • 十号室

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    4階建てのコーポ中里。
    十号室に住んでいた伯母の森下悠子。
    彼女に部屋を遺された姪の詩乃が辿る悠子と住人の物語。
    口数の少ない悠子だが、住人それぞれに思い出があり。なかなか読み応えがあった。
    悠子の言葉が印象深い。
    「幸か不幸かなんて勝手に決めるのは無礼だと思いますよ。その人の人生はその人だけのものなんです」

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    2016年08月13日
  • 蛇の道行

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    片岡球子さんの絵の表紙に惹かれて手に取る。
    ほんの数ページ読むうちに
    いきなり濃い物語の中に放り込まれていた
     
    近松門左衛門さんの「曽根崎心中」が初演された時に
    当時の、庶民たちがこぞって芝居小屋につめかけた
    その時の気持ちが、こんな感じなのかなぁ
    と 思いながら…
     
     読み終わった後、もう一度表紙の「絵」を眺めて
    まさに、この物語を象徴する「絵」だなぁ
    と強く思った。

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    2016年06月11日
  • 十号室

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    鉄筋4階建て、8世帯の暮らすコーポ中里。
    亡き叔母の後に、十号室に暮らすことになった詩乃は、在りし日の叔母の秘密を知ることとなった。

    先入観なく手に取り読んだので、まさかのミステリーで驚かされました。
    各部屋の住人の目線で語られる各章で、謎に近づき、解明する感じが面白かったです。

    それぞれの母の愛が招いた悲劇。
    悲しい事件でした。

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    2016年03月03日
  • 十号室

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    期待しないで読み始めたことが良かったです。
    物語自体は、読めば読むほど暗くなっていくのですが…
    そこでは持ち回りで「お茶会」と称する、住民たちの集まりが催され、住人同士のつながりを深めるようなのだが、暮らし始めた姪は、住人たちの話を聞いていくうちに…

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    2015年10月16日
  • 十号室

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    加藤元。初めて読んだが、なかなか良かった。それぞれの人がほんの少し勇気を出して、真実を言っていれば。10号室の子どもが亡くなるのは避けられなかったとしても、10号室の彼女が死ぬまで苦しむこともなかったのかと思うとやりきれない。
    物語は10号室の女性が亡くなり、その姪が部屋を譲り受け、そこに暮らし始めるところから始まる。10号室の女性には、20数年前に子どもが行方不明となった事件があった。
    彼女は高校の元教師であり、なんの面白味もないような人物だと周りからは思われ、実際人付き合いもほとんどしてこなかった。そんな彼女にも裏の顔(良い意味で)があり、人間らしさを持ち備えている人物であ

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    2015年10月15日
  • 泣きながら、呼んだ人

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    四名の女性を主人公に、母と娘の互いの思いを中心として家族の在り方を描く連作小説。
    母と娘の関係は、男には理解し難い部分が多分にある。近親者であり同性であり人生の先輩後輩であるが故に、共感する部分と反感する部分と。本作では、その微妙な人間模様を巧みなさじ加減で美しい物語に仕上げている。タイトルの意味を知ったとき、この作家さんは只者ではないと思った。
    また、書店員・松本大介さんの解説はプロの方以上の名解説です。

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    2015年06月24日
  • 泣きながら、呼んだ人

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    いろんな親子があるんだよね。外側からわからないけど…。母と娘同性どうし良い所もあればなかなか難しいところもある。心配してないようで一番心配してくれてたり…ありがたい存在です。

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    2015年06月21日
  • 泣きながら、呼んだ人

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    母と娘、あるいは祖母と母と娘そして「家」を描いた短篇集。
    私の中での評価の基準に(連作でない)短篇集では「その先が読みたくなる短編」と「作品として完結していると感じる短編」があり、この本は後者である。読み進むうちにこれが連作であることが判るのだが、それでも各短編はきちんと完結している。
    母と娘の言わなくていいのに言ってしまう関係、判ってると思って敢えて言わずに過ごしてしまった関係。それらが絶妙なさじ加減で描かれる。
    各短編、ラストの数行の鮮やかさに舌を巻いた。

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    2015年01月25日
  • 泣きながら、呼んだ人

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    母と上手く関われない私には、うんうんと納得したり、そんなものかね…と考えたり色々な思いが交差した。姉妹が各々相手の方が恵まれてると思っていたら…とか、母と娘が反発しあいながらも結局は相手を心配してたり…何処の家庭にもありえる話に苦笑い。そして「かつて誰かに愛されたと言う過去があるから、誰かと手を携えて生きていく未来を信じられる」に泣く。人との関わりは有難いが難しい…

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    2015年01月09日
  • 嫁の遺言

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    あとがきによると大人向けの『おとぎ話』を書きたかったと書いてあった。ある程度の大人なら、きっと経験した事があるだろう人生の哀しいシーンをテーマに書かれた短編集である。

    表題作の『嫁の遺言』は、嫁の死で、僅か三年間で結婚生活を終えた男と嫁の物語。残された男の胸に小石のように残った嫁の遺言…

    個人的には『あんた』と『窓の中の日曜日』が良かった。『窓の中の日曜日』は自分の過去の経験と重なるものがあり、涙腺が緩んだ。

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    2014年01月31日
  • 嫁の遺言

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    「いちばんめ」が好き。自分の高校時代を思い出したりして、キュンとなった。どの話も、大なり小なり切ないなーっていう印象がある短編集だったな。

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    2013年07月15日
  • ほかに好きなひとができた

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    ネタバレ

    「ほかに好きな人ができた」といって、次から次へと彼女と別れて次の女にいく、神崎登吾。
    今回、別れた女、仁村萌は消えた神崎登吾の行方をさがしていく。
    そして、過去の彼の関係者たちが語る、神崎登吾とは・・・
    って話なんですが。

    いやもう、不幸だわ。
    最後のほうで、神崎登吾の幼少期の話がでてきて、そこから彼の「好き」「好きになる」「好きと言われる」認知が歪んでいるんだけど、
    なんだかなぁ・・・。イケメンも苦労するんだなって感じもあるかな。

    幼少期からイケメンだったからもあって、事務所所属することにもなり、そこの大人が「友だち」として彼に寄って行って、「好き」っていう気持ちを押し付けて、
    登吾を好

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    2025年10月22日
  • 本日はどうされました?

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     入院患者の連続不審死が発生したE病院。噂を聞きつけたフリー記者は独自に関係者にインタビューをする。すると渦中に1人の看護師の存在が浮き彫りになってくる。仕事が遅く、物事の伝達も下手で、周りをイライラさせてしまう。しかし、取材を進めていくうちに違和感が生まれてくる。彼女は本当に悪者なのか?誰かが彼女を悪者に仕立て上げているのではないか?
     どこにでも起こりうる集団社会の闇を暴き出すミステリー。やはり、本当に怖いのは妖怪でもお化けでもなく、生きている人間としか思えない作品。

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    2025年09月21日
  • ごめん。

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     初読みの作家さん。
    タイトルに惹かれて手に取った。
    絶対謝らない人、口ぐせのように謝罪の言葉を口にする人、謝ったんだから許せよという人、すぐ謝るなという人の連作短編集。
     「かすがい」が1番ほっこりした。

     「ごめん」の言葉の難しさを痛烈に感じた。
     子どもの頃、けんかをしたらお互いにごめんなさいをするように親や先生から言われたけど、謝っただけでは解決しない事の方が多かった気がする。
     なんとなくもやもやしたまま、なんとなく解決したふりをする。
     上手に「ごめん」を言える人間になりたい。

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    2025年06月20日
  • 本日はどうされました?

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    ネタバレ

    たくさんの人から語られるとある人物。良いことや悪いことも様々な言い分があるので、いい人なのかも、でもやっぱり悪い人なのかもと見事に作者の手のひらで転がされていた。
    中盤から良い印象と悪い印象の差があまりにありすぎて、違う人物のことを言っている?と分かってしまった。

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    2025年05月21日
  • 好きなひとができました

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     誰かに告白されるたび、交際中の女性に別れを告げて新しい女性と付き合うということを繰り返す男、神崎登吾。

     稀代のプレイボーイなのか、はたまた見た目だけの軽薄男なのか。登吾を知る人たちの証言から、神崎登吾という人間の実像に迫るサスペンスミステリー。
              ◇
     12月はじめの朝、宮原祐史は目抜き通りを勤務先へと急いでいた。
     この町には寺が多いせいか、通り沿いには仏具屋や仏壇店が軒を並べていて、古道具屋や古着屋もちらほら見える。その中の1軒が祐史の勤めるリサイクル家具店だ。

     家具店に着いたのが9時53分で、始業時間の10時には間に合ったが、店長の宮原貴子の「おはよう」という

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    2025年03月30日