加藤元のレビュー一覧

  • カスタード

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    名前も知らない常連さんと、店主の想いが交錯するあったかいストーリー。こういうお店が近くにあったら良いなぁ…

    お弁当屋さんなのにカスタード、その意味がわかったとき胸が熱くなった。

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    2022年05月17日
  • ごめん。

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    加藤元さんの小説を読むのは『本日は、どうされました?』に引き続き2作目です。

    今作は「ごめん(謝罪)」に関する短編集で、かつ登場人物が少しずつ繋がっている形式(連作短編集)です。

    個人的に読み取ったテーマはこんな感じです。
    ・家族
    ・夫婦
    ・恋愛
    ・職場の人間関係
    ・近隣住民との人間関係
    ・ハラスメント
    ・男女差別(無理解)
    テーマを拾ってみて改めて納得しますが、20歳以上推奨の作品ですね。子どもだからわからない、ってことはないと思いますが、「大人になってみると分かる、このしんどさ」という感じです。

    謝罪が生まれる環境というものは、必然的に人と人が交わるところ、ということになりますが、こ

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    2022年02月03日
  • カスタード

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    誰もが抱える「後悔」を奇跡で救う不思議なお弁当屋。前に進む勇気をくれる珠玉の物語。
    常連客に差し出されるどーでもいいモノが、心の傷を癒やしてくれる。生きていくためにはストレスや迷いと共存しなきゃいけないけど、こんなお店が実際にあればうれしいなあ。

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    2022年01月15日
  • うなぎ女子

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    あ~うなぎが食べたい!
    表紙のうなぎが美味しそう。

    とある一人の男に縁深い、五人の女たちが集う『まつむら』。
    人生の決断を迫られた彼女たちのそばにはいつもうなぎがあった。
    (裏表紙より)

    うなぎを最後に食べたのはいつだろう?
    特売していたスーパーの蒲焼きが最後かな。
    ここ数年はうなぎ屋の暖簾をくぐったことがないような気がする。

    値段もうなぎ登り、どことなく敷居が高いので、私にとってはやはり特別な日に食べるご馳走。
    お店によりタレの甘さやしょっぱさ、
    焼くのか、蒸してから焼くのか、
    職人さんの腕など、様々が混ざりあい、蓋を開けたときの香りや口に頬張ったときの感激が違う。
    まあまあだねとなる

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    2021年12月26日
  • カスタード

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    街の片隅に佇むお弁当屋。やって来るのは、母を
    疎ましく思いながらもその存在に縛られる青年、
    捨て猫にトラウマがある女子高生など、心の底に
    「後悔」を抱えた人々。客に差し出されるささやかな
    奇跡がそっと心を救って…。

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    2022年01月11日
  • 本日はどうされました?

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    ネタバレ

    読んだ後、女性作家さんだって見てびっくり!
    だからかわからないけど、女子特有の、妬みとか嫉みとかがあって、わかるーってなった。

    自分に都合の悪いことは言いたくないし、人にはいいように伝えるから、そこからのイメージって本当に信じられないなって思う。

    まなちゃん、、普通に真中さんって思っちゃうよなぁ。

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    2021年10月16日
  • 四百三十円の神様

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    ネタバレ

    短編7編の構成のこの作品。表題作も
    面白かったですが、「腐ったたぬき」の
    意外な話の流れからのそっちかいっ!
    って展開や「いれずみお断り」の
    獣医さんと刺青を入れた老人との関係や
    娘さんとのラストなんかも時に
    そうすることも正解だななんて思いました。
    「鍵は開いた」の話の展開が
    ちょっと好きかも。ただ全体的に
    登場する夫や父がまぁだらしないというか
    とんでもない男性陣ばかりで読んでて
    こっちが申し訳なく思っちゃうくらい
    ダメダメな男性陣でした・・・・
    加藤元さんの作品は初読みだったので
    他の作品の男性陣も基本的には
    こんな感じなんだろうか・・・
    とにもかくにもさらっと読める短編集でした。

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    2021年07月30日
  • うなぎ女子

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    ネタバレ

    うなぎにまつわる5人の女性の話。
    それぞれ別々の話かと思いきや、どの話も権藤という男が出て来て、物語が進む。
    全部の話を読むと、1話で出て来る人やエピソードが繋がります。

    話を重ねるごとに権藤のイメージが変わる…笑子のお土産の件は誤解されたままなのでは…。
    ちゃんと説明すればいいのに、と思ったけどあえてそうしない理由があるのかな。

    どの話も読み終えたあとは前向きな気持ちになれます。
    この方の本は初めて読んだけど、一人一人のキャラが特徴的で人間らしい。

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    2021年06月12日
  • 私がいないクリスマス

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    ネタバレ

    進行がんを宣告され、クリスマスイブに手術を受けることになった中島育子・30歳。術後の病床、朦朧とした意識の下、夢うつつで見る光景。手を繋いで歩けなかった父、クリスマスの夜は決して家にいなかった父、亡き父への思いが交錯する。
    どこかユーモラスなカトゲン節で描かれるちょっぴりファンタジックなクリスマスの夢物語。

    父の重大な罪によって家族は崩壊‥‥といって想像したのは父の浮気だったけど、その陳腐な想像を遥かに超えた事実に胸を突かれた。

    ーー誰が悪いとも、悪くないともいえない罪を、分かち合うこともできぬまま、それぞれに苦しんだのです。
    育子の父のとった行動、かずえちゃんの母が言わなかったこと、育子

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    2020年12月20日
  • 嫁の遺言

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    死んだ妻と残された夫、互いに一番目だった初恋の相手、母が一生大事にしている思い、娘を思う不器用な父の愛、不幸になるとわかっていながらそばにいたいと思う気持ち、離婚して手放した娘への母の思い、不器用で意地っぱりな娘の幸せを後押しする父の愛。7つの短編は、どこにでもある市井の人々の人情や思いやりを、軽い笑いで包みながら描き出す。
    笑って泣ける、泣けて笑える、そして読後にさわやかな余韻が残る物語。読んだ人それぞれに一番好きな作品があるような、珠玉の短編集。
    もっとカトゲン作品を読みたくなった。

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    2020年12月14日
  • うなぎ女子

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    お不動さんの参道にあるうなぎ屋『まつむら』。そこには、ある一人の男に縁深い五人の女たちが集う…。人生の決断を迫られた彼女たちの側にはいつもうなぎがあった。甘くてしょっぱい、うなぎのように濃厚な連作集。
    読後はやっぱりうなぎが食べたくなる。ここぞと気合いを入れたい時、人生の岐路に立った時、滅入った気持ちを再起動したい時、何より幸せな気分になるのがうなぎである。本作はストーリー構成が、鰻のようにつかみどころがない不可思議さが巧い。

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    2020年11月03日
  • 好きなひとができました

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    ネタバレ

    *次から次へと女性とつきあい、すぐに「好きなひとができた」と言って、別れを告げる男。彼のその行動は、周囲の人々、そして彼自身の運命を歪ませていく…。周囲の人々の証言から、浮き彫りになる男の正体とは!?思わぬ結末が胸を打つ!衝撃と慟哭のミステリー*

    整った容姿を持つが、子どもの頃から「好きだと言えば、おれを支配する通行券を得られたと思う人々」に嬲られ、苛められ、虐げられてきた男の話。

    本物の愛情を求めてすぐに人を好きになるが、そのうち相手から支配や要求が増えてきて、ああまたか・・・と失望し、次の「好きなひと」のところへ乗り換える神崎登吾。溺れる者のような痛々しさが心に染みます。

    そんな登吾

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    2020年09月17日
  • うなぎ女子

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    お不動さんの参道にあるうなぎ屋「まつむら」。そこにはとある一人の男と縁深い、5人の女たちが集う。うなぎのように濃厚な連作5編を収録。

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    2020年09月07日
  • うなぎ女子

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    ネタバレ

    うなぎと一人の男性を巡る女性たちの物語。
    この男がめちゃくちゃ腹が立つのだけれども、物語が続くにつれて、どうしてこんなことになってしまったのかわかるという仕掛けがうまい!

    美味しい鰻が食べたい。う巻にうな重、白焼き、時間がかかるし、高いもんなぁ~。

    わが家では私しか鰻を食べないし、食べるならきちんとしたお店のものが食べたい。

    「きのう何たべた」で紹介されていた上野のうなぎ屋さんに行きたいなぁ。コロナがなければ(T_T)

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    2020年07月11日
  • 好きなひとができました

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    これはキツい。「好きな人ができました」と言って、次から次へと彼女を変える神崎登吾。彼に振られて執拗に追いかける仁村萠。逃げる男にしつこい女。どっちにもウンザリかと思いきや、そういう話ではなかったと。人を好きになるって、綺麗な感情だけではない。押し付け・支配欲・嫉妬・執着心、時に負の感情も混じるもの。歪んだ愛は凶器に変わり、不要な愛は重荷になる。そこにいじめ・子への虐待描写も絡んで、ちょっと重かった。ところどころは共感できるけど...何だかなぁ。章題の妖怪名もムリヤリ感があって余計。ラストもスッキリしない。

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    2020年03月16日
  • 四百三十円の神様

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    子供の頃、大人になったらわかるよと言われる度に悔しかったけど、大人にならないと分からないこともあるよな…と思わされる一冊。
    感情は経験から生み出される。だから、同じ場所で同じものを見ていても隣にいる人と分かり合えない事だってたくさんある。
    大人になったから分かる事、親になったから分かる事、誰かを愛したから分かること、誰かを憎んだから分かること、たくさんあるんだろうな。

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    2019年02月26日
  • 泣きながら、呼んだ人

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    母親と娘の関係が軸になった四編のストーリー。四編の登場人物が重なります。
    母と娘ってとても近い関係だけど、お互いに口には出さない秘密もあったりするんですよね。

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    2018年10月13日
  • 私がいないクリスマス

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    三十歳独身の中島育子は突如癌宣告を受け、クリスマスイヴに手術を受ける。朦朧とした意識のなか、思い出す父親のこと。嘘ばかりついていた父親の本当の姿とは。
    クリスマスとは奇跡が起こりそうなである。独特な雰囲気のなかで、愛がある人もそうでない人も何かが起こることを期待してしまう。当時は理解できなかった父親を病床のなかで想うこと。奇跡が起きる時は、深い思いが神様に通じたときなのかもしれない。

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    2018年05月07日
  • 1999年の王

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    いいね、一気に読めた。被害者の章に全てが書かれていた様な気がする。いい話だった。勝利者はただただ浅はかで傲慢。

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    2018年04月08日
  • 1999年の王

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    表紙に目を引かれて。

    孤独なオヤジを釣り上げる保険金殺人。首謀者の男から逃れられずに手を貸すことになった女。目立たない男がこうなった理由をさまざまな証言から起こすわけですが、「王」とまでいうのはどうだか。現実にもはや珍しくもない事件なので、『消された一家 北九州・連続監禁殺人事件』のようなノンフィクションを読んだ後では弱い。けれど、弱い分、嫌悪感に駆られることもなく、さらさらと読めます。

    中学生にとっては1年後も10年後もどうでもいい、重要なのは現在という一文は印象に残る。「おれを裏切るな」という言葉は「好きだ」とはちがうのに、男に縋りたい女にはそう聞こえてしまうもの。

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    2017年10月15日