加藤元のレビュー一覧
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ネタバレ*次から次へと女性とつきあい、すぐに「好きなひとができた」と言って、別れを告げる男。彼のその行動は、周囲の人々、そして彼自身の運命を歪ませていく…。周囲の人々の証言から、浮き彫りになる男の正体とは!?思わぬ結末が胸を打つ!衝撃と慟哭のミステリー*
整った容姿を持つが、子どもの頃から「好きだと言えば、おれを支配する通行券を得られたと思う人々」に嬲られ、苛められ、虐げられてきた男の話。
本物の愛情を求めてすぐに人を好きになるが、そのうち相手から支配や要求が増えてきて、ああまたか・・・と失望し、次の「好きなひと」のところへ乗り換える神崎登吾。溺れる者のような痛々しさが心に染みます。
そんな登吾 -
Posted by ブクログ
表紙に目を引かれて。
孤独なオヤジを釣り上げる保険金殺人。首謀者の男から逃れられずに手を貸すことになった女。目立たない男がこうなった理由をさまざまな証言から起こすわけですが、「王」とまでいうのはどうだか。現実にもはや珍しくもない事件なので、『消された一家 北九州・連続監禁殺人事件』のようなノンフィクションを読んだ後では弱い。けれど、弱い分、嫌悪感に駆られることもなく、さらさらと読めます。
中学生にとっては1年後も10年後もどうでもいい、重要なのは現在という一文は印象に残る。「おれを裏切るな」という言葉は「好きだ」とはちがうのに、男に縋りたい女にはそう聞こえてしまうもの。 -
Posted by ブクログ
白い外壁に窓辺の黒い鉄柵。周囲の高い建物に日差しを遮られた、四階建てのこぢんまりとした鉄筋アパート…
冒頭の二行を読んだだけで、すでにこの不穏で、息苦しい世界に引きずり込まれていた。
コーポ中里の十号室でひっそりと暮らす女が亡くなった。そこに越してきた女の姪、詩乃。
大好きだった伯母は、ここでどんな人生を送ったのか…
各部屋持ち回りでお茶会が開かれる程の濃密な関係を持つコミュニティーで、それぞれの世帯の抱える家族の事情。
住人がひた隠しにする過去の事件とは?
最後に明らかになる真実に引き込まれる。
ラストに少しの救いがあってよかった 。 -
Posted by ブクログ
突如として宣告された進行癌。
三十歳で独身、中島育子はクリスマス・イヴに手術室にいた。
終始ツキのなかったこれまでの人生。
朦朧とした意識の中、毎年クリスマスには家を空けていた
父親のことを思い出す。
嘘ばかりついていた父はあのとき何をしていたのだろう。
現代版「クリスマス・キャロル」がここに。
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大人になってから読むのと、中学や高校の時に読むのと、悲しみ・苦しみの感想が変わってくるのかな。
毎年、父親とクリスマスを一緒に過ごせないでいる理由。
父親は確かに嘘をついていたけど、その嘘が悲しすぎる。
読んでる