加藤元のレビュー一覧
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ネタバレ
二度読み。
「好き」と言ってもそれぞれ、形、表現方法(思い・行動・言葉等)があって、改めて難しいなと思った。怖いということも改めて感じる。
友達、好きな人、恋人という枠なら全部許されてしまうのか、すべて善なのか、優しさなのか。
萠の「好き」と言う気持ちの暴走が怖い。
祐史の彼女の評価を考えると、真逆。
登吾と付き合う前の彼女の評価は、嫌がらせ、下品な発言、どちらも彼女とは結び付かないと。
「好きだから」「登吾のため」「変わってほしい」「間違っていたら正す」萠の相手のためと言いながら自分のためという行動が多くなる。目に余る。
多少だったら、いいのだけれど。
最初の頃は登吾が嫌がるこ -
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ネタバレ*お不動さんの参道にあるうなぎ屋「まつむら」。そこにはとある一人の男に縁深い、五人の女たちが集う。売れない俳優と同棲する女、大学教授と見合いをする女、ベストセラーを夢見る女、「太るから」うなぎが嫌いな女――。人生の決断を迫られた彼女たちのそばにはいつもうなぎがあった。
甘くてしょっぱい、うなぎのように濃厚な連作5編を収録*
題名から、明るくて元気が出る女子たちの奮闘記?みたいなお話をイメージしていましたが、違いました。
文調はからっと明るめでテンポ良くさくさく読めますが、お話が進むにつれ、大人ならではの言えなかったこと、聞けなかったこと、目を逸らしてきたことが陰を差します。わかるけど、あと -
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ネタバレ*”助けて。一生のお願いだから”夜明けの牛丼屋。バイトの岩田が眠気と戦っていると、派手な女が転がり込んできた。懇願する彼女に一体なにが!?(「四百三十円の神様」)動物病院に立派な刺青を入れた老人がやってきた。クセのある彼は弱った拾い猫を次々と連れてくる。だが、彼は急に姿を見せなくなり、心配した獣医が彼の家を訪ねると!?(「いれずみお断り」)心を揺さぶる、注目女性作家の珠玉短編集*
そこはかとなく懐古感漂う短編集。損得でも理屈でもなく、情に寄り添った物語たち。
割り切れない思いや哀しみを抱えつつ、それを抱えたまま悲観することなく次に歩みを進めていく主人公たち。ごくごく普通の人たちが、飄々と淡 -
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お不動さんの参道にある、うなぎ屋「まつむら」。
店先で職人さんたちがうなぎを焼く庶民的な店。店内にある年季の入った4人掛けの木製テーブル4つは、いつもお客さんで埋まっている。
その「まつむら」を舞台に描かれる5人の女たちの物語は、章の名前からして「肝焼き」「う巻き」「うざく」「うなぎの刺身」「うな重」とうなぎ三昧。5人の女たちは、「まつむら」と一人の男・権藤佑市を通してゆる~く繋がっている。
第1章で描かれる佑市は、20年来の同棲相手である笑子に経済的に支えてもらいながら売れない役者を続けている、なんとも調子のいい浮気男という印象。二人の別れ話が、20年通って来た「まつむら」での思い出ととも