鈴木康士のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ忘れたい記憶を本当に手放せる、そんな奇跡があるのなら、すがりたくなる人は少なからずいるだろう。
ここを訪れる人たちの中には、都市伝説として語られるその奇跡を頼ってきた人が確かにいた。
ある人は門前払いを食らい、ある人は実際に記憶を手放した。
その先に何が待っているかを、予測することなく。
手放したい人の記憶の内容もその理由も様々だ。
心が壊れてしまった人を救いたい。
失われた命に関わる後悔を涙を消し去りたい。
読み手側の同情を誘うには十分な理由。
ただ記憶を失った場合の代償は後から分かる。
その記憶を失えば救われるかと言えば、そうとは限らない。
その記憶の消去と辻褄を合わせるため、人間の -
Posted by ブクログ
ネタバレ八雲シリーズ単行本では完結したけど、最後のAnother Storyシリーズかな。
しかし、このシリーズだと一心が存命で、まったく八雲が晴香に歩み寄っていない段階なので、八雲の態度がめちゃくちゃ辛辣w
女子に四つ這いになって踏み台になれ、と中々いう人はいないよ・・・(笑)
本当に晴香はドМだわ…
大地奈津美…八雲の小学六年の時の同級生。バイト先のペンションで幽霊が出るのは天使の予言が関係しているのではないか、と相談に来た。
桂木…ペンションのオーナー。離婚し会社員を辞めてペンション経営を2年前から始めた。
天使真冬…最近ネット上で予言を行う事象預言者。八雲に言わせると、預言者と予言者の -
購入済み
短編も楽しい
短編ということもあってか、軽く読めました。晴香と八雲のいつものやりとり、刑事さんとの絡みなど本シリーズと同じ。でも本シリーズほどの暗さもなく、あっさりという感じで、楽しくもありますが、ちょっと物足りない感じもあります。
-
Posted by ブクログ
【あらすじ】
悔い改めなければ、三つの魂が地獄に落ちる―。心霊現象が相次ぐ湖畔のペンションに、不吉な予言が告げられた。かつての同級生から依頼を受け、調査に乗り出す八雲であったが、そこに現れたのは預言者本人だった。
台風によって生じた閉鎖空間のなか、予言の通り犠牲者が
出てしまう……。果たして、死の連鎖を止めることはできるのか? 呪われた予言の謎を八雲の頭脳が解き明かす! 大人気スピリチュアル・ミステリー!
【感想】
本編の最終巻を待つ中でのANOTHERFILE最新巻です。
今回はほぼペンションの中だけで展開されるワンシチュエーションミステリーで刑事コンビも登場せず、ちょっと淋しい展開でした。 -
Posted by ブクログ
友人が八雲にはまり始めて、自分も久しぶりに八雲シリーズに手を伸ばす。
久しぶりに読んだけど、テンポは変わってなくてサクッと読めた。
八雲の態度は相変わらずと思っていたけど、
晴香が容疑者として証拠まで出てしまったことにかなり無自覚にショックを受けてた。
晴香の事を語れるほど情報を持っていないことに気づいて、なんなら本を読んで逃避行動しちゃってる。
あいつはそんな人間じゃない、と人は自分の物差しでしか判断することは出来ないけど、関わりが多くなればなるほど、データではわからないその人の人となりってわかるものだよね。
でも、情報が多いほど確かにもっとその人の事を知れるから、八雲は晴香の事をきちんと -
Posted by ブクログ
ネタバレ殺人事件で殺され、地獄に落ちた男が転生して真犯人を追う傍ら、現世でその恋人も犯人を追うという二重構造のミステリ。地獄の設定やシステムは非常に秀逸でスラップスティック。地獄編の描写は非常に面白かった。現世での女刑事である愛も著者特有の狂気に満ちており、その心理描写は上手い。ただ、地獄編の主人公である良太が一貫して現世に残してきた恋人の名前を出さなかったことと、愛の父親が婿入りという時点で、作品の大掛かりな仕掛けが粗方読めてしまったのは残念極まりない。理不尽を得意とする著者だからこそ、消去法で最も理不尽な可能性を考えたら容易く行き着いてしまう。ホラー寄りのせいか、ラストの悪魔の一人語りも理不尽を通