谷瑞恵のレビュー一覧
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靭公園に面したサンドイッチ店『ピクニックバスケット』を舞台にした連作短編第二弾。
お客さんの思い出の具材をはさんでサンドイッチにしてくれる、姉の笹子と妹の蕗子の営む小さなお店は、いつもほのぼのとした雰囲気で優しい。
昔の記憶を呼び起こすように、サンドイッチでこんな素敵な話を紡ぎだせるなんて、とてもお洒落です。
今はもう閉店してしまった「トワイライト」という喫茶店のクラブハウスサンドの話「黄昏ワルツ」と、おじいちゃんが子どもの頃に食べたジャムサンドの話「明日の果実」が特によかったです。
笹子の元カレが登場したり、蕗子とパン職人の川端さんとの恋模様も描かれているけれど、このふたりの姉妹は深い絆 -
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サンドイッチの専門店『ピクニック・バスケット』は、大阪の靭公園にある手作りサンドイッチ店。
姉の笹子が3年前に始めた店を、妹の蕗子が手伝うようになった。
お客さんの思い出の具材をはさんで再現してくれたり、けんかしてしまった友人との仲直りのきっかけになったり、笹子の作るサンドイッチは、どれもふんわりと優しくて美味しそう。
靭公園や天満の商店街といった大阪の実在する場所が出てくるけど、常連客の小野寺さんもパン職人の川端さんもほんわかした雰囲気で、おっとりした姉の笹子と明るくしっかりものの蕗子と、この先恋に発展したりするのかなぁ。
思いやりに溢れた、とっても優しい姉妹の物語です。 -
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契約社員の野原つぐみは、兄夫婦の同居に伴い実家をリフォームするという話を聞いて帰省する。
部屋で見つけた1冊の本『小公女』をきっかけに話は始まる。
家族経営の「ホテルのはな」で十年ほど暮らしていたメアリさんが亡くなり、その遺品がキャリーバッグに入っていた児童書だとわかる。
不思議な老女、メアリさんとミニブタのムシャムシャ、彼女たちのことが気になり本探しと本の中に挟まれていたお菓子レシピでお菓子を作ることへと…。
メアリさんの本の行方は、彼女がお茶会に招待したい人へのメッセージ。
出会う人は、何かしら悩みを抱えていて、つぐみと一緒にお菓子を作ることによって、気持ちは晴れやかになっていく。
小 -
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前作がサンドイッチ愛に溢れていたので、
今回も気になって読んでみたが、
相変わらずサンドイッチ愛が凄い!
これを読むといつもサンドイッチが
どうしても食べたくなってしまう。
これは、笹子のサンドイッチに対する
思いが凄いからだと思う。
その料理で人を幸せにしたいという想いが
とても強いんだろうと思った。
訪れた人に笑顔になってもらいたくて
笑顔にしたくて、その場で
「そのサンドイッチ作りましょうか?」
と言えるのは凄い。
キュウリオンリーのサンドイッチ気になるなあ!
笹子の恋愛は、料理が好きだからこそ
元彼に料理の楽しみを
“楽しませてもらってた“と気づくのは
悲しかったろうなと思う。
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ネタバレサンドイッチという食べ物だけで
こんなに深いお話が作れるのは凄いなあ。
そして何より、この作者さんが
サンドイッチの事をとても好きで
描いてるんじゃないかなとも思った。
笹子さんの周りにいる人たちが
サンドイッチ店を営むのに必要不可欠で
来るお客さんからメニューを考案していく
という関係性がいいなあと思った。
こんな具がいいんだよねえという
お客さんに対して
作ってみましょかと言ってくれる
そんなサンドイッチ屋さんが
家のそばにあったらいつも通っちゃうなあ
普段のおかずをサンドイッチにするだけで
特別になるでしょ?という
考え方が素敵だなと思ったし
サンドイッチを愛してないと
そういう考