谷瑞恵のレビュー一覧
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谷瑞恵さんのサンドイッチシリーズ(と言うのか?)1弾目。
大阪市の西区、靱(うつぼ)公園に面したサンドイッチ専門店「ピクニック・バスケット」。ここは笹子と蕗子の姉妹が営むお店。
常連客の小野寺さん(かなり変わった風貌の怪しい男性、でもとっても気さく)
サンドイッチのパンを作る「かわばたパン」の店主・川端さん。あだ名は一斤王子。とにかくイケメンらしい。
主にこの4人の素性、というか、これまでの人生の歩みや好きなサンドイッチの思い出などをもとに、1章ずつ話が進んでいく。
そして、この「ピクニック・バスケット」のお店に以前から棲みついている、猫のコゲ。パンが焦げたような模様だからだそうだが、おそらくサビ猫なのだろう。コゲは毎日やってくる小野寺さんになついている。
笹子と蕗子の関係。こどもの頃の思い出の黄色いカレー。コロッケの思い出などなど。身近な食材がサンドイッチの具になる。
関西の「たまごサンド」は卵焼きを挟んだもの、と初めて知った。私ずっと関西在住なのに知らんかった。そういえば、母が作るサンドイッチは必ず卵焼きが挟んであったのを思い出す・・・。誰もが思い出の味に出会う。それがサンドイッチの具になってるんだから驚き。
読み終わったあと、私は卵サンドを家族のために作りました。 -
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江戸時代にお伊勢参りに行けない飼い主の代わりにおかげ犬が、伊勢まで向かったという…
その現代版かのように、しめ縄のような首輪に赤い巾着袋を首から下げた「おかげ犬」シラタマが、現れる。
シラタマが寄って行くのは、恋人に置き去りにされた女性、死を覚悟した老夫婦、母を失った少女、行方不明の息子を捜す母親だったり…と悩みある人に寄り添い伊勢を目指す。
最後には、シラタマの飼い主に…。
横須賀から伊勢までの連作短編集になっている。
シラタマが何を言うわけでもなく、何をするわけでもないのだが、不思議なことに人の思いはわかるのだろうかと。
ただ、悩める人に気づかせてくれるものがあることを感じた。
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ピクニック・バスケットは、姉妹2人で切り盛りしているサンドイッチのお店。
ここには味に思い出を持つ人々が立ち寄る。サンドイッチになると、普段とは違った顔を見せてくれるおかずの数々。思い出におしゃれをしたサンドイッチが間に入ることで縁と縁をつなぎ、サンドイッチを食べてみなは笑顔になる。
悩みを抱えた人々が訪れるが、思い出の味に触れて少しずつ心もほぐれていく。味覚はいつでも思い出と結びついている。それが幸せな思い出だったり切ない思い出だったり、どんな思い出かは人それぞれ。それでも具材と一緒に思い出もサンドされた1品を食べることで皆癒されていく。 -
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ネタバレただ食べ物を口に入れるだけで、生きていけるわけじゃない。自分でおいしいと思うものをつくれるだけでも味気ない。慣れない料理でも、あり合わせでも、誰かがおいしいと言ってくれるなら、そんな食卓が、明日の糧になる。
〜本文より
食事は生きていくうえで避けることはできない。
でもただ口に運んでいくだけではない。
「あぁおいしい」と噛みしめること。
それがどんなに幸せなことか改めて気付かされました。心に余裕がなくて、ただ口に運ぶだけになってしまっていた日々。幸せは、意外とそばにあるのかもしれないなと思いました。
そして、料理には誰かにその「おいしい」を届けようと思うこと。その誰かのことを考える時間が大切だと感じました。この子はこれが好きかな?これは苦手だからな…。自分の頭の中で浮かんでるその人が自分にとって大事な人なんだと思いました。 -
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メアリさんの遺した児童文学とお菓子が幼い頃の懐かしい記憶を呼び覚まし、不思議と肩の荷がふっと軽くなるようなホッとした気持ちにさせてくれた。
普段忙しさにかまけて見えなかったもの、聞こえなかった声に耳を傾けてみようかなと、穏やかな気持ちにもさせてくる。
童話とお菓子で繋がっていく人々の縁が心地よく繋がっていくのもいいなと思った。
メアリさんの「あなたも誰かの贈り物」という台詞が印象的だった。そんなふうに考えると自分の周りの人に優しくしたくなる気持ちが溢れてくる。
自分だったらどんな本を選ぶだろう?『トムソーヤの冒険』か日本だったら『銀河鉄道の夜』がいいな。「鳥捕り」のお菓子なんか最高!
読む人の心にそっと寄り添ってくれる温かさに包まれた一冊だった。
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谷瑞恵さんのミステリで、他の本と同様メインの主人公、ストーリーがあってその中で短編がある形です
主人公は5歳の男の子のシングルママ、喫茶こだまという標本などが置かれているレトロな喫茶店で仕事をしているが、オーナーである伝説収集家の手伝いもすることになって…というお話
1話目はケサランパサラン
2話目は井戸の主
3話目は切ってはいけない庭の木
4話目は幽霊が通る踏切
5話目は神隠し
に関する5話のお話です
不思議な伝承や伝説から出た話ですが、ほとんどがきちんと解決して、でも不思議なこともあるなってお話ばかりです
最後で主人公も少しは納得できたのかな、良かったなと思えるお話でした
面白かったし、読後感が良いので安心して読めます -
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大阪の靭公園のそばで『ピクニック・バスケット』というサンドイッチ屋さんを営む笹子と蕗子の姉妹の物語。
今回はハロウィンから冬に向かう季節の5つのお話が収められていました。
『ピクニック・バスケット』は、悩みを抱えたお客さんの心に寄り添い、お客さんの探し求めているサンドイッチを作ってくれる、思いやりに溢れたお店。
店頭に飾られていたカボチャのランタンがなくなったり、首輪をしたシャム猫が迷い込んできたり、小さな事件を解決しながらゆったりと物語が進んでいきます。
想像力が豊かで、いつも個性的なファッションで来店し、場を盛り上げてくれる常連客の小野寺さんは、姉の笹子に片想い中。
一方、妹の蕗子とイケメンパン職人の川端さんとの恋の行方も、この先とても気になります。 -
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常葉百絵(ときわ ももえ)は、5歳の息子・太貴(たいき)と暮らすシングルマザー。太貴は4歳の時に「神隠し」に遭ったことがあり、6日後に発見された。
大きなお城にいたらお父さんが来て助けてくれたなどと空想のようなことを話すので百絵は戸惑っている。写真家だった夫の誠太(せいた)は闘病の末にすでに亡くなっているのだ。
百絵は『喫茶こだま』に採用されたつもりだったのに、オーナーの賀見社真夜(かみやしろ しんや)から、自分の秘書を兼任するよう言われた。
賀見社の名刺には「伝説収集家」とある。伝説を集め、買い取って「標本」にするのである。店の中にはそんな「標本」がたくさん飾られていた。
開けてはいけない箱、埋めてはいけない井戸、切ってはいけない木、踏切の幽霊・・・入り口はホラーによくありそうなキーワードだが、怖がらせのお話ではない。
言い伝えの元をたどっていけば、始まりには、人と人とのつながりの物語があった。
遠い昔に仲の良かったふたりの少女たち。病弱だった姉に対する負い目と思慕を抱えて生きる老婦人。木に守られた少年たち。踏切のあちらとこちらに立つ少年少女。
「標本」という言葉からは不思議なイメージが浮かんでくる。
古い薬品やほこりのにおい、あるいは乾燥した植物の香りがたちのぼるような感じがする。
それがかつて確かに生きていた証拠でもあり、失われた命の物語を思い出す手がかりのためにそこにあるのかもしれない。