あらすじ
仕事にも恋にも疲れ、都会を離れた美容師の明里。引っ越し先の、子供の頃に少しだけ過ごした思い出の商店街で奇妙なプレートを飾った店を見つける。実は時計店だったそこを営む青年と知り合い、商店街で起こるちょっぴり不思議な事件に巻き込まれるうち、彼に惹かれてゆくが、明里は、ある秘密を抱えていて……。どこか懐かしい商店街が舞台の、心を癒やす連作短編集。
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ゆっくりとした時間に癒された
普段、恋愛小説っぽいストーリーは読まないんだけど、齷齪した毎日から逃避したかった気持ちの表れかな?
珍しく選んだ感じの本でした。
技巧に凝りに凝った難解な表現とかではなく、普段の生活の一部を綴りながら様々な人間模様をゆっくり紐解いているような印象の読みやすいストーリーでした。
ほのほの感が心地好いので、日々、忙しくしている人が癒しを求めて読むにはもってこい!な感じです。(でも1日で続編まで一気に読んじゃいましたケド)
また、時計屋さんが最高に癒しです。実在していたら是非ともお会いしたいです
私はこの物語とっても好きです。
幸せ感を味わいたい人にはオススメします。
Posted by ブクログ
過去の何かに囚われていて、そこに蓋をしてしまっていた登場人物達がその過去に向き合って前に進んで行く話。
私の苦手なファンタジー要素もあったが、気にならない程度でどんどん世界観に引き込まれていきました。
コテコテな恋愛物でもなく、とても読みやすかったので続きのシリーズを全部読んでみようと思いました。
Posted by ブクログ
エピソードが何個かあるなかで、「茜色のワンピース」はとても良かった。エピソードが変わっても明里と時計屋さんの関係は変化していくのが読んでいてとても面白かった。
Posted by ブクログ
心温まるおもいでの修復。登場人物は未来に向かうために過去を修復し前に進んでいる。
それぞれの思い出のお話が気になりすぎて一気に読み進めてしまった。
Posted by ブクログ
心の中に引っかかった過去に囚われた登場人物たちの思い出を修理する温かい物語。
寂れた商店街と優しい人たちのコントラストが心地良く、それを取り巻くちょっと不思議な出来事がファンタジーでない所がむしろドキドキします。
彼らの日常の続きをまた読みたいです!
Posted by ブクログ
個人的に「虹色の忘れ物」が良かったです。子供の時の記憶や時計屋さんへの思い、おばあさんが「もう、来ちゃだめよ」と言った時の心境…。泣きそうになった。
Posted by ブクログ
ドラマか映画か、忘れたけれど
何かの映像化作品でみたような記憶も…。
でも、どうなったか忘れていたので
改めて書籍で読んでみた。
悩み相談の手紙の往復が、
過去と未来を行き来するという
SFファンタージ作品。
近くの誰かには話せないけど
誰かに相談したくなる悩みを抱えた時、
その頼り先としてナミヤ雑貨店があった。
何人もの人々の悩みの手紙。
真摯に向き合ったナミヤ雑貨店からの返事。
時代を経て彼らがどんな人生を歩んだか。
他人の人生に強く関わったことにより
死が近づくときナミヤさんは不安を覚えた。
人は何を大切に決断し、生きるのか。
この奇跡の物語がなぜ起きたのか。
その元となるものが
いくつもの悩みと人生の連鎖から
徐々に紐解かれていく。
私たちの人生も
なにか別のちからによって
引き合わされたり
しているのかもしれないなと思わされた。
Posted by ブクログ
意味深なタイトルに惹かれたのですが、これは偶然の産物だったのですね。
昔ながらの商店街。
以前は活気があったであろう場所って、どこか寂しげに感じますが、登場人物たちも何かしら過去を引きずっていて。
全体的に物悲しさを感じるストーリー。
連作短編集なので、とても読みやすいです。
それぞれ「思い出」に囚われていたり、傷ついている人たち。
ひとつひとつ解決していって、それに伴い少しずつ主人公の明里ちゃんと時計屋さんが変化していくのがいいなと。
途中さらっと爆弾発言というか、予想外の展開があり驚きましたが。
無事に解決されてよかったです。
過去は変えられないけど、思い出は修理できるのかもしれないですね。
Posted by ブクログ
心温まる連作短編集。ノスタルジックな舞台の中で、少し不思議なアクシデントに巻き込まれながら、主人公の過去が修復されていく。過去の辛い思い出が修復され、前向きに捉えられるようになったら、巡り合った人と共に新しい時を刻んでいく。
物語の設定条件(仕事も恋にも疲れた三十路女性がフラりと衰退した商店街に移住する)からして、何となく気だるいような、眠たげな雰囲気でスタートした小説だったが、読み進めるにしたがって、次第に眠りから覚醒するように、商店街と主人公の過去を知りたくて、ページをめくる手が止まらなくなった。最初は灰色・黒色だった物語も、茜色、水色と変化して、最後は虹色に見えている。読者の心象を操作する景色の描写仕掛けもニクい。
舞台となる商店街も、時代に取り残されて見向きもされないような衰退ぶりであるが、住民たちの優しさに溢れ、思い出が次世代に引き継がれてヒッソリと輝き続けている。私たちも同じで、たとえ地味な人生であっても1人1人が素敵なエピソードを持っていて、本人が気づいていないだけなのかも知れない。ありふれた日常の中で、一緒に向き合って修復の手助けをしてくれる人やキッカケを見つけていきたい。
Posted by ブクログ
時計の“計”が外れてしまい、『おもいでの時 修理します』の看板になってしまった。まず設定が素敵だと思います。偶然だけどその偶然が積み重なって、いつか来る未来の在りし日に、思い出を探す人が日常から少し外れたどこか不思議な雰囲気をまとう寂れた商店街に迷い込む。きっとこの看板は過去に何かを忘れてしまった、または欠けてしまった人のちょっとした拠り所なのでしょう。そんな拠り所に関わる人物達も素朴で優しくて温かく、時にミステリアスなのが何とも面白いです。
Posted by ブクログ
都会を離れた美容師の明里が引っ越した先は幼い頃に少しだけ過ごした商店街。
『おもいでの時 修理します』というプレートのある時計店を営む青年と知り合い、日常のちょっとした事件に巻き込まれる。
寂れてしまった商店街だが、周りの人達との関係性が良い。
今どきの子には苦手であろう昔ながらの付き合いも心がほっこり。
地元によく似た少し寂れた商店街があり、すごくイメージがわきやすい。
時計屋さんという癒しだけでなく、パンチのある太一の存在もあって、バランスが取れている。
思いがけず、思い出のときを修理している2人。
そして最後には2人の思い出も…。
時計屋さんの悲しい過去も明里によって前に進めるようになったし、今後2人の関係性の発展が楽しみである。
Posted by ブクログ
あなたの『思い出』は壊れていますか?
(*˙ᵕ˙*)え?
人は誰にも『思い出』があります。それは、幼き日に家族と過ごした『思い出』かもしれません。それは、中学時代の初恋の甘い『思い出』であるかもしれません。そして、長い時代を生き抜いた人の頭に蘇る走馬灯のような『思い出』の数々かもしれません。
時が経つにつれ、そんな大切な『思い出』もどんどん淡くなっていきます。何かきっかけがないと思い出せない記憶の中に埋もれてしまうものもあるかもしれません。しかし、そんな中にあっても誰にでも何かしら強く深く脳裏に刻まれて決して忘れることができない『思い出』もあると思います。それは幸せの絶頂にあった時代のことである場合もあると思います。その一方で悔しい思い、悲しい思いも決して消えることのない『思い出』だと思います。
さてここに、『悲しかった思い出を、楽しかったことにしたい』と『思い出』を修理することに光を当てる物語があります。全編にわたってノスタルジックな雰囲気に包まれるこの作品。そんな物語に『機械式時計』が良い味を醸し出すこの作品。そしてそれは、『過去は変えられない。でも、修復することはできる』という言葉の先に『思い出』というものが持つ意味を噛み締める物語です。
『おもいでの時 修理します』と、『小さなショーウィンドウの片隅に』ある『金属製のプレート』の文字を読むのは主人公の仁科明里(にしな あかり)。『どういう意味だろう』、『壊れてしまった思い出を、修理なんてできるものなのだろうか。そもそも、思い出は、壊れたりするものなのか』と思う明里は自分にも『壊れてしまった思い出がある』、『修復できるとは思えない』と感じます。『地図に目を落とし、このへんだ』と見回す中に『ヘアーサロン由井』と書かれた看板を見つけた明里は、『閉店して数年は経つという、かつての理容店。ここが明里の新しい家だ』と思います。『さっきの「思い出」の店のほぼ斜め向かい』という位置関係。そして、『子供の頃の記憶とは、ずいぶん違っていた』と『衰退の一途をたど』る街並みを見ます。『小学二年生のとき、母の都合で祖父母の元にあずけられた明里は、ここで夏休みの間を過ごし』ました。『あれから二十年』という再訪。そんな時、奥から猫が飛び出し『大げさに転んだ明里』に、『大丈夫ですか?』と『若い男の人』が現れました。『だ、大丈夫です』と返すと、『はじめまして。仁科明里さん』と男の人は語り出します。『僕は飯田秀司(いいだ しゅうじ)といいます…同い年で今年二十八』と続ける男の人は明里の情報は家主から聞いた旨説明します。『ここに住んでた由井さんのお孫さんなんだろう?』と続ける秀司は自身が『商店会の会長もやってる』ので『気軽に声をかけて』と言います。そして、『あそこが僕の家』と『斜め向かいにある建物を指さし』ます。『あの洋館…この人、思い出の修理屋さん?』と明里が思う中に『手を振って去っていった』秀司。
場面は変わり、翌朝、家を出たところで『あんたか、新入りの床屋』と言われ振り向いた明里はそこに『ぎりぎり未成年』と思われる男を見ます。『さっさと参拝をすませろよ』とよく分からないことを言われる中に秀司が現れ、太一という男と共に朝食に誘われます。そして、洋館へと入った明里は『所狭しと』並べられた時計を見ます。『時計屋だよ…飯田時計店』と話す秀司が作る朝食をご馳走になった明里。そんな時、太一が『これ動かないんだ』と『神社の境内』で拾ったという『角がボロボロ』のオルゴールを見せます。早速分解した秀司ですが、中には『写真のフィルム』が入っていて、スキャンするとそこには『家族写真』が浮かび上がりました。『どこの誰だかわからないよね』という太一に『張り紙』をして持ち主を探そうと秀司は提案をすると『直るかな』とオルゴールに向き合います。
再度場面は変わり、神社へとやってきた明里に『あのオルゴールの落とし主、捜してみないか?』と提案する太一。そんな時、『路地から駆けてきた女性が猫を目にとめ』、『パパ』と呼びかけます。そして、『植え込みに飛び込んで見えなくなっ』た猫。『あれ、あなたの猫?』と訊く明里に、『いえ…、ちょっと似てたんです』と返す女性は、『もう昔の話です。わたしが高校生のときだから』と続けます。『あの写真だ… 彼女は写真の娘によく似ている。黒い猫も写っていた』と『急に脳裏にひらめいた』明里…そしてオルゴールの落とし主を探す明里が、そんなオルゴールに隠された『思い出』に触れていく物語が描かれていきます…という最初の短編〈黒い猫のパパ〉。雰囲気感に溢れる街並みを描きながらこの作品の世界観を上手く描いた好編でした。
“仕事にも恋にも疲れ、都会を離れた美容師の明里。引っ越し先の、子供の頃に少しだけ過ごした思い出の商店街で奇妙なプレートを飾った店を見つける。実は時計店だったそこを営む青年と知り合い、商店街で起こるちょっぴり不思議な事件に巻き込まれるうち、彼に惹かれてゆくが、明里は、ある秘密を抱えていて…”と内容紹介にうたわれるこの作品。谷瑞恵さんの代表作の一つで第四作までシリーズ化されています。そんなこの作品を選んだ理由は書名です。「思い出のとき修理します」という書名を読んだ私は勝手に”タイムスリップもの”だと思ってこの作品を手にしました。少なくともファンタジーであるという勝手な思い込みです。しかし、そんな勝手な期待はあっさりと裏切られました。これから手にされる方が同様の勘違いをされないようにまずここに書かせていただきます。
この作品は”タイムスリップ”とは無関係、ファンタジーでもありません!
まあ、勝手な思い込みは私だけかもしれませんが一応書かせていただきました。その上でこの作品を見ていきたいと思います。魅力的なポイントを二つ挙げたいと思います。まずは、『地方都市のベッドタウンとして発展中だという小さな町だが、この辺りはその恩恵にあずかれずに衰退の一途をたどっている』という『津雲神社通り商店街』にあり、主人公・明里の斜めお向かいさんともなる秀司の暮らす洋館の描写です。
● 『洋館(飯田時計店)』について
・『洋風の造りで二階の壁にはまるいステンドグラスの窓がある』
・『出窓くらいの大きさしかないショーウィンドウには、アンティークかと思われる置き時計がぽつんと鎮座していた。天使の彫像が周囲を飾る、時計というよりは美術品のように立派なものだ』
・『壁やガラスケースには所狭しと時計が並んでいたが、どれも見るからに年代物だ』
・『ここへ来ると普段より時間がゆったりと流れていくように感じられる。壁に掛かった古時計、その振り子の音だけが部屋の中を満たし、静かだと思わせる』
独特な雰囲気を感じる洋館の描写です。ここは秀司が営む『飯田時計店』でもあるわけですが、自然とイメージが思い浮かびます。そして、そこに暮らす秀司という人物の謎めいた雰囲気感にもピッタリだと思います。昨今、町の時計屋さん自体あまり見かけることも少なくなってきたと思いますが、こんな時計屋さんには是非行ってみたいです!掘り出し物もありそうです(笑)。
次は時計の修理をするのが仕事という側面での描写です。時計の修理という点に光を当てるこの作品には『独立時計師』という言葉が登場します。何かの資格なんだろうか?とも思う言葉ですが、こんな風に説明されます。
『自分の工房を持ち、自分の技術のみで時計を製作しているという職人』、『その人の名を冠した時計は、有名なメーカーや高級ブランドと並んでも揺るがない』
なるほど。『修理屋さん』という言葉よりもそこには文字通り『職人』という言葉が似合いそうです。そして、この『飯田時計店』に置かれているのは『機械式時計』ばかりであることが説明されてもいきます。このレビューを読んでくださっている方の中にも時計が好きな方はいらっしゃると思います。
『電池じゃない時計って、ネジを巻いて動かすのよね。今でもそういうのが好きな人って、たくさんいるもの?』
そんな風に質問する明里は『どうして機械なの?不便じゃないの?』と秀司に疑問をぶつけます。そのことに答える秀司の説明は『機械式時計』をこよなく愛する時計好きの方の思いを代弁します。
『不便だよ。使い続けるにも手間がかかる。自動巻とか、ずいぶん便利になったけど、どうしてもメンテナンスが必要だからね』、『職人の意地の結晶というか、人の手で物に命を吹き込むことへの挑戦というか。そういうものに価値を感じて、お金を出す人がまだまだいるってことかな』
いかがでしょうか。なるほど、と思える説明だと思います。そして、秀司は『時計が時計として働くための心臓』という『テンプ』を指しながらこんな風に続けます。
『一秒に数回、正確に振動させる技術が職人の腕の見せ所でね。これが動き出したとき、すべての重なり合った歯車に時計としての生命が与えられ、時を刻みはじめるんだ』
私も『機械式時計』を持っていますがこの感覚はとてもよく分かります。カチカチと動く小さな機械が動く様は見ていて飽きません。ここに表現されている通り、まさしく『生命が与えられ』という言葉を感じます。そんな『時計屋さんの時計への情熱』を感じるこの作品。この雰囲気感こそがこの作品の何よりもの魅力だと思いました。
そんなこの作品は、主人公の明里が『飯田時計店』の斜め向かいにある空き家になっていた『ヘアーサロン由井』へと引っ越してきたことから始まります。
『今の自分は、人間としても女としても投げやりだ。仕事を辞め、恋人とも別れて、一人新天地へやってきた』。
美容師の資格を持つ明里がかつて美容室として営業していた『ヘアーサロン由井』へと引っ越してきたという前提からは、当然そこで美容室を開くというのが自然な成り行きです。しかし、明里は『美容師として働くことに抵抗を感じ』、『駅前のコーヒーショップ』でバイトをしながら暮らします。
『なぜ今になってここへ来たのか、明里自身にもよくわからない。過去を変えることはできないのに』
そんな謎めいた思いを垣間見せる主人公の明里。一方の秀司も『時計の修理』を生業としているにも関わらず、不思議な姿を見せます。
『彼は、動かない時計を腕にしている。亡くなったお兄さんの形見だという、心臓の止まった腕時計に、生命を与えようとはしない』。
それぞれに何かしらの謎を持つ二人。物語はそんな二人が関わり合いを持つ中に少しずつ二人それぞれの過去に隠された秘密が明らかになっていきます。そして、そんな前提の物語には、ファンタジーを思わせる書名の元となるこんな言葉が登場します。
『おもいでの時 修理します』
『飯田時計店』の『小さなショーウィンドウの片隅に』ある『金属製のプレート』に書かれた謎の表記。物語はそんな前提の中に『思い出』というものに光を当てていきます。それこそが、
『思い出って、修理できるものなのかな』
そんな言葉の先に『思い出』というものの正体に迫っていく物語は、それをこのように断定します。
『思い出は、確かに生きていくために必要なのだ』、『それを足がかりに、たぶん、未来への階段をひとつ上る』
『思い出』というものを極めて冷静に見る視点は高い説得力を感じさせます。『思い出』がそうであるからこそ、その大切さがこんな言葉を浮かび上がらせます。
『決着のつかない記憶、収まりのつかない思いは、霧みたいに漂い続け、視界を曇らせるだけだ。そうして、どこへ向かえばいいのかわからなくなる』
だからこそ、この作品の『思い出を修理する』という考え方が浮かび上がります。五つの短編が連作短編を構成するこの作品では、短編ごとに『思い出を修理する』という言葉の先にその結果を見せていきます。そして、結末の短編〈虹色の忘れ物〉が見せる物語、そこには主人公・明里が見る『修理』された『思い出』の姿を見る物語、『思い出』というものが私たちにとってどれほどに大切なものか、『過去は変えられない。でも、修復することはできる』という思いを感じさせる物語が描かれていました。
『思い出を修理してくださるって、本当なのかしら』
私たちの誰もがそれぞれに持つ『思い出』。この作品にはそんな『思い出』というものに光を当てる物語が描かれていました。『時計の修理』に職人の魅力的な世界を感じさせるこの作品。どこかノスタルジックな街の雰囲気にも魅せられるこの作品。
ファンタジーではないのに、どこかファンタジーな雰囲気を感じさせる、そんな作品でした。
Posted by ブクログ
"思い出のとき修理します"
5つの短編になってますが、どの物語でも過去に囚われている人が、時計屋さんと明里ちゃんと出会う事で過去のわだかまりを解いていく。そんな心暖まる物語。読み終わった後は優しい気持ちになれた。
Posted by ブクログ
過去の暗い思い出を背負った二人が出会い、いろんな人の暗い過去の修復の手伝いをすることで、成長しお互いに惹かれていく
ほのぼのとした暖かさが底辺を流れていくような本
Posted by ブクログ
傷ついた過去を抱えた主人公が寂れた商店街にやってきて、不思議な謎に出会う。現実なのか幻想なのか良くわからない描写が、最後まで読むととても優しい気持ちになれる雰囲気を出している。
登場人物がみんなとても優しい人たちばかりでほっこりする。物語の最後、一歩を踏み出した主人公がいいなあ。
Posted by ブクログ
最初は、どうなっていく本なのか気になって読んだけど、読み易くて考えさせられる本だった。
きゅんきゅんしまくっていたけどね!(笑)
わたしはすごく好きな本当の1冊だな♡
Posted by ブクログ
失恋し、仕事にも自信が持てなくなった美容師の明里(あかり)は、子どもの頃過ごしたことがある商店街へ引っ越してきました。そこは一夏だけ明里が預けられた祖父母の家、「ヘアーサロン由井」でした。
近くに「おもいでの時 修理します」という奇妙なプレートがおいてある店があり、不思議に思っているとそこは明里と同い年の青年のお店、飯田時計店でした。
そして、明里はその商店街でさまざまな不思議な出来事に遭遇するのでした。
連作短編という形で、一つの事件が解決する度に、明里は“時計屋さん”こと飯田秀司に惹かれていきます。
秀司のところに朝ごはんを食べにくる大学生の太一も二人のことを応援していますが、明里には皆には言えない秘密を抱えていて…。
事件は思い出が修理されたかのように解決していきます。暖かさの中にほんのり物哀しさを残して。
特に時計師を目指していた秀司の心の傷の話『光をなくした時計師』と明里の言えない秘密の話『虹色の忘れ物
』は良かったです。
明里の問題が解決し、「それで、僕がふられる理由はなくなったのかな」と秀司が言ってからの展開が好きです。かわいいなぁ。
この二人が修理する思い出のときをまだまだ見たいと思います。
Posted by ブクログ
*
「誰だって、修正したい思い出の一つや二つありますでしょう?」
*
ずっと積読していた本。読み始めるとファンタジーが入り交じった作品だけど読みやすかった。
.
過去の体験から偽った自分として過ごす主人公と心優しいが何かを抱えている時計屋さんの物語。
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太一の存在は明記されてないけど実はそういうことなのかなって感じで良かった。
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とても素敵なお話です
表紙買いで1、2巻を購入。
とてもホンワカなお話。笑顔や涙するお気に入りの小説です。しかし…
3巻の表紙の絵が変わった…
とても残念です…なので星4個
私だけでしょうか…
Posted by ブクログ
越してきた子どもの頃の思い出の街の商店街を歩いていると目に止まったのは「思い出の時修理します」との看板。
時計の修理はもちろん、本当に思い出まで修理する凄腕の時計屋さんですね。
時々オカルトチックな展開もありますが、そこも含めてこの商店街の味なのでしょう。
シャッター街は閉まっているのではなく眠っているだけという表現が素敵でした。
Posted by ブクログ
子どもの頃、預けられていたおばあちゃんの家が借りに出されていて、引越してきた美容師の明里。その古い商店街の祖父母のヘアーサロン由井の斜め向かいに「おもいでの時 修理します」という看板がかかっている時計屋さんがあった。
引っ越してきた明里、時計屋さん、津雲神社にいる太一の3人が、様々な人の思い出を『修理』していくハートフルな小説。
さっくり読めて良い。
Posted by ブクログ
おすすめに上がったのもあって読んでみました。
この作家さんは初めてだったのでどんなものか分からなかったのと、検索?してみたら日常謎っぽいのかなって思ったのもあったので、それとは少し毛色が違うかなー?という印象。
どちらかというとファンタジーめいている?みたいな感じで、なんだか心霊的な神霊的な不思議なことがあって、それを解き明かしていく感覚にどちらかというと近い気もする。
ミステリーや日常謎好きとしては、物足りない感はあったけど、読んでいくとキャラの愛着だったり、この子何か今後もあるんだろうな感があるので、とりあえずの導入部分として1巻は楽しませてもらったとして、次の巻も楽しみに読む予定なんじゃいฅ(*´꒳`*ฅ)ꪆ
Posted by ブクログ
タイトルと表紙の絵に惹かれて読んでみようと思った本。
私が好きなブタブタシリーズや、マカンマランシリーズなんかと同じジャンルかなと思います。
ちょっとファンタジーなところがあり、それが自分の好みとは少し違いますが、気軽に読めてそこそこ面白いので続きも読もうと思います。
Posted by ブクログ
秀司と明里の過去が繋がってハッピーエンド。短編が5つですが2人の過去のお話2つが良かったです。
どんなに辛い過去も今が幸せなら「あの過去のおかげ」になるし今が不幸せなら「あの過去のせい」になる。過去は変えられないけど今や未来が幸せになれば嫌な過去の思い出も修復されるんですね。
素敵なタイトルだと思いました。
Posted by ブクログ
商店街の近くに住んだことはないけれど、
なんだか懐かしくてあったかい気持ちになるお話。
久しぶりに再読して、
直したい思い出を、悲しいものと捉えるのではなく、
ひとつひとつ受け止めて昇華していけばいいと
そんな気持ちにさせてくれました。
Posted by ブクログ
過去なんて変えられないけれど、
思い出に向き合う自分の気持ちを
修正する事で、明日からの未来が開ける。
昭和レトロ感満載の商店街。
運命的な再会を果たす時計屋さんと
美容師さんの話。
Posted by ブクログ
大きな手をした伏し目のイケメンに誘われて表紙買い。
何を以てして思い出の修理が行われたのか全く分からなかったけど、人情溢れる優しい物語には癒されました。
普段は殺伐とした本ばかり手に取るけれど、たまにはラノベみたいなゆっくりとしたお話を読むのも大切ですね。
ほっこり恋愛もの
題名通り、思い出を修理したいような色々な事情のある人がお店に訪れる短編集みたいな感じ。その中心軸で主人公の女性と時計店の若い主人との恋愛が少しずつ進んでいく。分かるひとにとっては先の展開の予想が簡単だけど、丁寧な作りの作品なので苦にならないと思う。