あらすじ
仕事にも恋にも疲れ、都会を離れた美容師の明里。引っ越し先の、子供の頃に少しだけ過ごした思い出の商店街で奇妙なプレートを飾った店を見つける。実は時計店だったそこを営む青年と知り合い、商店街で起こるちょっぴり不思議な事件に巻き込まれるうち、彼に惹かれてゆくが、明里は、ある秘密を抱えていて……。どこか懐かしい商店街が舞台の、心を癒やす連作短編集。
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Posted by ブクログ
失恋し、仕事にも自信が持てなくなった美容師の明里(あかり)は、子どもの頃過ごしたことがある商店街へ引っ越してきました。そこは一夏だけ明里が預けられた祖父母の家、「ヘアーサロン由井」でした。
近くに「おもいでの時 修理します」という奇妙なプレートがおいてある店があり、不思議に思っているとそこは明里と同い年の青年のお店、飯田時計店でした。
そして、明里はその商店街でさまざまな不思議な出来事に遭遇するのでした。
連作短編という形で、一つの事件が解決する度に、明里は“時計屋さん”こと飯田秀司に惹かれていきます。
秀司のところに朝ごはんを食べにくる大学生の太一も二人のことを応援していますが、明里には皆には言えない秘密を抱えていて…。
事件は思い出が修理されたかのように解決していきます。暖かさの中にほんのり物哀しさを残して。
特に時計師を目指していた秀司の心の傷の話『光をなくした時計師』と明里の言えない秘密の話『虹色の忘れ物
』は良かったです。
明里の問題が解決し、「それで、僕がふられる理由はなくなったのかな」と秀司が言ってからの展開が好きです。かわいいなぁ。
この二人が修理する思い出のときをまだまだ見たいと思います。