福嶋亮大のレビュー一覧

  • 感染症としての文学と哲学

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    ネタバレ

    そうそう、この3年くらい、こういう本を読みたかったんだった。
    さらに映画も追記していきたい。ex.ヴェルナー・ヘルツォーク「ノスフェラトゥ」、ジョージ・A・ロメロ「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」etc...
    さらに読み継ぐなら、平凡社ライブラリーの「病短編小説集」「疫病短編小説集」「医療短編小説集」。

    @以下、コピペしたものに、目次に反映した人名のみを●で追記。

    ◎目次

    序章 パンデミックには日付がない

    第一章 治癒・宗教・健康
    【1】癒すこと、患うこと
    【2】疫病と宗教
    【3】健康の哲学 ●イマニュエル・カント

    第二章 哲学における病
    【1】古代――プラトンからルクレティウスま

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    2023年08月13日
  • 感染症としての文学と哲学

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    ネタバレ

    ペスト、コレラ、天然痘、結核、エイズなど。文学は疫病のイメージを利用し、変形し、哲学者も文学者も、疫病や医学のイメージを戦略的に操作してきた。個人的には、種痘に対する視点が興味深い。ヴォルテールは種痘を評価し、カントは道徳的に批判した。リスクや確率を基準にして推奨するのか、道徳を基準にして批判するのか。両方とも間違ってはいないだろうが、どちらか一方だけを重視することが最善とも思えない。

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    2022年07月12日
  • ハロー、ユーラシア 21世紀「中華」圏の政治思想

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    【当時の日本人が日本の「皇道」と西洋の「覇道」を対比させたこと、それ自体が儒教のレトリックの複写であった。大東亜共栄圏という帝国日本のアイディアはそのスケールをユーラシアにまで広げて、二一世紀の中国に里帰りしたのだ】(文中より引用)

    現代の中華圏における政治思想を論考したエッセイ本。西洋や「没落の二〇世紀」と対比させつつ、大陸の、台湾の、そして香港の思想家は自身の政治制度とヴィジョンについて何を考えてきたのか。著者は、中国研究者であると同時に、日本文学についても鋭い批評を加える福嶋亮大。

    中華圏の考え方を内側から覗くことができる稀有な一冊でした。大陸中国が抱える超ナショナリズム的なナショナ

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    2021年12月08日
  • 高校生と考える日本の問題点 桐光学園大学訪問授業

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    最近受験生の我が息子は、少し遠くの塾に
    日曜日の夜間に通っています。(そんなに必死に
    受験勉強しているわけではないのですが)
    そこで、夫婦も揃って息子を送り届けて
    塾が終わるまで二人でスタバに行って2時間
    くらい待っています。私はじっくり本を読める時間
    なので割と気に入っています。そこで読み終わった
    今回のこの本。
    川崎の桐光学園高校に様々な
    論客(日本のトップクラス)が特別の授業をする
    らしいのですがその授業の内容が本になっている内容。
    こんな高校生はとても幸せだと思いますが
    多分自分が高校生だったときはあまり興味を
    覚えなかっただろうなあと思います。
    でも、それでもそういうことを言っていた

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    2015年06月28日
  • 辺境の思想 日本と香港から考える

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    日本と香港の知識人の往復書簡です。腰を据えて何かを論じるというかはつらつらと思索を書き連ねていく感じなので難しくも読みにくくもあります。日本も香港も国際的で先進的な場所ですが、同時にそれぞれ中華文明の辺境・西欧文明の辺境という性格も持っています。そして辺境であればこそ文明の中心の古い要素が残るという、基本的にはそういうイメージが全体を貫いています。
    香港が唐代の敦煌につながるようなアクロバティックな思索はカッコいい。何度か読み返してここから私も思索を広げたいなと思います。

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    2024年08月17日
  • 感染症としての文学と哲学

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    戦争を題材にした文学はなじみ深いが疾病・医学をモチーフにした哲学、文学の馴染みは余りない。
    一般向け 「医学・疾病等にまつわる諸々の諸説の海」に乗り出す羅針盤的叙述。私には決して平易とは言えなかったが、次々と知らないトリビアが出てきて面白かった。

    哲学者 文学者に医学の家柄に生まれた、或いは医学への道を変更してペンを持った人物が結構多い事も面白かった~かつては医学を目指すものは下位の者として蔑まれていたとはびっくり。
    医術は算術になって行った現代で姿を変えたのか、はたまた社会の要請か。

    パンデミック・エピデミック・エンデミックの違い
    すべからく「健康に輝く人物」を目指すのではなく、「不健康

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    2022年05月12日
  • 感染症としての文学と哲学

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    哲学と感染症の連関は、並列される文学ほど濃くはないように思えたが
    感染症および医学と病を軸にして、文学と哲学の広範な主義主張に光を当て施策としては成功していると思われる。

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    2022年05月10日
  • 高校生と考える日本の問題点 桐光学園大学訪問授業

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    読書途中。20人の講師による。一人90分の講演会の収録である。一気に読めるはずもなく、じわじわと読んだ。
    姜尚中の講演のなかで、夏目漱石が奥さんをなぐっていたエピソードがあった。ノイローゼであったらしい。私は夏目漱石になれないけど、夏目漱石よりましだなと少し思った。考えかたとしてまちがっているのかな?どんな偉い人もほんとうにいろいろな苦しみにもがいていきているのだと思い直した。
    20名全て役に立つわけでないが、中には、気に入る人もいるかもしれないとのことだろうか?3.11後の話など考えさせられたり。光触媒の話は興味を覚えた。文学、美術に関心を持った。宇宙論や素粒子の話は、わからないので、もうい

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    2017年01月01日
  • 辺境の思想 日本と香港から考える

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    難しかった、、、というか情報量の多さとカタカナ語の多さについていくのが必死やった。

    「世界の世界性を瞬間的に生成するものは、テロへの恐怖と不安」
    「文化には『統合する力』と『分離する力』がある」
    っていうのはなるほどと思った。
    何より、著者が数カ月前に書いたものを振り返ってみるともはや隔世の感がするっていうぐらいに、香港の文化風速は早い(速い?)ってことを知ったし、早く行って肌身で感じたいなって思った。絶対面白い都市。

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    2019年05月04日