堀江貴文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書によると、IT起業家には宇宙開発に投資をする人が多い。ホリエモンもしかり?で、かつて宇宙へ行くカプセルの開発に投資し、現在は北海道赤平にある植松電機(詳しくは『NASAより宇宙に近い町工場』にて)の土地で小型衛星用のロケットを開発している。
そんなホリエモンが本気で宇宙開発の現状にメスを入れたのが本書。公共事業からの脱却から、ビジネスベースへの転換を提唱し、豊富な裏付けに基づいた主張は納得いく事も多かった。
その主張は、ロケット・衛星の開発は民間で行い、ビジネスに乗らない宇宙科学分野を国家機関で実施するという事。
民営化を促すポイントとしては、①開発補助金②制度面の優遇③運用サポート。
開発初期を資金面でサポートし(キーワードはアンカーテナシーとコストアンドアワード)、衛星の電波や飛行に関する優遇をし、発射台の提供や信頼性の低い打ち上げ初期の衛星発注を約束する(EVの補助金みたいなもの)。
また新規ベンチャーが開発を成功させるポイントとしては、アポロ時代など予算が青天井の時代に確率された技術をシードマネーで安く買い取り、確実にステップアップしていくやり方だ。
このモデルは既に民間のスペースX社で実現されている。この会社はアポロ時代のエンジン技術をベースに、短期間でのロケット開発を成功させ、現在はファルコン9という、日本のH2-Aと同等の打ち上げ能力を持つロケットを、その半額のコストで実現させており、さらにドラゴンXでペイロードの大気圏再突入も果たしている
この事実はショッキングだった。
また宇宙開発が公共事業となった例が、スペースシャトル開発。固体ロケットのSRBは打ち上げ後回収して燃料を詰め直すのだが、政治的な力が働いたのか、それを発射場から遠く離れたユタ州で行い、電車で往復させる為に効率が悪い。運搬する為に構造は4分割となっているのだが、86年にはそれに起因したチャレンジャー号の爆発事故が発生している。公共事業となっている故に効率が悪いという主張だ。
そして宇宙開発のビジネス化を促進させるキーが、超小型衛星、むしろ携帯電話。携帯のような、小型かつ高度な電子機器の集積物を衛星として安価に大量に打ち上げる事で、補完した通信網の構築や、低価格空撮サービスといった新たな宇宙ビジネスの商品が生まれる。
そしてホリエモンは小型衛星を専門に打ち上げる低コストの小型ロケットの開発を先の北海道で行っている。
この本は宇宙開発に関する知識が膨大かつ新鮮で活き活きしている。特に民間における宇宙開発の現状をざっと知ることが出来る。ホリエモンの宇宙への熱意、そして開発への意欲が伝わってきた。
ビジネスベースで開発を行う一番のメリットは時間的効率の良さだと思う。過去を振り返ると、開発計画が長期にわたる為に、途中で開発方針が転換したり、プロジェクトが頓挫することが多過ぎる(本書のNASAの有人火星計画も然り)。その度にエンジニアは翻弄されてきたのだと思う。一方でスペースXやスケールドコンポジットなどの開発はスピード感に富んでいる。
先の例のように、民間の活力・ビジネスの仕組みと、国家の蓄積・サポートを上手く組み合わせて、宇宙開発を加速させていけばよいのでは無いだろうか。 -
Posted by ブクログ
夢が人を駆り立てる。宇宙に関してはそこまで詳しくないのだが、この本を読んだことで、人間と宇宙の関係について少なからず理解することができた。上を上を目指し宇宙に到着することになったのは、政治的経済的な理由によるものだとあったが、それはおそらくこの先も変わることはないだろう。そのもの自体に興味がある研究者と、それを取り巻く環境に興味を持つ政治家や経営者とでは、持つべき興味は違えど、相互に助け合うメリットというものがそこには存在する。宇宙はまだまだ未知な部分の方が多く、今行われているアプローチのままその解明につながるかどうかは定かではないが、自分が生きている間にその解明が進み、世界の常識となっていく日がくると考えただけでも本当に胸躍る思いがするのである。