矢野徹のレビュー一覧
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購入済み
風化しない名作!
ハインラインの代表作と言われるものの一つ。流刑地であり搾取される生産地である月世界の革命の物語です。
半世紀前の作品ですが、まったく風化していない!間違いなく名作です。
3章構成になっていて、盛り上がるのは最終章ですが、そこまでがちょっと長いかも。
でもいろいろな要素が詰まっていて面白いです。
革命の組織論が延々語られるのはアレなんだけど、
月の中央コンピュータ「マイク」の万能ぶりは、当時のコンピュータへの夢が詰まっている感じです。
そして定番だけどやっぱり邦訳タイトルがかっこいい。
原題[The Moon Is a Harsh Mistress]
のMistressを「夜の女王」って訳したところに感服。 -
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日本人にはどうしてもビッグスリーでは
ハインラインは合いづらいと思います。
なんというか、感覚が私たちとはいささか
異なるから。
アシモフはバランスがいいからそうは感じないけれども。
これで未来史は終わりとなります。
シリーズとは言いましてもこれらは
ほぼ、独立したものとして読めますので
あまりシリーズと言った感はありませんでした。
彼の作品はやはり醍醐味は人物描写にあるんだと思います。
特にその緻密さに。
だけれどもそれが長く続くので
私たちには冗長に感じてしまうのです。
特に一番長い「もしこのまま続けば」の進み方が
最たるものでしょうね。
だけれども人のさまざまなエッセンスをきちんと描き出しているのは評価の価値があるかと。
だけれども一番面白かったのは
「不適格」です。
リビイ、かわいいね!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ小学校の頃から、かれこれ30年近く読んでる本。今持ってるのはたぶん4冊目くらい。
年齢や立場が変わるにつれて、好きな部分が変わっていきます。
小学校のころはもちろんパワードスーツの出てくるシーン。
大学生や社会人になりたてのころはジョニーの新兵訓練のシーン。
子供ができた最近では、デュボア先生の講義のシーンが好きですね。
特に仔犬の飼い方から青少年の道徳についてのパート(185ページから)が気に入っています。
とっかかりは表紙のパワードスーツでしたが、人間としての成長や、現代社会がかかえる社会的な問題も提起している、良書だと思っています。 -
Posted by ブクログ
ハインライン晩年の作品。多分80過ぎてから書いたんじゃないでしょうか?
金持ちの爺さんが若い美人秘書の身体に脳移植して第二の人生を生きる・・・という。
ちょと醜悪な話・・・・・とおもいきや、この爺ちゃんが可愛くて可愛くて!
ハインライン本人なんじゃないの?!と思いながら読んだ(笑)
登場人物皆が愛しくてたまらなくなるっていうハインラインマジック♪
女性としての生活、セックス、そして出産と、本当に男の勝手な夢と妄想を描いてるんだけど・・・・面白い!
これを死ぬ間際の爺ちゃんが書いてるとは・・・・
本当にまったくもう!!と笑ってしまった。ハインライン爺ちゃん!・・・・好き! -
Posted by ブクログ
ロバート・A・ハイラインと言えば『夏への扉』、そして猫
この本の邦題は『月は無慈悲な夜の女王』
ネーミングの勝利だ。
650ページを越えるこの本は、本国では『夏への扉』より読まれているという。1965年の作品で、人類初の宇宙有人飛行は4年前、まだアポロ11号は月面着陸していない。当時の最新技術はテレビジョン。
いわば古典
月世界を舞台とした独立運動のシミュレーション物語といったところか……読みにくく苦労しながらもところどころ飛ばしながら読んだ。
そして、その先に『夏への扉』同様にスピーディーで少しセンチメンタルな物語が、待っていた。
「無料の昼飯はない!」
読書だって例外は無い。 -
Posted by ブクログ
ハインラインの『月は無慈悲な夜の女王』は奇跡的なほど凄い小説だ。しかし一方で、致命的な弱点も抱えている。
本作の凄さは二つある。
一つ目は、人間社会の本質を鋭く描いている点だ。現代にも通じる「覇権国家の交代と新しい秩序の誕生」が物語の根底にある。イギリスの植民地支配から脱却し、超大国への道を歩み始めたアメリカの独立をモチーフにしながら、覇権国家がどのように衰退し、新たな勢力が台頭するのかを見事に描いている。皮肉なことに、長らく世界のリーダーとして君臨してきたアメリカ自身が、その影響力を徐々に失いつつある現在の姿さえ、この物語から読み取ることができる。
もう一つは、驚異的な先見性で描かれる生成AIを思わせる計算機の存在である。本作の出版当時は、AIどころかインターネットすら存在していなかった。それにもかかわらず、作中の超高性能計算機は現代の生成AIを彷彿とさせる。「ハインラインは未来を見てきたのではないか」と思わせるほど、その想像力と創造力には圧倒される。
ただし、本作には大きな欠点もある。日本語訳にどうしても馴染めず、とにかく読みにくい。独特の文体を再現しようとした結果なのかもしれないが、商業作品としてはかなり厳しい。また、700ページ近い長編でありながら、全体的に展開が遅い点も好みが分かれるのではないか。SF好きなら忍耐強く楽しめると思うが、そうでない読者は途中で挫折する可能性もある。
SF史に残る古典として高く評価されるのも納得の一冊だが、個人的な評価はやや辛めの星4つである。