矢野徹のレビュー一覧
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ハインラインの夏。7月に逃げ切りできなかった1冊。
200歳を超える長い寿命を持つ一族が、世にその存在を知られてしまう。政府は彼らを生け捕りにして、長寿の秘密を知ろうとするが、それが皆殺しにするという意味であると知ったラザルスらは、地球からの脱出を試みる。脱出した彼らを待っていたのは、異星人が住む星だった。
なんていうか、大盛りてんこ盛りのSF作品で、でもまあハードSFってほどでもないので読みやすいがお腹いっぱいの作品である。特に前半の逃走劇、ジョッカイラの蜂人たちに会ってからは理解しやすいのだが、その間の大事な宇宙船内でのやり取りや駆け引きが、なんか頭に入ってこなくて苦労した。
ただ、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ第一部は自ら存在を明かした長命族が大多数の普通の人間にねたまれて迫害され地球を去る。
第二部は新技術の恒星間飛行により長命族が住める星を探し放浪する。やっと見つけた星には先住民がおり、そこでも受け入れられず強制的に他の惑星に退去させられる。その惑星の先住民は一見友好的だが、そこでの生活は何もする必要のないものだった。そのため、真に生きようとする人たちはここを離れ地球に戻ろうと決心する。この惑星に残る少数を残し地球に戻った長命族は、地球の人々が独自に長命を手に入れていたのを発見する。長命により人口が増えすぎた地球は長命族の持つ恒星間飛行の技術により他の惑星に移住することにした。 -
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ハインラインの短篇集。一部は苦手なタイプのSF。全体に、月または近くの惑星への宇宙旅行や移住がテーマになっており、その時点で若干苦手。勝手に創りだしたテクニカルタームや地名の羅列にさらにげっそり。
とはいえ、短いながらもテーマや本筋はしっかりしているので、読めるんだけど、最後に「こういう話だったね」という大きな本筋以外残ってこない。
特に表題作とその後の金星人の話では、詩的に無駄に飾られた言葉と、本筋の話からわざとそらしまくる会話の連続で、眠気が…。訳も良くない。
前半の事故でパニック系の話は好きなので、間を取って☆3つ。またいずれ読み返すとは思う。 -
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ネタバレ2015年はハインラインを読もうかな第2弾。
長命という、他とは異なる特質を持った人たちが、
自分たちの存在を危うくする普通の人類の
妬みや猜疑心から逃げ出し、可能性の宇宙へ。
出会う宇宙人たちからはこの上なく歓迎されて
自分たちが生きられる世界を見つけた!と思いきや、
やっぱり違いがもとで亀裂がうまれ、
さりとて原住民の地を奪うわけにもいかず
離れざるを得なくなり、たどり着いた先は・・・
長老が経験から先頭で仲間を導くのではなく(導くが)
一番の自由人として精力的に動き回るのを読んで、
フロンティア精神、チョッとアウトローで
肉体派ヒーローモノなアメリカイメージ。
期待していたほど面白くなか -
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世界戦争で旧い秩序も民主主義も崩壊した未来です。その後にできた地球連邦において人類は再び繁栄しついに宇宙に進出しますが、別な知的生命体と遭遇して戦争状態になります。主人公リコは高校卒業後すぐに軍に志願し新兵訓練を経て機動歩兵として実戦に参加、やがて士官学校に通い少尉となります。一種の青春成長記です。
なんたってパスワードスーツですよ。これはカッコいい。
そして宇宙人は蜘蛛型です。蜘蛛でも文明があり都市を築き宇宙へも進出します。日本のアニメだと異星生物とも愛で分かり合える結末を迎えそうですが、それはないです。ひたすら殺しあいます。無情です。種の生存をかけた戦いです。
発表当時は問題作と言わ -
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不肖鴨、ハインラインが苦手です。というか、「夏への扉」が苦手ですヽ( ´ー`)ノあの甘々で前向き過ぎる展開がもぅだめヽ( ´ー`)ノ
でも好きな人にはたぶんたまらない、ハインラインの代表的な短編集。表題作「地球の緑の丘」は、タイトルだけが一人歩きしている感すら無きにしも非ずの超有名作です。甘くて切なくて前向きで希望に満ちた、ハインラインらしい甘々な作品ばっかりなんだろうなぁ・・と思いつつ読んでみたら、結構ハードな作品もあって予想外。予想以上に興味深く読み進められました。
ハインラインは物語全体の”雰囲気”を重視する作家だと、鴨は思います。この”雰囲気”がしっくり来る人なら、とてもおススメ。 -
購入済み
矢野徹のお粗末極まりない訳で読むのは苦痛でした。
拙い逐語訳は翻訳とは呼べません。
作品自体は文句ないので是非とも新訳で読みたいですね。 -
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SFの名作だが、戦争礼賛的な側面が波紋を呼んだらしい。あまり礼賛しているとも思えないが。近未来の地球で、地球連邦軍に志願したジョニーが、訓練を経てパワードスーツをまとう「機動歩兵」となり、異星人との戦争の渦中へ埋もれていく。舞台の地球連邦では、軍籍がない限り、公民権を得られないのが作品の特に重要な点だ。公民権てそもそもどういったものが与えられていて、それが日々の生活にどう関係しているか?公民権の主たる選挙権について、主人公も考える。公民権を得られるという「特権」は命を賭けるに値するものなのか。日々の苛烈な訓練の合間で、ふと考えるが、戦闘につぐ戦闘で、その問いの答えはうやむやになっていく。
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Posted by ブクログ
今年最初の読書は古典SFから。
「小説で読む『フルメタルジャケット』」というのが読んだ感想。私はこの映画が大好きなので、この小説も楽しく読めた。
敵のクモどもというのは、インディアンとジャップとベトコンを突き混ぜたようなものであり、なんというか、突っ込みどころはたくさんある。その第一は政治レベルでの戦う理由が丸で分からないことで、外交レベルで話がつかない理由が分からない。だってそれは、「歩兵」レベルで肉弾戦をしている理由であるからで、そこをごまかしているなあ、と思う。
「こういう視野の狭いファシストだからこそ、こういう意味のない戦争を延々と続けるのだ」というずいぶんとひねった話だと思ってい -