あらすじ
アメリカ合衆国全体が、一人の予言者による専制政治下にあえぐ近未来。しかし、自由を求める人々は、カバル党という地下組織をひそかに作っていた。予言者の言葉をそのまま信じこむ一般大衆に、欺瞞に満ちた予言者の実態を知らせなければならない。だが・・・・・・「もしこのまま続けば」ほか二篇収録!
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Posted by ブクログ
日本人にはどうしてもビッグスリーでは
ハインラインは合いづらいと思います。
なんというか、感覚が私たちとはいささか
異なるから。
アシモフはバランスがいいからそうは感じないけれども。
これで未来史は終わりとなります。
シリーズとは言いましてもこれらは
ほぼ、独立したものとして読めますので
あまりシリーズと言った感はありませんでした。
彼の作品はやはり醍醐味は人物描写にあるんだと思います。
特にその緻密さに。
だけれどもそれが長く続くので
私たちには冗長に感じてしまうのです。
特に一番長い「もしこのまま続けば」の進み方が
最たるものでしょうね。
だけれども人のさまざまなエッセンスをきちんと描き出しているのは評価の価値があるかと。
だけれども一番面白かったのは
「不適格」です。
リビイ、かわいいね!!
Posted by ブクログ
久しぶりに見かけたので拾い読みしだしたらはまってしまって、結局読み終わってしまった。出たときに買って読んだ本だから、27年前!? すっかり内容は忘れていました。でも1930年代に書かれた物語なのに、古臭くないのはおどろき。
Posted by ブクログ
[もしこのまま続けば If This Goes On...]★★★
SFっぽい話ではないけど、ハインラインが書いたと思えばいかにもって感じ。インチキ予言者による独裁体制になってしまったアメリカと、それに対して革命をもくろむカバラ党という大枠はいいとしても、話が長いせいか焦点が定まってない感じで話が展開する。
主人公が反体制側に寝返るきっかけとなった女性が、逃亡先であっさりと別の男に乗り換えるのもそうだけど、かといって主人公がそれを発奮材料に革命に没頭していくというわけでもない。中途半端な逃避行もあんまり意味がないような気がするし、長いだけの話?
最後の戦闘であっさりと人が死んでいくあたりに、作者の考え方が出ている気はするけど。右翼、左翼関係なく、自分の信じる者のためには死を恐れずに戦えというところか。結局ハインラインの話は、強いアメリカを信じている、アメリカの代表的なインテリ親父の意見なのかも。家族を守りながらも、国を守るために息子が戦争で死ぬことは良しとするような。そういう意味では恐い人ではある。
[疎外地 Coventry]★★☆
不適格者は心理矯正してしまう社会の、停滞した平和が気にくわないはみ出し者が、外の世界に行ったら、もっと独裁的な社会だったという話。これまたある種の逃避行的な話だけど、前の話以上にあんまり面白くない。最終的に主人公が自分を外へ放り出した社会のために犠牲になろうとすることで、社会に適応できたというオチが着くんだけど、まあ驚くような話ではない。
ハインラインの作品には科学技術よりも人間の生み出した社会的な体制についての話が結構あるんだけど、これもそのひとつ。
[不適格 Misfit]★★★☆
いかにもSFらしい作品で、そのせいでこの短編集の中では逆に浮いてる感じ。
ミスター計算機リビイの大活躍の話だけど、軌道計算の難しさをわかった上で言えば、まあ素朴な話だよな。この後の展開があるのかどうかわからないけど、あとがきを読んでいる限りではなんかありそう。未来史の短編はこれで終わりのハズだから、そうなると長編の方に出てくるのかな。