ライマン・フランク・ボームのレビュー一覧
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ボームのオリジナルオズシリーズ完結。冒頭の「読者の皆さんへ」の雰囲気がちがうな、と思ったらもうボームはなくなっていて編集者からの言葉になっているのがすでに寂しい。中心となるのが善良でない統治者に独裁された二つの国同士の戦いであり作品が書かれた時にヨーロッパで進行していた第一次世界大戦の色も濃く感じてしまう。特にスキーザーのクーイーオーが使う潜水艇などの機械を使うための魔術にはオズマやグリンダの魔法では対抗できない、というのは戦車や毒ガスで戦争が加速度的に非人間的になった時代とおとぎ話としてのオズの関係性のよう。
ユークーフーの赤毛のリーラがなんか魅力的。
最後がこれまでのようなふわふわしたハッ -
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トロットとキャプテンビル、オークといった新キャラがみんな個性があって楽しい。ボタン・ブライトは「オズへつづく道」の時のなんでも「知らなーい」しか言わないキャラからはもう少し話せるキャラに変わっている。彼らが出てくるthe sea fairiesとSky island も読むといいんだろうな。コブコブマンもこの作品での登場の仕方だけだとよくわかんないエピソードだけど「魔法がいっぱい」にも出てたんだな。これも大昔に読んだけど面白かった記憶。読み直したい。
いきなりの馴染みの薄いキャラが海に飲み込まれる導入はちょっと唐突だけど、オークが出てきてキユウの島に着くあたりからいつものオズの世界。キユウとか -
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確か30年くらい前の高校生くらいに新刊だった。その時はちょっと子供っぽく感じてオズも卒業かなと思ってそれから後の作品は読んでいない。
今読むとストーリー展開が早くてなかなか面白い。王でいたくないリンキティンクの悲しみと陽気さ、ヤギのビルビルとのやり取りの皮肉などむしろ大人向けの部分もあるのかも。インガ王子は割と普通すぎて真珠のスーパパワーはチートだけど読んでて痛快。
読んでいても感じるし訳者あとがきにもある通り、元々はオズの話ではなく独立したお話として書いた作品をエンディングにドロシーやらオズマたちを登場させてオズのシリーズに取り込んだという成り立ち。なのでとってつけたいつも通りの強引なハッピ -
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ネタバレ導入が不思議。謎の人物モジャボロと出会ったドロシーがカンザスの家の周りの道を歩いているといきなり異世界の迷い込む。ボタン・ブライト、キツネのドックス王、虹の娘ポリクローム、ロバのケルヒーホー王、ミュージッカー、スクードラーだ!、ジョニー・スグヤール、ジンジャーブレッドの王、ジョン・ドウ、チック・ザ・チュラブ、ゴムのクマ パラ・ブルーイン、サンタクロースとその妖精リル、ヌック、メリーランドの蝋人形の女王、キャンディ・マン。
そもそもドロシーたちが道に迷い出したのもオズマのはからいで誕生日パーティに呼ぶため。パーティにはいつものメンバーと上記の人々の一部、三つ編み男、エヴの王家の人も呼ばれて盛大に -
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ネタバレハヤカワ文庫の翻訳の順番は異なったけど、オズのオズマ姫のすぐ後の話がこちら。ヘンリーおじさんとのオーストラリア滞在を終えてサンフランシスコに着いたドロシーがカリフォルニアの地震でできた地割れに落ちて地下の国に行く。ドロシーと一緒に子猫のユリカ、馬車の運転手ゼブと馬のジム。同じように地割れに気球ごとはまって降りてくるのが「オズの魔法使い」。マンガブー、透明な人たち、三つ編み男、ガーゴイル、コドラ。結局はオズマの魔法でオズに移動。
オズという国の名前とペテン師である「オズの魔法使い」の名前の関係が解き明かされる。「オズの魔法使い」の本名は、オスカー・ゾロアスター・ファドリグ・アイザック・ノーマン・ -
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ネタバレ映画ウィキッドを観た後に原作を読んでおらず理解しきれなかったことがあり、本書を読んだ。
まず驚いたのはウィキッドではおバカで軽率なグリンダは優しく賢明な魔女だったこと、そして東の国の魔女はただ悪い魔女として描かれてたこと、映画と全然ちゃいますやん…
オズのダメさ加減は変わらずで安心した。
空飛ぶ猿の軍勢など原作から引用されてるとは思わずビックリした。
概してウィキッドの設定は杜撰だと思ってしまった。
ウィキッドとの関連を除くと、全体として面白い話だった。
頭が良くなりたいと脳みそを欲しがるかかしが、機転が効いたアイデアを沢山出したり、心臓をもらって心が欲しいと言うブリキの木こりが生き物を慈しむ -
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オズの魔法使いのボームによる連作ファンタジー。ボーム自身の記念すべき処女作でもあります。
舞台となるモーの国は太陽は沈まずお菓子でできており、そこに住む人々は年も取らなければ死にもしない。必要なものはなんでも木に生っている。そんな夢の世界のような理想郷なのですが、そこではアレコレと騒動も起こるのです。
王様の首がムラサキドラゴンに飲み込まれたり、モーの国に鋳鉄の大男が攻めてきたり、癇癪持ちの姫の癇癪を治すために魔女の元に旅立つ若者がいれば、足の親指を盗まれた姫は取り返そうとする。アベコベの国や巨人の国サル人間の国に迷い込んでの騒動などなど。
でもどんな騒動に巻き込まれても、大変な目に遭っても、