あらすじ
〈大魔法使い〉のいなくなったオズの国に、またまた大騒動が持ちあがった――エメラルドの都にある宝石を自分たちのものにしようと考えた美少女たちが攻めよせてきたのだ! おなじみのかかしの王様、ブリキの木樵り、それにいたずら坊主のチップ、カボチャ頭のジャックたちは一体どうやったら勝てるのか? そして妖精の国オズの本当の王様とは誰なのか……! ゆかいな新しい登場人物をたくさん加えて、ますます楽しく、おもしろくなったファンタジイの名作〈オズの魔法使い〉シリーズの第二弾!
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Posted by ブクログ
『オズの魔法使い』の続編、オズ・シリーズの第2作目。
ドロシーがオズを去った後のお話。
オズの国の北、ギリキンの国に住むイタズラ少年のチップは、意地悪な育ての親のモンビが大嫌い。
ある日、自身のイタズラが災いして、チップはモンビの怒りを買ってしまう。
命からがらカボチャ人形のジャックと逃げ出し、途中で木挽き台をお供に加え、エメラルドの都へと向かう。
ちょうどその頃、エメラルドの都にある宝石を狙って、美少女だけの革命軍が反乱を起こそうと企んでいた…。
オズ・シリーズで要となる人物、オズの真の王位継承者がこの巻で出てくるのですが、その正体には驚かされました。
シリーズ14作中、唯一ドロシーが登場しない物語なのですが、個人的には『オズの魔法使い』と並ぶぐらい大好きです。
Posted by ブクログ
(内容)
今度の主人公はギリキンの国の少年チップ。育ててくれたモンビばあさんはいじわるな魔女。いたずらの押し置きに大理石に変身させると言われて、人望のあるかかし陛下が治めるエメラルドの都へと逃げ出す。ところがちょうどそのころ、エメラルドの都に散りばめられた宝石を狙って、美少女だけで構成された軍隊が反乱を起こして、オズの国は大混乱。
チップの運命は?かかしの運命は?そしてオズの国はどうなってしまうのか??
(感想)
「オズの魔法使い」を読んだ子供達から続編を望む声がたくさん届いて、それに応える形でこの物語ができたそうです。第1作に劣らずどきどきわくわくする冒険に充ちています。それでもどこかのんびりとした雰囲気が流れているのがオズシリーズのいいところ。
Posted by ブクログ
ドロシーが登場しないオズの物語。オズを治めるオズマ姫誕生の物語。
チップ、モンビ、ニキディク博士、ジャック、木挽き台の馬、ジュリア・ジャム、ジンジャー将軍、ヒキノバシ・ウォグル・ムシノスケ・ガクシャ、ガンプ。
「オズの魔法使い」はオズに来てパストリアという王から王座を奪いその娘をモンビに渡して・・・という設定だがこの設定はのちに忘れ去られる。
Posted by ブクログ
オズの魔法使いシリーズ2作目。子供に読み聞かせをしながら私としては実は終盤まで内心でだいぶ不満があったのですが、終盤の展開に見事にやられたので、続けて第3作も今注文したところです。
訳者が違うということも理由のひとつではあるのでしょうが、物語の出だしからこれは前作とは違う作者が書いているのではないかと疑ったぐらい、なにかが違うと感じました。前作はどこか抽象的で各キャラクターも設定も何かのシンボルのような印象があったのに対して、私が本作の出だしで主人公の少年に感じたのはもっと生き生きした具体性でした。それでこれは筆者の話術に磨きがかかったということかもしれないと期待したのですが、中盤にさしかかるにつれて逆に不満を感じていくことになりました。映画でも小説でもしばしばあることですが2作目で単純化され冒険物語の側面が強くなり、1作目がそのシンボル的な物語によって伝えていた哲学的・教訓的なメッセージがなくなっているからです。1作目ではそれぞれ自分の欠点を回復することを切に願い、お互いを補い合っていた仲間たちは、今作では最初から自分に満足していて若干鼻につくほどその自慢を振りかざしており、その一方で仲間にはときに不満を持ち口論めいたこともしばしば起こります。しかし、考えてみればそれも筆者の洞察力が上がり、登場人物が一層私たち人間らしくなったということなのかもしれません。前作からドロシーの仲間たちは奇妙でしたが、本作ではますます奇妙さに磨がかかり、敵が女の子だけの軍隊ということもあって、ともするとなんだかかなり倒錯的な物語なのではないかという気がしてきてしまいます。それぞれの登場人物により著者が何を主張したいのかはわかるようなわからないような、です。そんなような不満は感じたのですが、本書にはそれを補う冒険があります。この本を読んで楽しかったなあと思わせる結末がありました。というわけで、(全14作まではいかないにせよ)ドロシーとオズマ姫にもう一度会うために3作目を読んでみたいと思いました。