衣笠彰梧のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
無人島での大規模な特別試験を終えての豪華客船での束の間の休息
それだけに常よりも弛緩した空気を感じられる短編集ではあったけど、一方で強者やこれから能力向上を目指す者達の中には緊張感も感じられた内容だった
この巻で描かれた休息がこれからの戦いに備えたものであるという点が伝わってくるようだったね
この短編集では前巻までの無人島試験では明かされなかった綾小路が関わらない部分の内幕や試験の結果を受けての牽制も数多く見られたね
その中で最も目立つのは南雲による綾小路への挑発。実力の高さや3年生への支配力等これまでも強敵らしさは感じられつつも、その牙が綾小路へ向けられなかった事で伝わりにくい部分もあった南雲の強さ
それがあのような控えめでありながら大規模な嫌がらせから綾小路にとって戦いにくい相手になると感じられる描写が出てきた事で改めて厄介な相手になると予感させられたよ
この短編集で予想外にページを多く割いて描かれた少女達の恋模様。
前巻で思わぬ告白をした一之瀬について描かれるのは期待していた通りだったけど、南雲の行動によって想像とは全く異なる光景が……
そもそも綾小路にとって軽井沢との付き合いがあるのだからどうやったって傷付けない選択肢は存在しなかったのだけど、それが南雲の計略の一端として綾小路の制御を外れた形で実現されたのは少々物哀しく思えてしまう
また、綾小路に想いを寄せる他の少女達も想いの整理とこれからの躍進を期待させるような描写があったね
グループに入った事で影が薄まってしまった印象も有る愛里の決意、軽井沢との仲を知っていながらアプローチを掛けた佐藤、綾小路を本気で龍園クラスに誘おうとするひより
ただ、どちらにせよ二学期になって綾小路と軽井沢の関係が周知される事で激震が走り同時に更なる躍進を求められる事になってしまうのだろうけど……
綾小路自身はこうやって自分を巡る思惑が揺れ動く事態そのものを歓迎している、というよりは望んでいるらしい雰囲気を感じられる点は気になるね
綾小路を想い心揺らし、傷つき、その果てに成長する姿を期待しているような……。というよりは色恋の中にそれしか求めていないかのような思考は気になる
その中に軽井沢も含まれている点は特に気になってしまうね……
次巻にて描かれるだろうクラス内投票を超えるかもしれないえげつなさを含んだ特別試験
これはクラスの結束を求める堀北にとって試練として立ち塞がるものになるのだろうか? -
Posted by ブクログ
無人島試験後半戦。前半戦の時点で幾つもの思惑が絡まる模様を見せていたけど、その色は後半戦になっても変わらず。中には思惑の全貌が明かされたものもあったけど、逆に明かされずに終わったものも有ったりして全学年が入り乱れて競う今回の特別試験がいかに大規模なものであったか改めて思い知らされるね
特に綾小路は月城理事長の陰謀、賞金を狙う一年生の策謀、そして3年を率いる南雲の戦略と様々な厄介事と直面する事になった点は話の内容を面白くさせているね
この特別試験が基本的に綾小路の視点で展開されるのはこれまでの物語とあまり変わらない点では有るのだけど、競争相手が一つ所に留まって争うものではないからどうしたって綾小路が全く関知できない事態も散見される
それが読者的にはもどかしくも感じてしまうのだけど、一方で綾小路がこの試験の中で考えている点が非常にシンプルである事も察せられるようになっているね
単独チームでありながら一位を狙う動きをしている綾小路。けれど、その為にあらゆる無駄を省くのではなく、時には余計な行動を見せる事も有ったのは意外
七瀬の動向を許した甘さ、迷っていた白波を助けた行動、伊吹に水を差し出した優しさ。また、一位は狙っているものの目立つ事を嫌いもするため襲撃されればあっさりと一位狙いの戦略を捨て去る判断力等を見るに綾小路の本命はこの特別試験の中で必ず仕掛けてくるだろう月城の陰謀を回避する点に集約されていたのかな
そういった意味では一年生の策謀も綾小路にとっては余興のようなものだったんだろうなぁ
それにしても影の軍師的な印象を抱かせていた椿は意外と大したこと無かったというか何というか。綾小路や坂柳の相手にもならなかったね。まあ、そもそも最も信頼していた相手が裏切っていたのだから仕方がないのかも知れないけど
……それとも今回の作戦は宇都宮の裏切りを確認する意味合いが大きかった、というのは流石に深読みしすぎか?
この椿という少女は入学早々に退学してもいいと思っていたなど内面が読みきれない部分が多いからそういった点が今後の物語に影響してくる事も有るのかな?
理事長の陰謀を警戒していた綾小路にとっては余興のような14日間の特別試験。それでもやはり月城との退治には不確定要素があったわけで
そこをあの一之瀬がリスクも顧みず行動したのは大きな意味が有ったね。ラストの展開を見る限り、一之瀬の勇気がなければ綾小路が安全に試験を潜り抜けるなんて出来なかったのだから
どうにか2年生組は無事に終わった特別試験。一方、情報交換が少ない試験であった為に不明瞭な部分が多く存在するのも事実
篠原達を襲撃した犯人、堀北に忠告した謎の人物、天沢のこれから、南雲から向けられるだろう恨み。そして一之瀬の想いの行く先……
そういった諸々は次巻の短編集で明かされる事になるのかな? -
ネタバレ 購入済み
ある意味理想の学校なのかも。
まぁ、タイトルの通り、実力至上主義の学校上でのお話ですね。
入学から中間テストのエピソードでしたが、キャラクターも個性が立ってるし、ストーリー上の設定もなかなか面白いものでした。
学校での実力と言ったら大抵学力のことを指していると思いますが、他の能力で活躍している生徒もいて、スポーツ、コミュ力といった能力も評価できるようになりたい、そしてそのような能力も評価してくれる世界であってほしいと思えました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ特別試験の中でももっとも大掛かりと言っても過言ではない無人島試験の本編。1巻である程度完結する事が多い本作ですが、準備で前巻を使い3巻でも試験は完了しないとエピソード自体も長い。
内容はほぼ七瀬と二人と二人旅で七瀬の背景が判明します。
清隆が単独で首位を取る事は難しいと思うので、主人公より高円寺や三年生勢の動向が割と楽しみです。
全体的に面白いですが、終盤の七瀬の策はかなりお粗末で付き纏った結果がそれかという感じでした。
やっている事はほぼ宝泉と変わらず、宝泉の失敗を目の当たりにしている七瀬がこの策でよく仕掛けたなと感じました。失敗する事も含めて策の内で次巻もう一波乱ある可能性もなくはないとは思いますが。