衣笠彰梧のレビュー一覧
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ネタバレ一年生での特別試験が全て終わり、迎えた春休みの様子を描く短編集。
短編集といいつつ、色々大事なイベントが起こっている。
まず堀北兄の卒業。南雲の妨害がありつつも無事Aクラスで卒業し、最後に堀北・綾小路と言葉を交わして校門を出る。そしてそのときに堀北は自分らしさを取り戻し、長かった髪を切って現れる。髪を切るのは覚醒の合図。2年生編からの堀北の活躍が楽しみ。そして恋愛面でもひよりとの交流、一ノ瀬との約束。そんなフラグを立てまくってから最後には軽井沢と交際を開始するという急展開。月城対策に茶柱と真嶋に語った、この学校を卒業したらホワイトルームに戻り指導者になるという未来が言葉が、綾小路にとってのこの3年間がいかに大事なモラトリアムかが伝わってくる。だからこそ綾小路を中心に巻き起こる残り2年間の学校生活が大事だし、楽しみだ。 -
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ネタバレ一年生最後の特別試験『選抜種目試験』を描く。
山内が退学し、39人で迎える特別試験。Cクラス主力の平田が失意に沈み、クラスの話し合いに全く参加しないまま話し合いが進んでいく。次第に腫れ物扱いされていく平田に対して諦めず話しかけるみーちゃん。そしてそこに高円寺が絡んでくるシーンは、高円寺の紳士ぶりと平田に突き付ける事実の鋭さが印象的だった。挿絵でみーちゃんをお姫様だっこする高円寺イケメンすぎる…。その後、綾小路が平田と話すシーンも印象的で、多くの人が心配する声かけや、己の願望を語りかけてきた中で「平田の話を聞かせてほしい」と切り出したのは震えた。これってめちゃくちゃ大事な人とのコミュニケーションだ。そこからも「なんとなく知りたくなったんだ」であったり、「どうしてそう思うんだ?」と語りかける。平田の子どもの頃とかどういう考えを持ってるのか、なんとなく知りたくなったんだ。っていうのが説得力がないのに説得されてしまうなあと思った。とにかくこのシーンが印象的すぎて特別試験はチェスがすごそうだったという感想しか残ってないし、月城は本当に邪魔なやつだ。 -
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ネタバレクラス内投票により批判票の数が一番多かった生徒が退学になるという理不尽極まりない追加の特別試験が始まる。
退学するのはAクラスは葛城、Dクラスは龍園が濃厚という一方で、Bクラスは一ノ瀬が2000万ptによる救済を狙い、そしてCクラスは表立った動きはないが水面下で大グループの形成が進んでいく。
臨時で就任した月城理事長代理によるうあまりにも理不尽な追加特別試験。物語の焦点はCクラスの誰が退学するか、そして一ノ瀬は南雲からの援助を受けるのかという感じだったが、最終的にはDクラスは真鍋、Aクラスは弥彦の退学となった。流石に龍園と葛城をここで退場はさせないだろうと思っていたけど、今回の試験で各クラスが抱えた課題を一気に解決されてすごいスッキリした。 -
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ネタバレ各学年で6つの小グループを作り、そこから学年混合の大グループを作って山奥でが合宿する混合合宿という特別試験。
小グループは複数クラスで構成され、この試験中はチームとなるが、綾小路のグループのメンバーにはDクラスの石崎にCクラスの高円寺、啓誠。そこにA,Bクラスの生徒も入る。自由気ままな高円寺に、Cクラスとの抗争もあり、グループの雰囲気は最悪。しかし、自分たちの生い立ちや気持ちを開示しあうことで真のグループになっていく。このシーンはすごい青春の一幕という感じで良かった。そしてこの試験中、若干不穏な空気が横たわっているなあと思っていたら、最後に南雲の策略が炸裂し、橘が退学となってしまう。2000万ptによる救済で回避されたが、3年生のAクラス争いは混とんとなっていく。これまでは綾小路の暗躍で最後には悲しい結末は回避されてきてたけど、上級生の争いに積極的に手を差し伸べるまではしないという感じか。それにしても絶対優秀なのに南雲の小物感がすごい笑。 -
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ネタバレ無人島でのサバイバル試験を描く第3巻。
池の活躍や平田の不穏な雰囲気が少し現れるなど、無能のレッテルを貼られるDクラスの中で、学力は低いけど能力のある生徒、聖人のような人にも影がありそうな描写で、今後の展開にも繋がりそうな試験だった。また龍園の作戦と堀北をリタイアさせる綾小路の作戦が噛みあい、最終的にはDクラスが勝ち頭になったけど、龍園という巨大な敵の存在が強調されたと思う。そしてアニメでも印象的だったシーン、弱った堀北が綾小路を仲間だと言ったことに対して、「一度もお前のことを仲間だと思ったことはない」という綾小路の心情がついに描写される。1,2巻ではまだ謎の部分はあるけど、実はかなり優秀な生徒という印象だったけど、この描写により綾小路の闇の部分が明らかになった気がする。 -
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ネタバレ【オチは読めるが、それ以上に楽しませる凄さ】
明らかに伏線を貼ってたり、ヘイトを溜めさせたりとで正直オチは読めると思う。
それでも、オチ自体の面白さではなく、オチへの持っていき方でどのように読者を裏切るかが今回は大切だったので、そこが予想以上にうまく作られていた。
それだけならばいつもの綾小路なのだが、もう一つの気になる展開では、読者も納得する選択で気持ちが良かったし、綾小路の成長と新な面が見られた。
さらにここに対しての新な展開も生まれそうで、相変わらずヒキが上手いなと感じさせらた。
それ以外でも龍園や櫛田、高円寺といったキャラにも変化が見られて今後の展開が期待できそう。
強いていうなら、ラストに持っていくためのストーリーになっている関係上しっかり描くとゴチャつくので仕方がない部分ではあるが、試験自体が面白みに欠けて、読む手が進みづらかったのは惜しいところ。
多少でもハプニングや接戦が見たかったかな。 -
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ネタバレ前巻「無人島試験」が終わり、そのまま「無人島特別試験」が開始。こちらが本命だったんですね。そして、この特別試験では退学者も出るようで。やっぱり退学者ありの方がヒリヒリして面白いですね。
結果的には、好き勝手暴れまわっていた篠原が案の定退学、ということに。そりゃそうですね。やりすぎました。伊吹や櫛田が退学にはならないだろうとは何となく分かっていましたので。それにしても櫛田はようやくこの巻で一皮むけましたね!毒舌、というか本音キャラでも全然人気あると思います。
個人的には、いつもベラベラ喋りまくっている森下が、他のクラスと一緒にいるときは一切会話に出てこない徹底ぶりが面白かったです。最後素直にトークン渡した所はちょっとびっくりしましたが、なんだかんだ綾小路のこと好きですよね。
そして、最後の絵怖すぎます笑笑
だんだん一ノ瀬がおかしな方向に行ってますね。最近は実力至上主義から一ノ瀬のホラー小説へと切り替わっていっているような気もしなくもないですね(笑)
巻末で読みましたが、衣笠先生×トモセ先生の新作が今秋にでも発表されるようです!予約必須ですね!楽しみ〜! -
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サバイバルゲーム試験が終わってすぐに始まる特別試験。今回の特徴は必ず退学者が生じる点と各グループがバラバラに行動させられた点か
必ず誰かを退学させられるなら、そこには策略が求められる。けれどバラバラに行動する中では密に連絡を取るのも全体を把握するのも難しい。また、それぞれが持つトークン数を厳密に管理できるわけでは無いからどうしても学年全体の動きを想定した上での策略は現実的とならない
だから龍園はやけっぱちのような策略に出るしかなく、堀北や一之瀬は策略を差し込まず自分達のグループを上位にする当たり障りの無い作戦に出るしかなかった
対して綾小路は本当に凄いね。全体の把握が不可能なら全体を自分のペースに巻き込んだ上で自分達のグループから退学者を出す。それは誰かを出し抜く為とか誰かを退学させたかったからとかではなく、損得を冷徹なまでに計算した上での行動。だからこそラストに描かれた損得を超えた又は損得に反する行動が際立ってしまう、そういう内容だったんだろうね
今回の特別試験、タイミングが予想外に満ちたものなら、グループ分けも予想外に満ちたものに
本作ってクラス対抗要素が強いから、同盟等を組まない限りは他クラスと協力する利点は薄い。でも、今回のトークン収集特別試験は他クラスメンバーとある程度の協力が必要になるし、同グループのメンバーを過度に邪魔すれば自分へのマイナスとして返ってきてしまう。だから他クラスに対して攻撃しようと思えばある程度は自分へのダメージを覚悟しなければならなかった
龍園が平田の目があり綾小路に注目されない場所での策略を当初は諦めていたのも結局はそうした背景によるもの
他クラスへの攻撃を狙わないなら、順当にグループを盛り上げて協力体制を築く方が健全
それだけに以前よりも人間的な成長を見せて綾小路への不満を当面は引っ込めた池と篠原に対して空気が冷えるレベルの塩対応を行った綾小路には驚かされたなぁ。彼だからそうした態度にも理由があると解釈できるけど、綾小路の本質を知らなかったら彼への嫌悪感が湧いてしまいそうだ
池と篠原は綾小路の本質を完全に把握・理解しきれていないからこそ、彼が作り出す不和空間へと巻き込まれてしまうわけだ
綾小路の人心掌握術は恐ろしいね
そんな彼が狙うのは所属グループから退学者を選出する事か
これ、難しいのは先述したように、自分のグループから最もトークン数の低い者を出そうにも学年全体の状況は把握出来ないし、グループメンバーのトークン数を無理に下げるなんて出来ないだけに、どうやって狙いを成就させるのかと疑問、というか策略が全く読めなかったのだけど、明かされてみれば単純でありながら彼らしい謀略を感じさせるものだったな
冷徹な損得計算、そして計算を実現する為の容赦ないロジック、自分の決断に対して他者がどう動くかを完全に想定した上での事前対応。全てが高レベルで行われているから、堀北が綾小路の狙いの一部を看破できたとしても邪魔できなかった
全ては綾小路の掌中にて行われたわけだ
だからこそ、綾小路が最後の最後に行った理屈に合わない行為が際立つ、というか異様に映る
綾小路が自己分析しているように恋心が不条理な行動を起こさせたように見える。けど、綾小路は軽井沢との交際を経ても手に入れられなかった本気の恋愛感情をずっと求めている、いわば恋に恋している状態と言えなくもない。だからひより相手に覚えた感情を実感する為に敢えて不条理な行動を採った…と見えなくも無い
勿論、彼が条理を超えてひよりに恋している可能性は充分にあるけど、結局は綾小路という人間らしからぬ人間を信用できない為にこのひより相手の恋愛劇も素直に「綾小路は変わりつつあるのだ」と信じられないんだよね……
果たして綾小路とひよりの関係はどうなる事やら…
綾小路が恋愛における一つのハードルを越えた他方で彼は何人かの少女達を翻弄しているね
須藤が堀北クラスに裏切者が居るなんて言うから誰かと思えば、まさかの長谷部か…。彼女は愛里の件で一時は綾小路と強く対立した。けれど、文化祭での和解や綾小路移籍後の会話により以前よりも近しい雰囲気を放つようになっていた
そんな彼女がまさかなぁ…。篭絡した事で得られた堀北クラスにおける一種の虫。これは長谷部の今後に大きく響きそうな気がしますよ……
櫛田も大きな転機を迎えた形だね
彼女は長谷部より激しい形で綾小路を嫌悪、敵対していた筈の人物だった。それが冬の修学旅行前から少しずつ変わり始め、最近は綾小路への感情を認めないままに彼への対応に揺らぎが見えるようになっていた
だから彼女に変化が訪れるとすれば綾小路関連だと勝手に思っていたのだけど、まさか篠原からの度重なる嫌がらせが彼女を覚醒させるとは
彼女はどんな事をしてもAクラスで卒業するつもり。その意地のような感情が外面の維持よりも勝ったわけだ
次第に櫛田の変貌は学年中に知れ渡っていくのだろうけど、これまでに築いた加点がある以上はそれによって櫛田の評価が暴落する事は無いと考えれば、今後の櫛田は様々な面で堀北クラスにおいて武器となり得る人物となりそうだ
そして、何よりも言及したくなるのは一之瀬だね
彼女は2年末に綾小路を呑み込む程の凄みを見せて綾小路の共犯者となった。それは軽井沢がどれだけ願っても完全には手に入らなかった特別な椅子
特別な立場を手にした一之瀬は完全に変貌して見せた。それが彼女の新たな魅力となり、また本気を発揮し始めた綾小路の隣に相応しい人物と見せた
でも、考え方を変えると綾小路自身はその椅子へ積極的に一之瀬を座らせるつもりはなかったともいえる。勿論、一之瀬クラスとの同盟を考えた際の枢要として欲した部分はあるけれど、一之瀬でなければ駄目だったという程では無かった
だとしたら、綾小路が自らの勝利もポイントも捨て、形振り構わず迎えに行ったひよりという存在は一之瀬が欲しつつも手にする見込みが全くなかった立場をあっさり手にした人物と言えるのかもしれない。だからってああも闇堕ちするとは…という驚きはあるが
今になって前巻の表紙を見ると、とんでもない組み合わせだと思わせられるね
綾小路は一つの恋心に辿り着いた。けれど、その行為は一之瀬を闇堕ちさせ、龍園に綾小路の弱点を握らせる判断となった。また、今回の独断行動は綾小路クラスの面々にとって望ましくないものであるのは間違いなく
今回の特別試験、表面上は綾小路が全てを支配した形だけど、一方で彼の転落が始まりかねない分水嶺となり得てしまう気がするよ……