阿部公彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
事務のワードに釣られました。宇宙の影の帝国である事務がいかに文学を侵食していったかについて、文系先生(差別とかじゃないです!)による評論です。現国教科書の評論文のところに載っているような感じです(悪口じゃないです!)。
こういう本は久しぶり。良く言えば縦横無尽、反対に、思いつきで大雑把とも感じます。私には難しく、理解困難な感じです。
全12章、1・2章は「夏目漱石と事務」です。漱石ファンは必読でしょう(たぶん)。
3章は、事務と言えば注意力、注意力と言えば発達障害、と展開します。なんか風が吹けば桶屋が儲かるを思い出します(バカにしてません!)。
飛んで、9章エクセル思考で小説を書く、阿部先生はタイトル付けがとってもお上手です(編集者さん?)。
引用261p「エクセルの格子の思想は、小説を支える道の思想と重なるのだ。」
切抜きで申訳ありませんが、奥が深いです。深すぎて私には見えません。まさか!エクセルにこんな思想が隠されていたとは!恐るべし事務帝国。相応の覚悟と鍛錬が必要だと思います。
阿部先生の文章を読んで、内容はイマイチわからずとも、自分が如何に事務的なるものにどっぷり浸かっているかを、感じることができました。
「事務に踊る作家さん」を見たい方、自分がいかに事務に侵食されているかを感じたい方はぜひお読みください。
私はというと、なんか「事務」に踊らされたみたいです。 -
Posted by ブクログ
文学者による、小説の読み方が分からない、という人に向けた読み方指南書。とは言いつつ、やっていることは、とてもお手軽で、より本を面白く読む上でとても参考になった。
著者は、小説を読むときの方法として、本文を「いじる」ことをお勧めする。ここで言う「いじる」というのは、思わず「なんじゃこりゃ?」と言いたくなる部分に、鉛筆で記しを付けて、どこがおかしいか、忘れないようにコメントを書き込むこと。難しい小説ほど、意味が分からず、先に進むのが面倒くさくなってしまうのだが、まさしく、そうなってしまう原因の部分に「どうしてこんなふうになっているんだろう?」「どうしちゃったの?」という疑問をぶつけて、その異様さを楽しもうと言う。
この「いじる」ということに関して、著者は「内容を読んで味わうとか、考えるとか、批評するといったややこしいこと」ではなく、「読む以前の行為」だと言っている。本書では、著者が実際に、名作の最初の1ページを「いじって」、そのいじりに対する自分なりの答えを解説している。プロが小説を批評するときに、その手前でやっていることを見せてくれていると言う意味で、面白かった。
小説をちょっと背伸びして読みたい、そんな人に読んでもらいたい。