與那覇潤のレビュー一覧

  • 中国化する日本 増補版 日中「文明の衝突」一千年史

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    ネタバレ

    タイトルに惹かれて買った人は、あれっ てなる内容。
    著者は狙ってつけたタイトルだと認めている。
    しかし、副題も全然違うぞ。

    本書は日中文明衝突を書いたものではない。
    本書の言う「中国化」とはグローバル社会・自由競争・実力主義・格差社会化のことで、これは中国ではすでに宋代に実現されていた。(ヨーロッパは20世紀になっても王制の残る遅れた地域であった)

    対する日本は江戸時代の封建的な社会を維持し、1990年頃までその伝で来た。その後ようやくグローバル化すなわち中国化の時代がやってきたのだが、日本人はやっぱり江戸時代回帰志向が強い。終身雇用や家族制度の崩壊した状態でもはや江戸時代方式は無理なのだ

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    2021年04月15日
  • 心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書)

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     内容は精神科医と双極性障害を持つ2人の著者による対話形式で現代社会の心の病について各章ごとに内容が分けられている。
     心の病が広がっている原因やそうなるに至ってしまった経緯等がじっくりと語られているため自分たちが今置かれている現状について考えさせられた。
     人は悩むと自分の中で考えを固定して思い込みがちになったりもする。
     今までの自分の中の価値観にとらわれず、解決はできなくとも人と話して自分も相手も思いを伝えながら落ち着いて対話し、共に心をほぐしていくことが生きてい
    く上で大切なんだと本書を読み終えて感じた。

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    2021年03月17日
  • 心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書)

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    文系の学問の役割が意味をつけること、ということは多くの本で言われているが、会話式の本書ではとくによくイメージできた。
    本や映画の引き合いの出し方はについて、参考になる。
    また、学者だと単純ではなくここまで考えるので、生きていくのが大変だと感じた。

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    2020年12月08日
  • 心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書)

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    この本は、脳科学者の茂木健一郎さんの「お勧め本❗」だったので、読んでみました。

    この本は、精神科医の斎藤さんと歴史学者の與那覇さんによる1年近くにわたる対話をまとめたものです。
    病気の問題だけでなく、社会情勢や価値観など、色々な問題を多面的に、そして深く掘り下げていて、めちゃくちゃ「濃い❕」本でした。

    物事の捉え方にとてもエッジが効いており、頭のいい人の話は面白いなーと感心しました。

    よりよく生きるためのヒントがたくさん書かれていますので、ぜひぜひ、読んでみてください。

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    2020年12月05日
  • 心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書)

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    躁鬱病を罹患した歴史学者とオープンダイアログを推進する精神科医の対談。精神疾患に限らず、SNSや政治社会のことまで幅広く扱っている。学問へのこだわりではなく、ある社会課題について様々な視点で考える姿勢がとても好感を持てた。やや難解な箇所はあるものの、なんだか生きづらいと思っている人には新しい視点を獲得するチャンスとなる本だと思う。

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    2020年10月01日
  • 心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書)

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    友達っていないといけないの? 家族ってそんなに大事なの? 夢をあきらめたら負け組なの? 「ひきこもり」を専門とする精神科医と、重度の「うつ」をくぐり抜けた歴史学者が語り合い、「生きづらさ」を解きほぐす。

    いろいろ思い当たる節があって興味深かった。

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    2020年07月04日
  • 中国化する日本 増補版 日中「文明の衝突」一千年史

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    高校レベルの日本史の知識を土台に全く異なる歴史を描く一冊。歴史が単なる事実の積み重ねではないということを語らずして教えてくれる。

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    2020年03月12日
  • 「日本史」の終わり 変わる世界、変われない日本人

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    読み物として、とても面白い。実際に日々の生活の中で感じる組織や社会、文化に対する疑問に、意外な角度からヒントを与えてくれる。自分の思考を深めるための、導入的な対談だった。

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    2014年04月29日
  • 中国化する日本 増補版 日中「文明の衝突」一千年史

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    近年の日本のグローバライゼーションは、西洋化ではなく「中国化」であるという主張。中国の社会システムは、宋代以降、すでに今日の世界標準の潮流であるレッセフォールをテーゼとしていたのだ、他の世界はあとからそうなっていった後進であると。
    そういうポイントを、われわれが感じている現代の中国成長に対する潜在的な怖れにうまく絡めて「中国化」とひろからげにアジテイーションメッセージみたいに言っているのが、やや胡散臭いところ。

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    2018年10月14日
  • 中国化する日本 増補版 日中「文明の衝突」一千年史

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    ネオリベ化=「中国化」する社会のなかで、封建的=「再江戸化」する日本が、どう舵取りすべきかという内容。戦国時代&幕末好きは読まない方がいいかも(笑)

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    2014年04月19日
  • 「日本史」の終わり 変わる世界、変われない日本人

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    対談に名作なし、は読書家の定評(?)だが、池田信夫ということで手に取ってみた。

    対談のもう一方の相手の與那覇潤は、『中国化する日本』という本を書いた気鋭の歴史学者らしい。池田信夫も学者といえば学者なので、学者系の対談にあるようにやたらと文献が出てきて、あの本の中ではこう言われていた。あれはこう解釈することができる、といったような対談にありがちな流れになる。丸山眞男とかドゥルーズ、マックス・ウェーバー、サンデルも出てくるし、『失敗の本質』も出てくる。この辺りはある程度知識はあるので付いていけている気がするが、そもそも『中国化する日本』を読んでおくべきなのかもしれん。

    副題に、「変わる世界、変

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    2013年11月12日
  • 「日本史」の終わり 変わる世界、変われない日本人

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    池田信夫・與那覇 潤共著。

    2人の趣味で書いたでしょって感じの本。
    多分1回じゃわからん。

    日本史を西洋基準でなく、中国基準で見直しましょう。
    それはシステム1(本能的な感情)とシステム2(抑制する機構)の存在で、システム1は全世界が持ってて、システム2は戦争しまくった西洋しかもっていないっていう考え方。

    メモ
    ・約350年間(薬師の変から保元の乱)、「国家の首都で政治的理由による死刑が執行されなかった」期間としては世界最長。
    ・五十代十国の状態が宋という王朝によって統一されず、中国大陸が分裂したままだったとしたら、ヨーロッパと同じになったかもしれない。
    ・日本の実際の有罪率は世界平均だ

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    2013年09月22日
  • 「日本史」の終わり 変わる世界、変われない日本人

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    西洋の法律と中国の科挙システム•徳治、昔からの村社会のキマイラが日本の現状だという。なるほどね、そういう見方があるんだ。

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    2013年07月19日
  • 「日本史」の終わり 変わる世界、変われない日本人

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    非常に難解。

    日本はまれになく平和であり、法の確立も、専制君主もなりたたず
    江戸時代から進化していない江戸化された世界
    みんなが拒否権をもち法の確立がなされていない世界
    橋下氏のやり方は中国皇帝のやり方。西洋化できていない
    日本。でも江戸のままではなりたたず、今後中国化していく
    という話。

    どちらにしろとっても難解。

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    2013年02月08日
  • 江藤淳と加藤典洋 戦後史を歩きなおす

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    江藤淳と加藤典洋を軸にして、新聞や文芸誌に掲載された文章が収録されている。内容としては批評や文芸時評といったものになるのだろうが、加藤典洋への追悼文なども含まれる。

    さまざまな媒体に書かれたものを収録しているので、文体の違いは目立つ。江藤淳はとにかく、加藤典洋への再評価は東浩紀も行っていたが(再評価といったものの、要は批評空間周辺で批判されていただけなのだが)、このような仕事は大切といえば大切だろう。現在の日本を取り巻く排外主義的な雰囲気は江藤-加藤らの失敗した子どもたちのようなものでもある。

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    2025年09月26日
  • 江藤淳と加藤典洋 戦後史を歩きなおす

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    与那覇潤の本を読んだのは『知性は死なない』以来。特にファンというわけでもないが気になる著者である。

    著者にとって文芸批評の大きな先達である『江藤淳と加藤典洋』が書名となっている。

    「文芸批評」を通じて戦後史を読み解くというアプローチは私にとって新鮮だった。
    構成も前半の「戦後史の峰に登る」で戦後の各時代を象徴する作者・小説の論考が集められ、後半の「現在への坂を下る」で江藤淳と加藤典洋についての論考がまとめられている。
    著者という道案内を得て戦後史の峰を登り、日常に戻ってきた気持ちがする。
    戦後という時代が急速に忘れられリアリティを失っているように見える現在、戦後史から学ぶべきこと、解決され

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    2025年08月31日
  • 歴史なき時代に 私たちが失ったもの 取り戻すもの

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    日本の近現代史についての対談・エッセイ集。

    著者のことは知らなかったが、歴史のことよりも彼のバックボーン(うつからの回復)の方が気になった。

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    2025年03月08日
  • 心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書)

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    なかなか示唆に富んでいる。対談形式なので、かなり自由な展開。真偽、主流・非主流の考え方かはきちんと確認しないといけない。ほう、それをそこまで考えるか?と言うこともある、と言う意味で、示唆に富んでいる。

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    2025年01月28日
  • 2035年の世界地図 失われる民主主義 破裂する資本主義

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    並行してエマニュエル・トッドを読んでいたのでその理解が深まったが、やはり複数名を一冊に取り扱うようなダイジェスト本だと論説の中身が浅い。広く浅く、まずは関心を、がコンセプトなのだろうからそこで文句を言ってはいけないのだが。本書に関しては、先の賢者たちの言説紹介よりも、後半の日本人同士のセッションの方が面白く感じた。

    與那覇氏。「よなは」。と読むらしい。この方の発言で、「民主主義は皆が理性を働かせ、今より良くなっていくことを建前としている」のだから、「ニヒルな人間不信とは相性が悪い」という内容に共感を覚えた。ニヒリストは、もの凄く大きな権力とか構造に対して諦めてしまい、民主主義を放棄しがちだ。

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    2024年10月07日
  • 2035年の世界地図 失われる民主主義 破裂する資本主義

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    個人的に未来予測ものには目がないです。

    特に4名中3名(エマニエルトッド、マルクスガブリエル、ジャックアタリ)が好きな方でもあり、読まない訳にはいかないと思い、手にとりました。

    正直、インタビュー形式の為、特に目新しい情報がなく、ちょっと残念なところです。

    総じて、中国は↓ インドは↑日本はリップサービスで気持ち↑ という内容でした。





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    2024年08月09日