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若手日本史学者が軽やかなタッチでものした、まったく新しいライヴ感あふれる日本通史が登場! 高校生レベルの知識だけを前提にしながらも、次々と日本史の常識がくつがえされ、「真説」が提示されます。全体を貫くキーワードは「西洋化」でも「近代化」でもなく、「中国化」と「再江戸時代化」。教科書の常識とアカデミズムの行儀よさを突き抜け、いまの社会にも役に立つ「日本史」を再構築する著者の才気が本書には横溢しています。これぞ、右も左も驚愕の「本当に新しい歴史教科書」なのです。宇野常寛氏との特別対談も収録。
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最近、お気に入りの著者の本。
「中国」といっても最近のGNP2位の共産党支配の中国でなく、宋代に完成した自由経済/能力主義のことで、日本は幾度もこの体制に近づくチャンスがありながら江戸化=統制経済/封建制を繰り返し、21世紀の今また、「中国化」に抗いつつも近づいているというフレームワークが面白い。
平清盛、足利義満、織田信長、坂本龍馬と自由経済に変革するリーダーは時代時代にいたが、いずれも志なかばに終わっている。
今も岩盤規制を打ち壊すと、時の政権は勇ましいが、実はこの国は1000年の昔から自由で優勝劣敗がはっきりする社会なんて望んでないのかもしれない。
Posted by ブクログ
またしてやられた、というのが正直な感想である。
著者の本は「知性は死なない」から読み出したが、同書のインパクトが強く、それ以前の本を手に取ることがなかったので、鬱前後で区切ったときに、鬱以前を知らなかった。
しかし、「知性は死なない」でしてやられた感覚はそれ以前のこの本でもまた思い知らさせた。
筋で見方をひっくり返す、という意図は見事に果たされ、「輿那覇史観」をこれでもかと投げつけられた。恐らく、細かな論点はいくつも挙げられるのだろうが、主な論旨を覆すほど反論できる根拠が恥ずかしながら今の私には見当たらない。
そして、最終章の最後で記されている憲法前文の扱い方は、この筋を一通り読むとまた格別の味わいである。
この本の論旨を今の政治状況と並べて見た時に10年経った今でも全く損なわれていないと感じる。
この10年間、色々な人がオリンピックというものに気が向いていただけで、ここに書かれた克服すべき課題は変わっていないのだと思う。
冒頭の鬱前後の記述で気になるのは、鬱後の方が記述に皮肉めいた部分が少なくなった、もしくは弱まったと感じるところだ。
その点については、著者の別の本を読みながらまた考えてみたい。
Posted by ブクログ
安易な最近の「中国化」という言葉につられ、つい手にした本であったが、歴史を振り返り、未来を考える意味において必読。
著者曰く、世界で最初に「近世」に入った地域は宋朝の中国だそうだ。(東洋史家の内藤湖南も宋代以降を近世)
宋に於いては、貴族制度を全廃し、皇帝独裁政治を始めるが、経済、社会を自由化。
科挙、殿試、郡県制、青苗法、朱子学。
火薬、羅針盤、活版印刷。
宋で導入された社会の仕組みが、実は全世界でも現在まで続いている。
日本は唐までは中国から学んでいたのに、何故にそこからは学べなかったのか?何故グローバル化できない?
日本史をこの観点から現代まで語っている本。小泉政権まで語ってくれているので後半も楽しめた。
始まりは、西日本に中国宋商人が出没し平清盛が中国宋システムを導入しようとするが、これに対し関東坂東武士の源氏は現在利権を主張反対。
中華文明と日本文明の衝突。
メモ
欧州において、人権概念の基礎は、中世貴族の既得権益から始まる。下位身分のものと分けあっていくプロセスで生まれた。
現在中国について、宋朝の時代に特権貴族なんかなくなっているわけであるから、人権の概念は薄く市民革命なんて起きるわけがない。
日本人の好む陽明学について...動機だけみて結果を考えない。妥協知らず突き進む。正は正とする。(廃仏毀釈、靖国史観、征韓論)
戦後の絶対非武装主義は戦中の1億玉砕思想の裏返しともなる。
中国→文官優位の社会。
よい鉄は釘にならぬ、よい人は兵にならぬ。
世界普遍的な道徳の体現者としてふるまう。
しかし、アメリカニズムに相当する普遍理念がない。
太平洋戦争は日中戦争とそのオマケ
漢字とコーランは最古にして最強なモジュール製品である。
「封建遺制」他人の得は自分の損と思い込む百姓根性
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今改めて読むと、まさにグローバル化の波の激しさを思い語らせる本である。
高校の日本史や世界史で暗記させられた「近世」が、もはやグローバル化が激しい今のご時世は、時代的に世界で最も「近世」のグローバル化を実現した中国の宋の時代に非常に同じものであり、そのような宋朝の時代に、個人の移動や経済的な自由・平等(ここでは機会の平等の話であって、結果の平等の話ではない)により実力主義が激しい社会状況を「中国化」と称し、世界は歴史的に「中国化」と反「中国化」(本書では「江戸化」)との抗争の歴史を歩んできたと分析する。
詳細は読めば分かるが、特に高校の世界史や日本史の知識がなくても、平易に概説しているので、どんどん読み進められるし、読んでいくうちに、歴史に関する見方が、高校の世界史や日本史で学ぶであろう内容とは全く別の視点から見ていくことになり、結果的に全体を読み終えると見方が一気に変わる。
実際に、本書を読み通すことになる「中国化」への対応の仕方をどのようにするのかが、今後のグローバル化への対応として問題になってくることは言わずもがなで、私の関心から言えば、世界史や日本史など学校での勉強内容をがっちり勉強した後で、「だから何!?」というような反論に対して、どのようなことが提供できるのかが、実は重要で、そのような提供をするための視点を考える上で、面白い内容になっている。
特に増補版に載っている特別対談も見もの。
Posted by ブクログ
面白かった。
まずはタイトルを見て「『中国化』ってどういうこと?」ってなるけど、そのあたりは冒頭で説明されていて納得。ある意味「釣り」ですね(笑)
つまり、刺激的なタイトルだけど、その実、そこにイデオロギー的な意味はなく純粋に歴史の本。
感想を一言で済ませるのは難しいんだけど、とりあえず、大きく印象に残ったことだけ。
西洋の産業革命以前、中国が圧倒的に先進国であったというのは、中高で習った世界史の一般常識的には意外ではあったものの、かなり分かりやすく説明されていたので納得感がある。現代中国に関してふにおちる点も幾つかあり、なるほど、という感じ。
法の支配や基本的人権、議会制民主主義というのは、元々は西洋で中世貴族の既得権益だったという指摘(300頁)には膝を叩いた。特に中国が基本的人権に関して疎いのはそういうことかと。なるほどって感じ。
ともかく、これまで中国に対してぼんやり感じてきたことにディテールを与えるきっかけになりそうな本でした。
もう少しちゃんとまとめなきゃなぁ。
Posted by ブクログ
昨年の小坂井敏晶『社会心理学講義』に引き続き、今年も人生観がひっくり返るような衝撃を社会科学の研究から受けることになった。輿那覇潤『中国化する日本』。
不惑を越えたというのに、これだけ揺さぶられるということを、まずは喜んでおきたい。
さて。本書の残念な点は、口が悪いこと。
タイトルもそれで損している。中身を読めば中国化とは何であって何でないかは書いてあるが、タイトルから受ける印象は「日本もこれから中国のように劣化する」とか、「中国に経済的に圧倒されその軍門に下ることになる」とか、粗雑な嫌韓反中本と変わらない。実際にはまったく違うのに。タイトルと口の悪さのせいで、本当に本書が読まれるべき人に届いていないように思えて残念。
その二つを乗り越えれば、知的刺激に充ち満ちた楽しい読書になること請け合い。本書のキーワードは、「中国化」と「江戸時代化」。歴史上の様々な出来事を、その二つのモーメントの揺れ動き押し引きという観点から見直すと、今までとまったく異なる様相を表す、という。
「中国化」というのは、今の言葉でいえば「グローバルスタンダード」「自由競争、市場主義、資本主義、小さな政府」「結果重視」「権威と権力の一致」。これが「中国化」とネーミングされているのは、宋の時代にすでに中国で実現していたから。
もう一つの「江戸時代化」は、逆に「古き良きニッポン」「護送船団方式、規制による保護、社会主義、大きな政府」「動機重視」「権威と権力の分離」。こちらが「江戸時代化」と呼ばれるのは、江戸時代に完成し頂点を極めたから。
「グローバルスタンダード」というと欧米流のやり方だと思ってしまうけど、そうではない、あれは欧米が中国化したのだ。それが近代化なのだ。
「なぜ中国は近代化に遅れ欧米列強の植民地になってしまったのか」というのは問いの立て方が間違っており、「なぜヨーロッパや日本が中国化に成功したのか」を問うべきだ。
明治維新は西欧化ではなく中国化だ。
という具合。
はじめは目を白黒させながら読んでいたが、ジャレド・ダイアモンド『銃、病原菌、鉄』を読んでもよくわからなかったモヤモヤ(の一部)が少し分かるようになった。
分からないのは、中国本国に働く揺り戻しのモーメント。日本の歴史を書いた本なのだからないものねだりではあるけれど、対比として、日本の江戸時代化の理由が「日本人は江戸時代のエートスが好きだから」では説得力に欠ける。本家の中国であっても生じる「反中国化」の理由を掘り起こして、それが日本の歴史でどう働いたのか、あるいは働かなかったのか、も書いて欲しかった。
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