與那覇潤のレビュー一覧
-
「「ボードゲームを思想にする」ために」(p3)作られたという本書。その言葉に違わず、「ボードゲームを思想にする」ための数々の試みが、書籍全体にちりばめられており、その切り口そのものが興味深い。
文化人類学者・小川さやかさんの『 ハイソサエティ』論や、歴史学者・辻田真佐憲 さんの『主計将校 』のプレイ...続きを読むPosted by ブクログ -
「目的」は遊びの大敵
という小見出しが出てくるが、この部分こそ本書の中核をなす本質だと感じた。
ボードゲームを知らない人向けの紹介レポートとして、6人の有識者による実際にボードゲームを遊んでみたレポートも収録されているものの、
その部分は付録的なものであり、挙げられているゲームも世の中に無数にあるう...続きを読むPosted by ブクログ -
「発達障害バブル」の今、この本を読んで、頭の中を整理できてよかったです。他者と違うのは当たり前。違うことを認め合い、共存するために、対話を。同意はできなくても、共感はできる。全ての人が、同じ地平で、同じく尊重される社会になるように、まずは私の心を耕せました。文学の力も信じます。Posted by ブクログ
-
研究者の著者が鬱病を患った経験を書かれています
元々賢かった人のため、本が読めなくなるほど追い詰められる病症がショックだそうでした
自身の知性に自信がお有りのようでしたので、鈍化していく脳により衝撃を受けたのでしょう
テストの結果を受けた結果を比較し、鬱がどれだけ知性にあったか説明されています
周囲...続きを読むPosted by ブクログ -
マルクスの読み方とか、すごくすとんと落ちた。波長があってしまったというか。ちょっと危ないので間をおいて読んでから感想書きます。Posted by ブクログ
-
普段日本史は読まないが面白く読めた。
グローバル化を中国化、封建遺制への回帰を江戸時代化とややしつこくリフレーズし、やや強引なまでに押し通すことで、我が国がたどってきた物語に新鮮な整理を示すとともに、これから向かう道筋の方向性に歴史的な視座を示している。
10年前の、割と時代に応じた記述も含まれ...続きを読むPosted by ブクログ -
反知性主義などの言葉にモヤモヤして、でも言葉にできずにモヤモヤしていたので読んでみた。
フラットな視点で書かれており、世の中へのモヤモヤしていた感覚がハッキリしたかもしれない。
ビジネス書の捉え方が非常に参考になった。Posted by ブクログ -
タイトルにある通り「うつ病患者の処方箋」ではなく「うつ病社会の処方箋」。人間価値を語る上でキーワードは「統合性」と語られる本書と、人間は個々が微妙に異なる出来上がりをしていても所詮部分の集合でしか見られていない上に、ほぼ全ての部分とその統合の仕方も外部的な要因(遺伝・環境・進化心理学)だけで決まって...続きを読むPosted by ブクログ
-
うつ病社会の処方箋、とあるが現代日本の問題点について精神科医とうつを経験した学者の視点から論理的な対談。マイルドヤンキーへの違和感、日本人の同調圧力など、日常感じる違和感を言葉で表現されていて、そう、そう、そういうことなんです!と共感する箇所が多かった。ぜひオススメです。Posted by ブクログ
-
またしてやられた、というのが正直な感想である。
著者の本は「知性は死なない」から読み出したが、同書のインパクトが強く、それ以前の本を手に取ることがなかったので、鬱前後で区切ったときに、鬱以前を知らなかった。
しかし、「知性は死なない」でしてやられた感覚はそれ以前のこの本でもまた思い知らさせた。
...続きを読むPosted by ブクログ -
自分が適応障害なのでタイトルに惹かれて読んでみました、、が処方箋的な内容ではなかったです。
むしろ色んなシーンで起こる心の問題が、なんで起こってしまうのか社会構造や歴史、人間の特性など色んな角度から語られて説明されている、解説書という感じでした。
1年かけた対談をまとめたものらしいのですが、お二...続きを読むPosted by ブクログ -
学んだ歴史をどう活かすのか、その本質を教えてくれる一冊。與那覇さんの文章は大変読みやすく芯がある。今読むべき本であり、今後も読み返す本となりそう。Posted by ブクログ
-
「うつ病社会の処方箋」とあるように、病気との関わり方というよりは、現代日本における、精神疾患、障害などの位置づけについて考えさせられる一冊。大変良い本です。Posted by ブクログ
-
通読一回ではまだよくわからないところも多いが、まず一番にお伝えしたいのは、その視点の新しさ。
内容は歴史の話です。日本が中国化してゆくというとても議論を呼びそうなタイトルですが、読み進めると筆者の述べることが分かります。加えてこの本の良いところは、この日本を何とかしたいという筆者の思いが感じら...続きを読むPosted by ブクログ -
ひきこもりからポストモダン、ラカンを語り、現在はオープンダイアログを実践されている斎藤環氏と歴史学者の與那覇潤氏の対談本。與那覇氏は双極性障害で入院し、その体験を書籍にもしている人。何かの雑誌で対談を続けた物を編集したものかと思ったが、いわゆる語りおろしを加筆修正したもの。両者とも指向性が似ているの...続きを読むPosted by ブクログ
-
安易な最近の「中国化」という言葉につられ、つい手にした本であったが、歴史を振り返り、未来を考える意味において必読。
著者曰く、世界で最初に「近世」に入った地域は宋朝の中国だそうだ。(東洋史家の内藤湖南も宋代以降を近世)
宋に於いては、貴族制度を全廃し、皇帝独裁政治を始めるが、経済、社会を自由化。...続きを読むPosted by ブクログ -
我々は未だに「長い江戸時代」を生きていたーー今更読みまして、大変感銘を受けました。全日本人におすすめしたい本です。(※単行本2011年文藝春秋、増補版2014年文春文庫)Posted by ブクログ
-
宗の時代に理想の世界が出来上がっていた。
しかし今の中国には、共産化により儒教を捨て、共産主義も経済の開放によって捨てた。
これで中国化の正当性が理解できる。Posted by ブクログ -
今改めて読むと、まさにグローバル化の波の激しさを思い語らせる本である。
高校の日本史や世界史で暗記させられた「近世」が、もはやグローバル化が激しい今のご時世は、時代的に世界で最も「近世」のグローバル化を実現した中国の宋の時代に非常に同じものであり、そのような宋朝の時代に、個人の移動や経済的な自由...続きを読むPosted by ブクログ -
面白かった。
まずはタイトルを見て「『中国化』ってどういうこと?」ってなるけど、そのあたりは冒頭で説明されていて納得。ある意味「釣り」ですね(笑)
つまり、刺激的なタイトルだけど、その実、そこにイデオロギー的な意味はなく純粋に歴史の本。
感想を一言で済ませるのは難しいんだけど、とりあえず、大きく印...続きを読むPosted by ブクログ