吉田秋生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一年に一回は、必ず読み返す漫画です。
そして、読むたびに胸が痛くなる漫画です。
女子には、間違いなくお勧め。
乙女心って??と思ってる思春期男子にもお勧め。「せいりだー!」などと叫んでるおバカな男子は、一生恨まれるということを学んでください(笑
連作短編の形を取った、少女漫画です。
個人的には「花紅」の杉山が一番好き。
「派手な子たち」(本人は楽しいと思ったことをやってるだけなんだけど)、と後ろ指をさされ、挙句の果てには「売春」やらダークな噂を立てられた時の、この台詞。
「マジでチャランポランをやるには このくらいでめげてはいかんのだよ」
この前向きすぎる台詞と、後姿。 -
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小学生の時、母の姉んとこへ行った時、喫茶店で出会ったのがきっかけ。あの時、あの喫茶店「もず」に、別コミがなかったら出会わなかっただろうなあ。ヒースに憧れ、ビッグ・アップルに憧れ、行ける訳もないのに、田舎の山ん中で一人過ごす事ばかりの私は、ニューヨークと西海岸のガイドブックを買って、ストリートの名前を片っ端から覚えて、いつか行くんだ、と思ってました。あれからうん十年。パスポートさえ持っていない私ですが、やっぱりまだニューヨークは憧れの街です。イーヴが西海岸に憧れたように、きっと行く事は無いまま私も人生を終えると思うのですが、ヒースの生き方は、時々馬鹿だなあ、と思うものの、年をとるごとに見方が変わ
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最高によかった。
中心人物が毎回変わっていく、一話完結型のオムニバスで、その構成がまず素晴らしい。それぞれの話しは、ゆるやかに関連を持ちつつも、独立した話しになっている。くらもちふさこの「駅から5分」ともよく似ていて、こういう構成はとても好みだ。
鎌倉を舞台にしていて、稲村ヶ崎や佐助稲荷などの名所がちらほらと登場し、花火や紫陽花やお祭りのような、季節の風物詩と共に描かれるのが、風情があっていい。
吉田秋生の描くマンガは、どれも文学性が高いものばかりだけれど、この作品は、ずば抜けて心理描写が素晴らしいと思う。ちょっとした表情の変化を見せるような場面では、特に描き方が上手い。
「将来の古典に -
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吉田秋生は、昔は、すごく絵柄の安定しない人で、絵はすごい上手なのですが、キャラクターが、キツネみたいな絵になったり、大友克洋みたいな絵になったりしていました。
でも、「BANANA FISH」の後半あたりから、すごく安定した絵を描くようになってそのあたりから、物語のおもしろさも、一段と増してきた気がします。*1
「イヴの眠り」では、有末静の娘アリサ、そして、クローン死鬼、などがでてきているのですが、同じ顔をしながらも、しっかりと描きわけができているところがスゴイですね。
しかも、アリサは、母親であるルー・メイにも、ちゃんと似ている。
おんなじ顔の描きわけをしたマンガは、わたしが知る限りあ -
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然19巻。(他に関連作数点あり)
数あるコミックの中で(否、読んだ本全部の中でといっても過言でないかもしれない)一番魂を持っていかれた作品。終わりは予測できていたにもかかわらず、喪失感で数ヶ月鬱ろいだ日々を送ってしまった。これはもう少女マンガの域を遥かに超えていて、例えばBIGコミック辺りで掲載されていてもなんら違和感が無かっただろうと思われる。ベトナム戦争が生み出した”人を廃人にする薬”を巡ってのマフィアの抗争、実験体として廃人にされた兄を持つ弟の怒り、さながらアクションシーン満載の一本の映画を見た気分にさせられる。特にラストシーンは圧巻である。