吉田秋生のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
花開く乙女心をしたためて・・・
春は終わりと始まりの季節。何かを失くし、何かを手にし、何かを想う乙女達。一度しかない青春時代の花の盛り。刹那の一幕を情緒深く綴る香しい群像劇・・・と言うと堅苦しいですが、正直そんな堅苦しさもあります(笑)だって堅苦しい上に垢抜けなくて澱んでて古臭くて晴れ晴れしない・・・誰もが学校と言う空間に対して少なからず思いませんか?
この漫画はそんな平凡な女子高の空気を切ないにおいを伴って表現し、女とは?青春とは?と問いかける傑作です。
「櫻の園」を上演する食傷気味な伝統を背負う演劇部員4人の悩みは、どこか似てたり似てなかったりする思春期特有の物ばかり。
彼氏と喧嘩する子あれば男を蔑む子、失恋する子 -
ネタバレ
10年連載して完璧な最高の漫画
連載された頃、私は小学生でしたが内容も難しいのにハマり、ずっと大好きな漫画です。
一番好きな漫画。
こんなに内容がしっかりして設定も無理がなくリアルであるのにストーリー展開が面白く、心理描写もちゃんとしてて、こんなクオリティが高い漫画は他にないと思う。
アッシュを敵対視するオーサーや月龍、愛情の裏返しで激しい怒りを持つゴルツィネ。それぞれの敵対する理由、それに至る感情も見えたり、奥深いです。
何度も泣くシーンはありますがやはり、最後の英二からの手紙で号泣しました。
人を殺したから、簡単にアッシュは普通の幸せは得れない、血なまぐさい世界で生きるしかないから、このラストなのも納得 -
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鎌倉で暮らす3人姉妹のもとに15年前に家を出ていった父の訃報が届き、葬儀のために赴いた山形で3姉妹は腹違いの妹に出会う。父と母を幼くして亡くした妹すずに、長女の幸は一緒に暮らさないか?と持ちかける。そしてすずも共に鎌倉の家で共に暮らすようになり4姉妹の生活が始まるのであった…。
鎌倉の由緒ある土地柄の中で生きていく彼女たちを、あたたかい人情や切ない感情がとりまいていく様が、深い人間味を感じさせてくれる。親がいないことは悲しいことなのだろうけど、姉妹たちだけでときには喧嘩しながらも仲良く暮らしている様子がほのぼのして癒される。今までダメな親達のために子供らしく甘えることも出来なかったすずが3人の -
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『海街ダイアリー』は、鎌倉で暮らす4人姉妹を中心に繰り広げられる人間ドラマ。
この漫画には、あらゆる年代の人が登場します。
この漫画を読んで思うのは、
「人にはそれぞれ特徴がある」ということ。
そりゃそうだろう、というツッコミは承知の上。
だけどやはり思ってしまうのです。
アイドルにいそうなかわいい顔の女子がいたり、
ある人から見たらブスと言われるような顔の子がいたり、
しっかり者のおねえさんがいたり、
大酒飲みのおねえさんがいたり。
金持ちの子で、さらにイケメンでもある男子がいたり、
ワアワアうるさくてどうしようもない関西男子がいたり、
心を表に出すのが苦手な鎌倉男子がいたり。
そ -
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ネタバレ我が家では吉田秋生については、うかつなことは書けない。読みたければ、いつでも読めるのだが、「ちょっと、それ、ページをぎゅーって開かんといてくれる。」とか言われちゃうので、読むのも、少々気を遣う。とはいいながら、映画「海街diary」を観て、ここは、どうしてもという気分で、原作の「海街diary1~8」(小学館)をトイレなんかに持ち込まずに読み終えた。
吉田秋生のマンガの特徴について、一般論というか、マンガとしてどうなのかということは、ここでは、あまり言う気はない。一つだけいえば、クローズアップの描線の鋭さ、それと、おそらくセットになっている登場人物の表情の厳しさ。その結果、傑作「バナナフィッ -
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ネタバレ1983年の漫画なのですが、当時、この漫画が「プチフラワー」「別冊少女コミック」という少女漫画に連載されていた、というのは、驚きですねえ。あっけらかんと、男の下ネタ満載なのですが、男子高校生の実態生態、ここまで赤裸々に、少女漫画で暴くかね?というくらいに、どセキララです。ある意味、ほぼ下ネタで成り立っている漫画。凄いぜ吉田秋生、1983年で、ここまで攻めていたのか。これ、今だと、逆にネタにできないんではなからろうか?感心しますね。
季邦(としくに)、深雪(みゆき)、秋男、という3人の男子高校生が主要主人公?な感じなのですが、メインは季邦、深雪の二人。秋男は、ちょっとサブ的ポジションですね。
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Posted by ブクログ
ついに完結してしまった。率直に言おう、『海街Diary』は僕にとって一生で唯一、発売日を心待ちにしていたマンガとなるだろう。
鎌倉で舞台にした4姉妹の物語は、4姉妹それぞれが自らの道を進むことでいったんの完結を迎えた。最終巻となる本巻では、本作の途中に登場する人物の思いがけない再登場も良いアクセントであり、その人物が語る「みんなそれぞれ新しい道なんだなあ」という言葉に全ては示されている。
意外だったのは本作の後日談となる「番外編 通り雨のあとに」であった。蝉時雨で始まった物語が、通り雨の後に終わりを告げるという点で、一つの円環が閉じられようとする感覚が強い。傑作『BANANA FISH』の