吉田秋生のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
当初の予定より10ヶ月遅れて500エントリ目に到達。せっせと読書メモをつけるというのは、予想以上に大変だね…。それはさておき、今回のお題は「BANANA FISH」である。1985年~1994年にかけて「別冊少女コミック」に掲載された大型連載であり、当時のアメリカ社会の矛盾をリアルに描いたストーリーと、大友克洋ばりのきめ細やかなアクションシーンにより、少女漫画というジャンルの枠を超えて幅広い人気を博した。
また、ニューヨークのギャング団のボスであり、容姿端麗・頭脳明晰な主人公(アッシュ・リンクス)が、強大なマフィアや国家権力との孤独な戦いを強いられる中で、いつも隣にいる純粋無垢な日本人(奥村英 -
Posted by ブクログ
ネタバレ永遠の名作!中学の頃に読んで泣いた。絵柄が一巻と全然違うなあ…(笑)
最初はBLチックなのかと思ってたけど、英二とアッシュの関係はそんなものじゃ括れない。
美しく強いアッシュは欲され、羨ましがられるけれど、周りが思っている程幸せじゃない。
寧ろ彼は搾取されるばかりで誰も何も与えてはくれなくて、荒んだアッシュにとって、何を求める訳でもなく寄りそう英二は新鮮で待ち望んでいた存在なんだろうなあ。
ラストは衝撃的だったけど、ああでなければ終われなかったとも思う。
アナザーストーリーの光の庭を読んで本当の完結。
漫画なんて娯楽だと言わせてくれない一作だと思う。 -
Posted by ブクログ
少年愛が少女漫画の主要なテーマのひとつだった時代というのがあって、私の世代なら誰でもセルジュ派とジルベール派に分かれて対立抗争を繰り広げた経験があるはずなのだが(嘘です)、それから10余年を経た1990年代後半の吉田秋生はずっと自然な筆致で少年同士、少女同士、そして少年と少女の愛の行方を描いている。
舞台もフランスの寄宿学校ではなく湘南のありふれた県立(たぶん)高校で、埃っぽい制服の高校生たちがむしろ淡々と日常を紡いでいく。こんなドラマはなかったけれど、やはり自分も埃っぽい県立高校生だったころを思い出す。
南が海に面した湘南の空は明るい。余白の多い吉田秋生の画風が、あの空の下に溢れる光を見