翔田寛のレビュー一覧

  • 時効犯

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    翔田寛『時効犯』角川文庫。

    時効となった25年前の強盗殺人事件と大学の非常勤講師の転落死とをつなぐ謎に満ちた美術ミステリー小説。

    最後に全ての真相が明らかにされ、真犯人の正体と犯行動機にも納得のいく結末だった。

    『冤罪犯』『黙秘犯』に続く、三部作のシリーズということか。

    大学で美術史を教える女性非常勤講師の溝田真輝子が自宅マンションから不審な転落死を遂げ、船橋署の香山刑事らが事件の捜査にあたる。

    墜落死した溝田真輝子は大物画家の門脇修太郎の未発表作品を研究しており、その門脇修太郎は25年前の強盗殺人事件で妻と共に殺害されていたことが判明する。

    時効となった25年前の強盗殺人事件と女

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    2022年06月23日
  • 油絵は謎をささやく

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    ネタバレ

    現在と過去、様々な人の絡み合い、さらに起こる事件、全てが糸の絡まりが解けるように、真っ直ぐになっていく最後の章は圧巻。

    隧道が作られる前の光景も、鮮やかに甦るように想像でき、登場人物の心情も細やかに描かれ、良い本を読めて良かった…

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    2022年06月23日
  • 誘拐児

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    戦後の日本を起点にした話。

    当時の壮絶な生活情勢を鑑みると、犯罪だが、単なる犯罪とは割り切れない事情も挟み込まれている。

    今ののほほんとした日本からは想像が難しい心情から生まれている行動も多くあった。

    サスペンスなのに、最後は男女ペア同士のまさかの大乱闘だったのがある意味衝撃的。

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    2022年05月06日
  • 真犯人

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    著者の作品を初めて読みました。しっかりとキャラクターが描かれていると感じました。警察小説好きの私ですが今日まで存じあげませんでした。やはり、文庫にまでなる作品は良いなあと思います。

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    2021年12月14日
  • 黙秘犯

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    「冤罪犯」が面白かったので、続編も購入。
    こちらも面白かった。
    ただ懲りすぎたかな。人物相関図が必要(笑)

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    2021年11月21日
  • 黙秘犯

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    『冤罪犯』の巻末で、冒頭部分が綴られたのがこの小説。
    前作の刑事たちが登場するが、続編というわけではない。本書単独でも十分楽しめる。
    取調室での描写から、この小説は始まる。
    目撃証言、凶器に残された指紋、その凶器と被害者の致命傷の一致。これだけ揃っていながら、容疑者は黙秘を貫く。
    読者としては、小説上沈黙には理由があり、彼は犯人ではないだろうと推量しながら、ページを捲ることになる。
    過去の傷害事件、不審死、婦女暴行事件、一見繋がりがないかと思えるこれらの事象が、刑事たちの地道な捜査活動により、ひとつの真実へと集約される。
    著者は、自分の幸せを拒否する一人の男の生き様を、容姿に恵まれ豊かな生活を

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    2021年10月31日
  • 真犯人

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    再読。初めて読んだのはけっこう前だったが、結末が印象的だったのかよく覚えていた。再捜査、再々捜査に携わる刑事たちのひたむきさみたいなものが感じられて好きな作品だ。

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    2021年10月02日
  • 黙秘犯

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    翔田寛『黙秘犯』角川文庫。

    ざっくり言えば、無関係に見えた3つの事件が一つにつながり、最後にその真相が明らかになるというストーリーの警察小説である。しかし、同一管内で起きた複数の事件捜査がこんなに杜撰であることがあり得るのかと疑問を感じた。プロットは面白いが、細部の書き込みが粗過ぎるように思った。

    夜の住宅街で起きた大学生撲殺事件。凶器のワインボトルから見付かった指紋と目撃証言から犯人は民宿の板前・倉田忠彦と目され、逮捕するも頑なに黙秘を貫く。警察が事件を捜査する中、事故死と見られた民宿の息子の溺死事件と付近で発生した連続婦女暴行事件との関連が判明する。

    何故、倉田は黙秘を貫くのか……

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    2021年08月28日
  • 影踏み鬼 <新装版>

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    江戸末期、市井のありきたりの人々が、ただ身の丈の生活をすることがどれだけ大変であったのか思い知る。そんな中でも人は捨て身の恋に身を焦がし、金や恨みのために人間であることをやめ…。ホラーと言っても差し支えないほどの人間の心の痛々しさをうっかり自分の中に取り込んでしまったら最後、暗闇や匂いまで感じながら、キリキリと締め上げられる苦痛に耐えて読み進めるしかない。こんなにがっちりつかまれるのに、ラストには翻弄され、これが紛れもないミステリであることを思い知る。そんな短編が5つ。選べないほどどれも良かった。大満足。

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    2020年10月22日
  • 冤罪犯

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    幼女の遺体が休耕地で発見される。
    船橋署の香山・三宅・増岡など、刑事達の捜査は続くが、容疑者は見えて来ない。
    やがて、7年前の連続幼女誘拐殺人事件との関連が出て来る。

    田宮事件と言われたその事件では、容疑者の田宮龍司が逮捕され、二審後、拘置所内で自殺した。

    果たして、今回の事件は、田宮の模倣犯なのか、それとも田宮は冤罪で、真犯人が別にいるのか?

    過去と現在が交錯する複雑な事件。
    警察上層部は、田宮事件との関連を否定し、捜査を中止しろと言う。なぜか?

    やがて、現れる真実の謎、そこには、誰も想像できない闇があった...
    最後に、『黙秘犯』の冒頭付きで、お得です。

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    2020年08月30日
  • 真犯人

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     読ませる。特別捜査班の部分は。
     どうしても、事件の真相の究明は、こんな風になってしまうんだろう。

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    2020年05月12日
  • 真犯人

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    事件発生時、事件発生から14年後、41年後の三つの時間を描く。
    本編は14年前の捜査に多くを割いている。
    新たな証拠が上がるから操作が進展するのではなく、新たな視点から事件を眺めることによって、事件の新たな筋を見つけていくという事件にも、操作陣にも照明を当てた物語。
    操作陣に設けられたのは悲しい最後、事件の結末は悲しいものだが、たくさんの謎を一つ一つ丁寧に解いていく様子を緻密に描写していく文章をたどっていくと、やっと本当の真犯人、結末にたどり着いたというため息が出る。
    達成感というのとも、感動というのも違う、のめり込んでいるが客観的に見ている気がして、ちゃんと終わったことを見届けたという感じが

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    2020年05月11日
  • 真犯人

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    一つの誘拐殺人事件を2回取り上げ、そして3回目に解決するストーリーはなかなか面白かった。
    犯人像はある程度早期に予想されたが、その解決までのストーリーは、満足できる内容だった。

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    2020年03月31日
  • 冤罪犯

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    捜査する刑事の視点が次々と変わり、誰が主人公なのか、戸惑ってしまうが、刑事たちの群像劇として読めばよいのだろう。
    7年前の事件と類似した幼女誘拐殺人事件が発生し、所轄の刑事たちが捜査に当たる。
    7年前の犯人は拘置所内で自殺している。彼は冤罪だったのか?それとも模倣犯が起こした事件なのか?
    読者の興趣も最後まで削がれることはない。
    誘拐ミステリーではあるが、作家の巧緻を身代金の受渡に注がれる作品とは、一味違うミステリー。
    巻末に、シリーズ第2弾の冒頭部分が掲載されているのは、意表を突いた名企画(営業戦略?笑)。
    ファンの読書欲が掻き立てられるのは間違いない(笑)

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    2020年01月10日
  • 冤罪犯

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    始めて読む作家さんの小説なので、最初少し文章が読みづらく感じた。
    だが内容が面白く、引き込まれて読んだ。

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    2019年12月22日
  • 左遷捜査 : 3 三つの殺人

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    翔田寛『左遷捜査3 三つの殺人』双葉文庫。

    書き下ろし警察小説。シリーズ第3弾にして最終巻。少し出来過ぎのような気もするが、まさに完結編と呼ぶに相応しいスッキリした結末だった。

    次期組長と目される受刑者が護送車から逃走する。受刑者を追う棟方国雄と目崎敦史は、それぞれの息子、父親の無念を晴らすために逸脱捜査を行う。

    本体価格650円
    ★★★★

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    2019年12月07日
  • 左遷捜査 : 2 迷宮入り事件

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    荒川に浮かぶ男性の死体が発見された。警視庁捜査一課のベテラン刑事・棟方は遺体が示す事実を丹念に拾い、若手刑事の目崎は、相棒としての務めを果たそうと食らいつく。二人の“補欠捜査”が平成の未解決事件の真実を暴く!

    「自分の頭で考えろ」棟方に鍛えられた目崎の成長が垣間見えて、このコンビもいい感じになってきた。本シリーズの根幹となっている目崎の父親の死の真相をめぐる続編がありそうで、間違いなく読むことになるだろう。
    (B)

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    2019年09月15日
  • 真犯人

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    ネタバレ

    誘拐殺人事件の新聞記事に導入され、場面は現代へ移る。2人の刑事に事件の一報が入り、急行した現場では1人の高齢男性の刺殺体が。取調を進める中でかつての事件の遺族であった事がわかり、風化しつつあった事件との関連が紐解かれていき、錯綜する思惑の中時効を迎えた事件の最後の一手を打つ事となった。
    娘が結果的に事件の真相を掴んだ事で、遅かれ早かれ真実は明かされていたと思うとやや肩透かしを食らった気はする。また、どんでん返しを期待していると少し物足りないかもしれない。
    無謀に思われた捜査の中でもう一歩の所まで辿り着いた刑事達への手向けとなった第6章には心震えた。

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    2019年09月15日
  • 左遷捜査 : 2 迷宮入り事件

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    ネタバレ

    地味だけどコツコツと捜査を積み上げていくのが警察小説の基本。変化球だらけの中にあって、このシリーズは直球。
    バディものとしても、有能だけど偏屈な年配の刑事と、叔父さんが上層部有力者であるが故に刑事への抜擢も本人の実力と意欲にもかかわらずどうしても色眼鏡で見られてしまう若手というある意味手垢の付いたコンビ設定も、最近はこういうストレートなやつなかったよな的に好ましく、前作に続き満足。
    予告編付きなので、次作もこのコンビが読めるのが決定しているのも嬉しい。

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    2019年08月29日
  • 左遷捜査 法の壁

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    ネタバレ

    評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    「そんなことは自分の頭で考えろ!」警視庁捜査一課に配属された26歳の目崎敦史は指導係のベテラン刑事・棟方国雄からどやされてばかりいる。「辞めさせデカ」の異名をとる棟方の厳しさに反発も覚える目崎。しかも棟方は独断専行タイプで、課内では冷遇状態である。―石神井公園の殺人現場に二人は急行する。被害者は少年時代に強姦殺人を犯した人間だった。違和感をすくい、足を使った捜査で掴みとった衝撃の真実とは!?徐々に連係を強める昭和と平成の“年の差バディ”シリーズ、心揺さぶる第一弾!

    シリーズものと言う事で期待込めて4.
    全員が心に闇を抱えすぎで、これで冷静に捜査

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    2019年07月29日