翔田寛のレビュー一覧

  • 冤罪犯

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    翔田寛『冤罪犯』角川文庫。

    幼女誘拐殺人事件を描いた警察小説。同名の単行本を加筆修正、文庫化。シリーズ化されるようだ。巻末にシリーズ次作の『黙秘犯』の冒頭試し読みを収録。タイトル通りなら冤罪なのだろうが、読み進むうちに模倣犯の線も見えてくる。果たして、真相は……

    捻りに捻ったことで、不自然さを感じる事件の真相が少しマイナスのポイントだろうか。執念の捜査を続ける香山亮介、三宅義邦、増岡美佐、香山と衝突する入江正義の警察の面々の人物造形は非常に良い。

    千葉県の休耕地で発見されたブルーシートをかけられて半裸で遺棄された幼女の絞殺死体。死体の遺棄状況は7年前に犯人逮捕で解決した田宮事件に酷似して

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    2019年07月27日
  • 真犯人

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    平成二十七年八月、東名高速道路の裾野バス停付近で、男性の他殺死体が発見された。裾野警察署の日下悟警部補は、被害者・須藤勲の長男・尾畑守が昭和四十九年に誘拐されていたことを知る。犯人は身代金受け渡し現場に現れず、守は遺体となり東京都大田区の多摩川で発見された。未解決となったこの事件については、時効直前の昭和六十三年に再捜査が行われていた。日下は、再捜査の陣頭指揮を執った重藤成一郎元警視に協力を願い出る。四十一年の時を超え、静岡県警の矜持を賭けた三度目の誘拐捜査が始まった。

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    2019年05月23日
  • 誘拐児

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    「真犯人」に続いて、江戸川乱歩賞を受賞したという本作を読んでみました
    こちらも読み応えがあります

    自分の過去に疑問を持つ青年と、その恋人、二組の刑事とそれぞれの視点から事件の真相に迫っていきます
    さらに過去に捜査に当たった人々が出てくるところは、「真犯人」に似た設定です

    時代設定が戦後まもなくで、当時らしい捜査で進みます
    登場人物が多く、主人公が誰なのかはっきりしない作品(群像劇ではない)ですが、よく練られて構成だと感じました

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    2019年04月06日
  • 左遷捜査 法の壁

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    捜査一課に配属された目崎の指導係は、「辞めさせデカ」の異名をとるベテラン刑事・棟方。石神井公園で起きた殺人事件の被害者は、少年時代に強姦殺人を犯した人間だった。2人が足を使った捜査で摑み取った真実とは!?

    オチがイマイチと感じなくもなかったけれど、話が次々と展開して最後まで惹きつける力はさすが。このベテラン刑事と若手刑事のコンビはなかなか味がある。続編もあるのかもしれない。
    (B)

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    2019年03月31日
  • 誘拐児

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    昭和21年、戦後の混乱した日本で起こった誘拐事件と、その時効目前の15年後に起こった家政婦殺人事件。

    「おまえは、ほんとうの息子じゃないよ。私が誘拐......。」この言葉を最後に息を引き取った母親。
    いったい自分は誰なのか?この謎を追う息子・良雄。
    一方、家政婦殺人事件を追う刑事たち。この事件と15年前の誘拐事件が繋がりを見せ始め・・・。

    プロットは興味をそそるんだよなぁ。いかにも重厚なミステリーって感じだし。プロローグなんかも闇市の混沌とした様子を上手く描いていて迫力がある。八月という真夏の季節感もこちらにまで暑さが伝わってくるような書き方。
    こりゃ、傑作かも!?って思って読み進めたん

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    2016年06月22日
  • 逃亡戦犯

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    敗戦直前から敗戦までの日本を舞台に描かれるアメリカ人として生きた日系二世と日本に帰化した日系二世の立場の違いと思想が祖国と血脈について深く考えさせられた。

    8月15日の敗戦直前の大江山捕虜収容所から逃走した日系二世の通訳・木島を日系二世のGHQ先兵のマイク・ミヤタケが刑事の城戸と共に追跡するが…

    『祖国なき忠誠』の改題。

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    2015年06月11日
  • 誘拐児

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    終戦後の誘拐をめぐる話。
    最後はこじつけ感が強いし、しりつぼみ。
    脅迫の根拠も弱いしな
    でも、ストーリーとしては面白かったかな。

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    2014年12月20日
  • 誘拐児

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    戦後の混乱に乗じた巧妙なトリックと人の弱さを描いた作品。ただ、最後はハッピーエンドで終わってくれるので、読み味スッキリ♪

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    2014年08月30日
  • 誘拐児

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    ネタバレ

    ひさしぶりにミステリを読んだ気がします。
    2008年乱歩受賞作。
    乱歩賞ってほんとハズレがないですね。

    戦争末期の誘拐事件がからむ昭和30年代の殺人事件という設定がいい。
    登場人物が少し多いけど(刑事さんは1組でもよかったかな)、それぞれの個性が出てるので覚えやすかったです。
    いろいろな角度からいろいろな人がそれぞれの目的でアプローチして、それが過去にあった一つの事件に集約され、その真相にたどり着く。
    なんていうか、ミステリの醍醐味を味わせてくれる作品です。
    物語中の伏線もきっちり回収してるし。

    最後がちょい説明調(2時間ドラマの最後の10分みたいw)なのと、ちょっとご都合主義的は出会いも

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    2014年08月11日
  • 誘拐児

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    1014.7.7ー49
    昭和36年の殺人事件から戦後の昭和21年に起こった男児誘拐事件に遡っていく。自分が誘拐児ではないかと真相を探る青年と交際相手、事件を追う対立する2組の刑事の、主に3つの視点から展開する構成が面白い。
    第54回江戸川乱歩賞。

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    2014年07月08日
  • 誘拐児

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    第54回江戸川乱歩賞受賞作品。終戦の翌年誘拐事件が発生した。その15年後事件がまた動き出す。そして、誘拐された子供の行方が明らかになっていく。
    終戦後のドタバタ、疎開などの特殊事情の元成立した事件だが、子供の行方のんびり謎解きが、面白い

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    2013年08月12日
  • 誘拐児

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    戦後の闇市で、誘拐された5歳の男の子。
    未解決なったこの事件が、15年後起こった殺人事件と徐々につながっていく。
    読み始めはなかなか物語に入り込めなかった私。
    主人公の恋人が登場するあたりから、どんどんのめりこむことができました。
    ラストは感動的。
    こんな男くさい文体もなかなか面白かったですね。

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    2012年09月24日
  • やわら侍・竜巻誠十郎 五月雨の凶刃(小学館文庫)

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    シリーズ第一弾
    何か後々展開が期待できそうな話
    柔術という設定も主人公の人柄も何か期待できそう
    目安箱の内容に関する操作
    尾張との挌闘、背景が段々と明らかになるのか

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    2011年10月15日
  • 二人の誘拐者

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    静岡県北の廃村で、誘拐されたまま行方不明になっていた少女の白骨遺体が見つかった。10年前、静岡県警は誘拐犯に身代金1千万円を奪われ、少女は戻らず、事件は迷宮入りとなっていた。

    ある廃村で子供の泣き声がするという噂がネットで拡散し何人もの《廃村マニア》が写真や動画をUPして話題になっていた。
    2人のバイカー達が面白半分で訪れると崩れかけた家の押入れから白骨遺体をみつけるのだが…

    10年前の誘拐は身代金も奪われたあげく少女は帰って来ないまま未解決。
    静岡県警誘拐未解決多すぎでしょ!
    ってとこは日下警部補の誘拐シリーズだから仕方ない笑

    前作よりは動機やらと臓器移植が絡んで読み応えがありました。

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    2025年08月02日
  • やわら侍・竜巻誠十郎 五月雨の凶刃(小学館文庫)

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    目安箱で取り上げられなかった訴状の中から、看過できない事案を秘密裏に調査するやわら侍のシリーズ第一弾。
    今回は大店の番頭不審死の謎を解く。江戸川乱歩賞作家だけあって、店に出る幽霊の正体などミステリ的ところもあるが、王道の時代小説という感じ。主人公が闇討ちされた謎は残っているので、今後徐々に明らかになると思われる。

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    2025年07月17日
  • 真犯人

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    時効を迎えた誘拐事件の真相に気がついた人物が殺害された。犯人は誰なのか?アルバムの写真に事件解決のヒントが。

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    2025年07月13日
  • 人さらい

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    ネタバレ

    最後のどんでん返しが新たな事が出てきすぎて、ちょっと腑に落ちなかった。でも刑事ものとしては面白かった

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    2025年06月06日
  • 二人の誘拐者

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    ネタバレ

    誘拐がどういう事件なのか、誘拐の真相とは?と興味深く読み進めたが、最後、真相がわかった時、後味が悪かった。
    自分の手は汚さず、金で12歳の病気を抱えた子どもを誘拐させ、自分に優位になるように、自分の欲のため、ことを進める。
    でも玉村のような人間に犯罪を頼んだところで、弱みを握られ、その後も金をゆすられるに決まっているのに…。
    病気を抱え、それでも生きるために移植を待ち望み、それなのに誘拐され、安否がわからない状態のときに、その待ち望んでいた移植の連絡が入る。だがそのとき、その子はおらず、生死もわからず、何年も時間だけが過ぎていく…。
    親の気持ちを思うと、なんともやりきれない後味の悪さが残った。

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    2025年05月17日
  • 人さらい

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    誘拐もの。ミスリードがちょっと露骨かなぁ。歯医者や借金については裏がなくそのままで拍子抜け。あとOB登場の必要性に疑問。シリーズ、ドラマ化想定?

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    2025年05月16日
  • 黙秘犯

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    船橋署刑事課・香山亮介シリーズ第2弾。
    大学生殺人事件が起こり、
    目撃証言や指紋から前科のある板前が逮捕される。
    逮捕後黙秘を続ける中真相に迫るミステリー。

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    2025年05月16日