翔田寛のレビュー一覧

  • 左遷捜査 : 3 三つの殺人

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    シリーズ第三弾にして、完結編。
    慟哭のラストに、衝撃を受けます。

    なぜ、棟方警部補の息子は死んだのか?
    なぜ、目崎巡査部長の父は死んだのか?
    なぜ、目崎巡査部長は、警視庁捜査一課に異動し、棟方警部補の下に付いたのか?
    全ての疑問が、明らかとなる最終章です。

    最後、関係者が集まる病院で、棟方警部補と仁川組との一戦は、ハラハラドキドキものです。

    エピローグで、目崎巡査部長と、伯父である警察庁次長の目崎 健三が、2人で歩く姿に、涙が止まりません。

    『棟方さん、自分はこれからどういう刑事になればいいんですか?』
    『そんな事は、自分の頭で考えろ!』
    いつもの声が、聞こえた気がした...

    目崎巡

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    2021年10月18日
  • 左遷捜査 : 2 迷宮入り事件

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    シリーズ、第二弾。
    『昭和と平成』年の差バディの活躍を描く警察ミステリー。

    早朝の荒川で、男性の遺体が発見される。
    特殊清掃の会社社長で、拳銃の跡が見つかる。

    棟方警部補は、事実を丹念に拾い、少しの違和感も納得せず、足で一歩一歩真実に近づく。そして、新人の目崎は、必死に棟方警部補に食らい付く。

    やがて見えて来たのは、平成の世に残された重大な未解決事件との繋がりであった。

    そして、最後の一行、吉川警部補の一言が、嵐の予感を感じさます。
    『お前さんの父親の事件について、新たな証拠が見つかった...』
    いよいよ、第3巻が期待されます。

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    2021年10月18日
  • 左遷捜査 法の壁

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    所轄から警視庁捜査一課に配属となった新人・目崎 敦史。
    その指導係となったのが、ベテランの棟方 国男。

    棟方警部補は、上司の指示も守らず、課内では冷遇状態で、かつての部下が辞めるなど『辞めさせデカ』の異名を持つ変わり者。

    事ごとに『そんな事は自分の頭で考えろ!』と突き放す。

    ある日、石神井公園で遺体が発見された。
    その被害者は、少年時代に、強姦殺人を犯した悪であった...

    誰も気付かない違和感を、丹念に掴み取った真実のその先に待っていたのは?

    『昭和と平成』年の差バディ、2人が明かす本当の真実とは?

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    2021年10月18日
  • 真犯人

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    とある殺人事件が、41年前の誘拐殺人事件の関係者
    だったことから誘拐殺人事件についてもふたたび
    捜査されることに。
    誘拐殺人事件については時効前に再捜査がされていた
    その内容が半分以上となっている
    再捜査の流れと結末、そしてそれに絡む殺人事件の行方

    とても楽しめました

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    2019年08月05日
  • 左遷捜査 : 2 迷宮入り事件

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    翔田寛『左遷捜査 2 迷宮入り事件』双葉文庫。

    シリーズ第2弾。前作は非常に面白かったので、期待は大きい。

    結論から言えば、前作に負けず劣らず本作も非常に面白かった。大当りだ。一つの殺人事件をきっかけに過去の事件と事件関係者の過去が連鎖的に次々明らかになっていくプロットは読み手を全く飽きさせない。また、主人公の二人の刑事、棟方と目崎の人物造型が見事だ。読み進むにつれ、偏屈者と思われたベテラン刑事の棟方が良い味を出し、若手刑事の目崎の成長していく姿が上手く描かれている。

    特殊清掃を請け負う会社の社長の射殺死体が、早朝の荒川で発見される。忌まわしき過去を持つ二人の刑事、ベテランの棟方国雄と若

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    2019年05月23日
  • 真犯人

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    『誘拐児』に続いて翔田作品、2作目。
    少年は、まだ、冷たい川底にいる...

    昭和49年8月、誘拐された男児の遺体が発見される。
    時効を1年後に迎えた昭和63年7月、静岡県警は、特別捜査班を編成し、再捜査を開始する。
    そして、平成27年8月、男児の父親が遺体で発見される。

    複雑に絡む3つの時間軸のいたるところに、伏線が...
    二度の敗北を喫した静岡県警は、三度目の捜査で、『真犯人』を探し出すことが出来るのか?

    二転三転するストーリーに、ハラハラドキドキの連続です。また、関係者の『業』に、辛くなりますね。

    しかし、40年をかけた多くの刑事たちの想いが叶い、最後に本当の真実に行き当たる場面は

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    2018年12月26日
  • 誘拐児

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    終戦の翌年、昭和21年の夏、ひとつの誘拐事件が発生した。狙われたのは、実業家の長男で、まだ5才の子供。
    しかし、警察の失態により、身代金は奪われ、犯人は取り逃がし、更に、子供は帰って来なかった...

    それから、十数年が経ち、ひとりの女性の殺人事件が発生した。捜査を続けたところ、十数年前の幼児誘拐事件とのリンクが出て来た。
    果たして、殺人事件の犯人は、誘拐犯の人間と同じ人物なのか?

    母親の最後の言葉『お前は、本当の息子では...』に苦しむ青年とその恋人、反目する2つのグループの刑事達。
    最初、バラバラであった3つの糸が不思議に絡み、やがて、ひとつの真実に行き着く。

    各所に伏線があり、二転三

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    2018年12月14日
  • 左遷捜査 法の壁

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    翔田寛『左遷捜査 法の壁』双葉文庫。

    少年法の壁と殺人事件、それを捜査する秘めた過去を持つ凸凹コンビの刑事の活躍を描いた書き下ろし作品。薬丸岳の初期の傑作のような雰囲気もあり、なかなか読み応えのある作品だった。続編があるに違いない。

    警視庁捜査一課に配属された26歳の目崎敦史と、一癖あるベテラン刑事の棟方国雄が指導係としてコンビを組むことになった。折しも、石神井公園で殺人事件が発生し、二人が臨場する……

    予想を覆す展開と二人の刑事の過去が……

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    2018年11月28日
  • 誘拐児

    購入済み

    運命を感じた!

    未解決事件が、からまった糸が、少しずつほどけて行くように、謎が解けていくのが、気持ち良かったー次は、真犯人ですねー

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    2018年08月28日
  • 誘拐児

    Posted by 読むコレ

    戦後の混乱期の様子が細かく描かれている。三方からの追跡が、最後に一点につながる。横溝正史を思わせる。母の愛には、脱帽。

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    2012年12月15日
  • 誘拐児

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    終戦直後の昭和21年、ある資産家の息子が誘拐された。
    現金の受け渡しは人がひしめく闇市。犯人は警察の十重二十重の監視を潜り抜け事件は迷宮入り。
    そして15年後の殺人事件をきっかけにまたその誘拐事件が動き出す。

    登場人物が自分の足で手がかりを少しずつ見つけていき、その結果過去の事件と現在の事件がひとつの線でつながるっていう、自分が好きなタイプの作品。
    現代を生きる自分達には経験できないことだけど終戦直後の生きていくだけで精一杯って時代背景をもっと書いていればもっとよかったかな。
    最後のシーンもハラハラした。

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    2012年10月09日
  • 黙秘犯

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    ネタバレ

    「せめて殺人犯になることで、一切見返りを求めずに、ただ一途に愛した女性に、心の底から詫びるために」

    最後のこの1文、痺れました。

    刑事系にしては、役職の解説、わかりやすいワードのチョイスなど読みやすさが散らばった作品でした。

    犯罪者として逮捕された倉田。
    生きながら自分を罰し続ける倉田という男の人生、そして苦しさをじっくりと紐解いていく
    そんなお話でした。

    内容に重さはありつつも、場面転換なども分かりやすく、かなりサクサク読める作品でした。

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    2025年10月12日
  • 真犯人

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    ほんの僅かな達成感、虚しさ、やるせなさが読後感として残った。

    作品を通して常時どこかに苦しさがあり、警察という組織の中で働く彼らの、探偵とは違う責任、上下関係など警察小説ならではの味があった。

    読後に振り返ると、警察小説となる本を読んだのはこれが初めてだったことに気がついた。探偵ものとはまたひと味違うこの雰囲気は、私好みかもしれない。
    責任の苦しさは共感を呼び、それが人を選ぶ要素でハマるきっかけだと感じた。

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    2025年09月11日
  • 人さらい

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    このシリーズとても好きです
    読みやすいし変なエモさもないし、物語が淡々と描かれるので映画を見ているような気持ちになります
    起承転結もきちんとしているし物語の軸がぶれることもありません
    登場人物の背景も丁寧に描かれています
    そのため犯人に同情しがちです…
    誘拐殺人は絶対悪ですが、犯人がなぜ復讐したくなったのかを考えるとすごく切ないです…

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    静岡県警浜松中央署の日下悟警部補のもとに、少女誘拐事件発生の一報が入った。身代金の要求額は一億円。運搬役には母親が指名された。静岡県警は総力を挙げて解決に乗り出すが、混雑する《浜松まつり》会場や何台も

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    2025年09月09日
  • 二人の誘拐者

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    以前読んだ「真犯人」が良かったので他の作品も読んでみたくなり手に取りました。
    なんと「真犯人」と同シリーズだったんですね!
    知らずに3巻を先に読んでしまいました笑
    本作も淡々と物語が進んでいき、派手な演出もエモさもないまま事象だけが紡がれていきます。
    それが本当に心地よくて読み応えがあります。
    犯人の背景が今回も切なくて涙が出ます…私だったらどうしたのかなぁ…私も復讐したくなるかもしれません。
    私もドナー登録しようという気持ちになりました。
    私が死んだら私の臓器を必要としている人の手に渡って欲しいです。

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    ミステリ界の気鋭による至高の

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    2025年09月05日
  • 真犯人

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    41年前に起きた幼児誘拐事件の身代金の指定した場所で事件の関係者が殺害される、というシーンから始まるやつ。
    設定も見事だし、収支緊張感もあって面白かった。

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    2025年08月14日
  • 二人の誘拐者

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    2025.08.07
    著書の作品は刑事たちの人間くさい情熱と悩みと、そして刑事という仕事への言葉を超えた情熱を丹念に描くところに強みがある。

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    2025年08月07日
  • 人さらい

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    少女誘拐事件が発生。身代金は一億円、受渡しは母親が指定された。しかし受渡しは最悪の結果に。
    犯人は銀行員の父親絡みの怨恨と思われたが…
    犯人の正体と目的は「何の気なしに読んだここが繋がってるとは!」と驚愕。オススメです。

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    2025年05月25日
  • 真犯人

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    2015年、高速道路のバス停で男が刺されているのが発見された。その男は昭和49年(1974年)の未解決誘拐事件の被害者の父親だった。捜査は41年前の事件に自ずと接触し、誘拐事件の時効直前、昭和63年(1988)に立ち上げられた、誘拐事件の特別捜査班にたどり着く。接触した当時の管理官から、操作の顛末を聞かされる…。

    3つの時代の出来事を説明するという話ではあるが、基本的に昭和49年(1974)の話…ややこしいので西暦に統一、はほぼ伝聞のみ。ややこしいのが大半のメインとなる1988年の部分で、3つの捜査班がバラバラに動いているところに、2015年の捜査班が混ざってきて、正直なところ辰川以外の名前

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    2025年05月20日
  • 人さらい

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    2025.05.07
    刑事たちの心象描写がイキイキとしていると感じる一冊。
    救いのない犯罪に対して必死に取り組む刑事さんたちの熱気が伝わった。

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    2025年05月07日