翔田寛のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
シリーズ第三弾にして、完結編。
慟哭のラストに、衝撃を受けます。
なぜ、棟方警部補の息子は死んだのか?
なぜ、目崎巡査部長の父は死んだのか?
なぜ、目崎巡査部長は、警視庁捜査一課に異動し、棟方警部補の下に付いたのか?
全ての疑問が、明らかとなる最終章です。
最後、関係者が集まる病院で、棟方警部補と仁川組との一戦は、ハラハラドキドキものです。
エピローグで、目崎巡査部長と、伯父である警察庁次長の目崎 健三が、2人で歩く姿に、涙が止まりません。
『棟方さん、自分はこれからどういう刑事になればいいんですか?』
『そんな事は、自分の頭で考えろ!』
いつもの声が、聞こえた気がした...
目崎巡査部長に、幸多かれと祈ります。 -
Posted by ブクログ
翔田寛『左遷捜査 2 迷宮入り事件』双葉文庫。
シリーズ第2弾。前作は非常に面白かったので、期待は大きい。
結論から言えば、前作に負けず劣らず本作も非常に面白かった。大当りだ。一つの殺人事件をきっかけに過去の事件と事件関係者の過去が連鎖的に次々明らかになっていくプロットは読み手を全く飽きさせない。また、主人公の二人の刑事、棟方と目崎の人物造型が見事だ。読み進むにつれ、偏屈者と思われたベテラン刑事の棟方が良い味を出し、若手刑事の目崎の成長していく姿が上手く描かれている。
特殊清掃を請け負う会社の社長の射殺死体が、早朝の荒川で発見される。忌まわしき過去を持つ二人の刑事、ベテランの棟方国雄と若手の目崎敦史のコンビが新たな事件に挑む……
棟方と目崎の忌まわしき過去はほんの触りしか明かされず、まだシリーズは続きそうだ。次はどんな事件が描かれるのだろうか。
本体価格630円
★★★★★ -
Posted by ブクログ
『誘拐児』に続いて翔田作品、2作目。
少年は、まだ、冷たい川底にいる...
昭和49年8月、誘拐された男児の遺体が発見される。
時効を1年後に迎えた昭和63年7月、静岡県警は、特別捜査班を編成し、再捜査を開始する。
そして、平成27年8月、男児の父親が遺体で発見される。
複雑に絡む3つの時間軸のいたるところに、伏線が...
二度の敗北を喫した静岡県警は、三度目の捜査で、『真犯人』を探し出すことが出来るのか?
二転三転するストーリーに、ハラハラドキドキの連続です。また、関係者の『業』に、辛くなりますね。
しかし、40年をかけた多くの刑事たちの想いが叶い、最後に本当の真実に行き当たる場面は、感動必至です。
別の翔田作品も、読みたいと思います。 -
Posted by ブクログ
終戦の翌年、昭和21年の夏、ひとつの誘拐事件が発生した。狙われたのは、実業家の長男で、まだ5才の子供。
しかし、警察の失態により、身代金は奪われ、犯人は取り逃がし、更に、子供は帰って来なかった...
それから、十数年が経ち、ひとりの女性の殺人事件が発生した。捜査を続けたところ、十数年前の幼児誘拐事件とのリンクが出て来た。
果たして、殺人事件の犯人は、誘拐犯の人間と同じ人物なのか?
母親の最後の言葉『お前は、本当の息子では...』に苦しむ青年とその恋人、反目する2つのグループの刑事達。
最初、バラバラであった3つの糸が不思議に絡み、やがて、ひとつの真実に行き着く。
各所に伏線があり、二転三転するハラハラドキドキの連続ですが、最後は納得の結末です。
生みの親か、育ての親か、いろいろ意見はありますが、やはり、親の愛は、深いものがありますね。
なお、随所にある当時の言葉『アッパッパー』、『解放国民』、『楠公飯』などなど...難しい言葉もありますが、著者は、よく調べていますね。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ終戦翌年の夏、五歳の男児が誘拐された。百萬円の身代金とともに男児の行方も不明のまま未解決事件となる。
15年後、顔を潰され惨殺された若い女性の遺体が発見される。
ある病院で母親を看取った二十歳の青年、良雄とそこに勤める年上の恋人の幸子。
死に際に母親から、お前は誘拐された子供だと打ち明けられ動揺を隠せない良雄。
戦争から戻った父親は身体を壊しすぐに亡くなった。
それからは戦後の混乱した時代の中、倒れるまで働き育て上げてくれた母親。
15年前に本当にあった誘拐事件、戦地から帰ってきた父親の戸惑う視線、母親が亡くなるまで知らなかった叔母の存在、背中に押し付けられたいくつものタバコの跡。
あの母が本当に自分を誘拐した犯人なのか、身代金を手に入れていたら何故あんなに貧しい子供時代だったのか?本当の両親は誰なのか?
恋人の幸子と母親の過去をたどってゆくうちに、最近起きた事件で殺害された被害者との繋がりが見えてきた。
時効が迫る中、誘拐事件と殺人事件を追う刑事。15年前の真相とは。
闇市が頻繁に行われていた有楽町のカストリ横丁。時代背景を想像しただけでも、生き残っていくためには善人でも悪人になったはず。
土砂降りの中、自分だけ迎えが来なく雨が弱まるのを待ってた良雄。
誰も居なくなった校庭をボロボロの雨傘をさして遅れてきた母。謝りながらブラウスのお腹の部分に冷たくなった良雄の両手をくるんで肩を抱いてくれた母。
真相に近づき、幸子と良雄に危険が及んだ時の緊張感に何度もハラハラした。
良雄の母親のしたことは許されないのだけど愛情が上回る話だった。
-
Posted by ブクログ
このシリーズとても好きです
読みやすいし変なエモさもないし、物語が淡々と描かれるので映画を見ているような気持ちになります
起承転結もきちんとしているし物語の軸がぶれることもありません
登場人物の背景も丁寧に描かれています
そのため犯人に同情しがちです…
誘拐殺人は絶対悪ですが、犯人がなぜ復讐したくなったのかを考えるとすごく切ないです…
❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀
静岡県警浜松中央署の日下悟警部補のもとに、少女誘拐事件発生の一報が入った。身代金の要求額は一億円。運搬役には母親が指名された。静岡県警は総力を挙げて解決に乗り出すが、混雑する《浜松まつり》会場や何台ものタクシーを駆使した犯人の策謀に翻弄され、事件は最悪の形で幕を閉じる。一億円は奪われ、少女は遺体で発見された。捜査本部を設置した静岡県警は、辣腕銀行員として恨みを買っていた父親の身辺、身代金を抱えて奔走した母親の証言、事件中に爆発炎上した車の残骸などから犯人特定へ肉薄するが――。乱歩賞作家が放つ、驚愕必至の誘拐ミステリ。
-
Posted by ブクログ
以前読んだ「真犯人」が良かったので他の作品も読んでみたくなり手に取りました。
なんと「真犯人」と同シリーズだったんですね!
知らずに3巻を先に読んでしまいました笑
本作も淡々と物語が進んでいき、派手な演出もエモさもないまま事象だけが紡がれていきます。
それが本当に心地よくて読み応えがあります。
犯人の背景が今回も切なくて涙が出ます…私だったらどうしたのかなぁ…私も復讐したくなるかもしれません。
私もドナー登録しようという気持ちになりました。
私が死んだら私の臓器を必要としている人の手に渡って欲しいです。
❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀
ミステリ界の気鋭による至高の警察捜査小説
静岡県北の廃村で、誘拐されたまま行方不明になっていた少女の白骨遺体が見つかった。10年前、静岡県警は誘拐犯に身代金1千万円を奪われ、少女は戻らず、事件は迷宮入りとなっていた。静岡県警静岡中央署の日下悟警部補が捜査に着手すると、当時は判明し得なかったいくつかの事実が明らかになる。腎臓に持病を抱えていた被害者の事情、誘拐事件関係者のその後、遺体が見つかった廃村の「子供の泣き声がする」という噂話。静岡県警は実直な捜査で核心に迫るが、新たな事件が起きて――