江崎道朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2022年68冊目。414ページ、累計18,541ページ。満足度★★★☆☆
旧ソ連は「コミンテルン」という世界の共産主義者ネットワークを構築し、世界「共産」革命を目指して、各国に対する工作活動を仕掛けた。つまり、スパイを送り込み、秘密裏にその国の世論に影響を与え、対象国の政治を操ろうとした。このソ連・コミンテルンの対外工作によって世界各地に「共産党」が創設され・・・。
欧米では国際政治学、外交史の一分野として、この「スパイ」「工作員」による秘密工作について論じる学問が立派に確立されている。
本書は、日本の敗戦にも深く影与えたコミンテルンの実態について、当時の文書から豊富な引用も行いながら浮き彫りにするもの
新書ながら400ページを超える分量に、正直、後半は読み飛ばしたが、特に前半は読んで損がないと言えるだろう
ただし、後半は前半に比べて少々退屈する内容なので、分量が半分でちょうど良かった。そのため、星は減点 -
Posted by ブクログ
インテリジェンスの歴史と今後日本においてそれをどう活用していけばいいかについて論じた本。タイトルと内容がかなりミスマッチ。前半部分はインテリジェンスがソ連においてどう活用されてきたかということについて論じているが、多大な人権侵害を被ったポーランドやバルト三国の話に収束していっておりインテリジェンス自体とはかなり脱線している。また副題で「新型コロナに見る日本の動向」となっているわりに、それについて論じている部分は9章のうちの1章部分のみ(20ページ分)のみに過ぎない。他方、インテリジェンスの重要性や外交・軍事・経済との関係性(例えばDIMEという言葉)についてはなるほどと思う部分はあり、日本のNSC設置についても触れているという点で一定の読む価値はあるが、必ずしもタイトルから期待できる内容ではない。
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Posted by ブクログ
ニュースの裏側を見抜くうえでのポイント
①アメリカは、同盟国を見捨てることがある。
②アメリカ(中国、韓国も)は、一枚岩ではない。
③アメリカの外交政策をめぐる「強い日本派」と
「弱い日本派」、「孤立主義」と「干渉主義」、
「アメリカ・ファースト」と「ネオコン」、この
三つの対立軸を理解する。
④日本を取り巻くアジア太平洋の危機は、ハワイの
インド太平洋軍の動向に注意。
⑤インテリジェンス、とくに中国の軍事的脅威や共
産主義に対する米軍や保守派の情報を理解する。
⑥政治にとって最も大切なのは、経済・景気。経済
政策と株価を含む景気の動向によって政権の浮沈
を判断する。
⑦アメリカは敵と味方を取り違える天才。アメリカ
から誤解されないよう、注意深くかつ粘り強くア
メリカの指導者たちに働きかけなければいけな
い。
⑧DIMEという概念を知ること。 -
Posted by ブクログ
最近、「ニュース女子」のコメンテーターとして登場しているので、彼の分析力についてある程度の予備知識があったのだが、その期待値を裏切らない良書でした。
特に、衝撃だったのは第7章「アメリカは敵と味方を取り違える天才だ」というインドネシアの軍幹部の発言を裏付ける内容・・そして間違えるだけではなく同盟国(かつての南ベトナム)を見捨てることも彼らの国益次第だという点は日米安保を金科玉条にしている日本人には耳の痛い話である。
さらに第8章「未来を読み解くDIMEという考え方」も示唆に富む、不正事件を起こした日本の会社に中国系企業が食指を伸ばしてくるのはハイテク技術を盗もうというしたたかな狙いがある(P226)など・・
米国の原理原則は「頼りにならない味方は守らない」という冷徹さを持っていること、国益は与えられるものではなく勝ち取るものである、など本書には寸鉄人を刺すような視点が数多く提供されています。
一読をお勧めします。 -
Posted by ブクログ
●:引用 →:感想
●革命を未然に防ぐためには適切な金融・経済政策をとって景気を回復させるべきなのに、なぜ政党政治を打破して「真の維新」と称するクーデターをするという形の飛躍するのか判然としない。何度も述べているように、大正時代から昭和初期にかけて貧困問題や労働問題に取り組もうとする人々が「民のための政治」を求めて政府を批判すると、非国民のレッテルを貼られて反体制派に追いやられるという流れがあった。そこに経済政策を理解していない「右翼」が政党政治を敵視し、薩長の権力独占に反発する徳川義親らが加わって、結果的に反体制派運動が強まっていったのだ。そして確かなことは、このような非常に不幸な構図を背後から煽ったのが、コミンテルンということである。
●五・一五事件と言うと、政治の腐敗に憤った少壮軍人たちが決起した事件だと一般に理解されているが、その理論は、コミンテルンの武力革命に立脚していたわけだ。
●実際に尾崎が「撤兵」の項目を削ったのかどうかは分からない。しかし、尾崎が削ったのだとしてもおかしくない状況だったと春日井氏は推論している。いずれにせよ、尾崎が戦争の長期化に大きな役割を果たしたのは、否定のしようのない事実である。むしろ、現在ではよく知られているように、1937年8月から1938年12月まで陸軍の作戦の責任部署である参謀本部の実質的な責任者であった多田駿参謀次長は、支那事変不拡大を強く訴えていた。軍部が反対したのに、コミンテルンのスパイが戦争を長期化すべく、和平工作を妨害したのだ。
●戦前の日本の政治体制がファシズムであったかどうかは議論が分かれているが、ファシズムを大政翼賛会に代表されるような「全体主義」をめざす「国家革新」運動だとみなした場合、この「国家革新」運動は一般に右翼の運動だと思われてきた。そして左翼知識人が、この「ファシズム」に抵抗したと、戦後長らく信じられてきた。だが、昭和研究会に集まった知識人たちの言動を見ると、実際には左翼知識人こそが「ファシズム」運動を担っていたことが分かる。彼らは表向きは「高度国防国家のための国家革新」という目標を掲げながら支那事変長期化から資本主義体制の打倒、そして「天皇制」の打倒を目論んでいたのだ。当時の一般庶民たちは、そんな意図が現在進行している「革新」運動に込められているとはもちろん思っていなかった。
●「右翼全体主義者」たちは、本来、帝国憲法体制の主柱たるべき「保守自由主義」を奉じる人々に対してさえ、「社会主義者」「自由主義者」などのレッテル貼りをして弾圧した。美濃部達吉の「天皇機関説」を排撃したのも、彼らである。(略)「戦前の日本は右翼に牛耳られていた」という言い方がよくあるが、この「右翼」は正確にいえば「右翼全体主義」を指しているのである。しかもその中に、コミンテルンにシンパシーを感じる「右翼全体主義者=共産主義者」や、一皮むけば真っ赤な偽装右翼も多数紛れ込んでいたから、なお状況が複雑となる。つまり、「右翼全体主義者」と「左翼全体主義者」が結びついて(というより、「右翼全体主義者」の動きに「左翼全体主義者」がつけこんで)、大政翼賛会などをつくり、大日本帝国憲法体制を破壊した。昭和初期は、議会民主主義と資本主義を敵視する社会主義に共感を覚えた「右と左の全体主義的エリート」たちによって、「保守自由主義」たるべき大日本帝国憲法体制が損なわれていった時代と見るべきだろう。
→状況証拠はあるのだが、物的証拠がない。
→コミンテルン細胞の浸透というよりも、プロパカンダの成功による自滅だったのではないか。
→従来のコミンテルン陰謀論(例えば、盧溝橋事件は中共が仕掛けた)などよりも現実的な見方がされている。
→共産党や朝日新聞に対する偏見・思い込みが気になる