【感想・ネタバレ】コミンテルンの謀略と日本の敗戦のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年07月11日

 明治末期、大正、昭和初期の経済状況やマルクス主義の台頭から日本でもエリートを中心に社会主義思想が広がり、コミンテルンの工作をとてもやりやすい環境を作っていった。この大前提を押さえておかないとこの時代は全然理解できないなと感じさせられた。
 そして右か左かではなく、「左翼全体主義者」「右翼全体主義者...続きを読む」「保守自由主義者」と3つに分類するだけでも、相当なパラダイムの変化が起こる。
 社会主義・全体主義思想が蔓延っていた時代に、十七条憲法や五箇条の御誓文の意義を正確に捉えて、保守自由主義を主張した、吉野作造・美濃部達吉・小田村寅二郎や山本勝市には敬意を表するとともに、もっと調べてみたい。

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Posted by ブクログ 2020年11月22日

目からウロコが出る内容です。コミンテルン(共産主義インターナショナル)、右翼、左翼、共産主義、社会主義、ソ連、保守自由主義、大東亜戦争。これらの繋がり、過去の事実が明確に理解できるとともに、なにより現代の政治、世界情勢が見えるようになります。
江崎先生の著書はすばらしい。

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Posted by ブクログ 2020年05月10日

めっちゃ面白かった。レーニンがコミンテルンを作った経緯とか、敗戦革命を目指す理由や、どうして日本がコミンテルンにいいように操られてしまったのかがとてもよく分かった。大切なのは保守自由主義、日本の伝統を守ることと、自分の意見が違うからといって弾圧してはいけないということ。

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Posted by ブクログ 2020年06月29日

2017年に出版ですから、今から(2020年)3年前の本となります。

帯の中西輝政さん推薦とにひかれて購入も、
その当時は特に理由はなく流し読みだったのですが、、

今まさに、この時期に読んでおきたい一冊です。

事象としては、日本が普遍的価値観を共有できている、
ないしはできそうな国々で、同時多...続きを読む発的に、、

 一方では綺麗事を唱え、一方では戦争を煽り、
 戦争を起こさせ、それを終わらぬようにする。

 金持ちへの嫉みや不信を煽り立てることで「自由」の基盤となる
 議会や自由主義経済を否定し、全体主義的な統制への道を切り拓く。

 社会を分断し、混乱させ、人々の不信感と憎悪を高める-。
 このようなコミンテルン的手法は、あまりに悪魔的といえる。

との現象が勃発しているのが見て取れるからです、不思議と、
日本国内のオールドメディアはあまり伝えてくれませんが、。

またここ最近、右も左も極点まで行くとどうしてこうも「全体主義化」するのか、と、
都知事選候補者(2020年7月投票)の方々の在り様等からも、疑問だったのですが、、

 「右翼全体主義者」と「左翼全体主義者」が結びついて、
 大政翼賛会などをつくり、大日本帝国憲法体制を破壊した

なんてことからも、戦前との類似性が出てきているのかな、と、
歴史は繰り返す、その面差しを変えて、なんて風にも感じてしまいますね。

 戦前の日本のあり方は、本来、帝国憲法体制であり、
 美濃部達吉が天皇機関説で説明していた立憲君主制であって、
 自由主義に基づく体制であった。

 だが、左右の全体主義たちによって帝国憲法そのものが骨抜きにされ、
 選挙によって示された民意を重んじる憲法習律も否定されていった

戦後、WGIPからの公職追放などで漁夫の利的に引き上げられた、
「左翼(敗戦利得者)」によって「右翼全体主義」ばかりに、

戦前日本の舵取りの誤りの責任を負わされてしまっていますが、、
戦前での「全体主義」とのくくりには「右翼も左翼」も同じ枠に入るかな、と。

そういった意味では、、

 明治天皇のもと、欧米の文化を必死で導入し、
 近代産業国家を構築しようとした明治の人々の奮闘も、

 五箇条の御誓文に基づいて自由民権運動を起こし、
 貧富の格差などを解決しようとした大正デモクラシー

との感覚と、その上での、

 左右の全体主義たちによって帝国憲法そのものが骨抜きにされ、
 選挙によって示された民意を重んじる憲法習律も否定されていった

とは、一応、大学で近代史に触れていた一人としても、肚落ちします。
そして、このような経緯を歴史として学んでいくのであれば、

 憲法改正によって取り戻すべきは「保守自由主義」であって、
 「右翼全体主義」でも「左翼全体主義」でもないと
 明確に答えることができるようになっておくべき

と思いますし、また、敵を知り己を知れば、との視座に立てば、

 報道に対する国民のリテラシーを高めることであって、
 自分が気に入らない新聞の「廃刊」を叫ぶことではない

も、その通りと思います、自分の軸がしっかりしていれば、
知識としては知っておくべきなのでしょう。

あらためて、知識に裏付けされた自分の言葉をもって、
必要に応じて表現していくことを意識したいな、と。

3年前の本ですが、先読みのごとくにいろいろと示唆に富んでいて、
過去の歴史的事実を、自分の言葉で理解することの大切さを感じました。

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Posted by ブクログ 2017年10月08日

ゾルゲ事件だけでなく、共産主義がアジアに広まった背景や現代まで続く影響について、複雑ながらも時系列に綺麗にまとめてあるのでわかりやすい。

『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』あたりで知った気になっているとイタイ人になるんじゃないのか。

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Posted by ブクログ 2017年09月23日

衝撃的な本。日本が戦争に引きずり込まれたのはコミンテルンの謀略だけではなく、内部からの自滅もあったというのは実に納得の出来る説。いまだに総括すら出来ていないのは歯痒くて仕方がない。

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Posted by ブクログ 2017年09月13日

日本の敗戦の陰にコミンテルンのスパイが跳梁跋扈していたと。
まあ今でも共産主義革命を目指すコミンテルンのDNAは残ってますからね。

沖縄を見るまでもなく平和主義を訴える人ほどなぜ暴力的なんでしょうね。
自己の思想と合致しない表現には徹底的に攻撃を加えて言論を封じる。
それはコミンテルンが共産主義革...続きを読む命のためには資本主義を暴力で滅ぼさなければならないと言っているDNAと変わらないような気がします。

コミンテルンの情報戦に「日常の宣伝と扇動」があります。
これは論点を逸らして本当に大事なものから目をそらせる役目を果たします。
今の政権与党を倒すだけが目的の報道機関がどのような行動をしているかコミンテルンの行動原理と照らし合わせるとよくわかるようです。

これは戦前の話だけではなく、いまも連綿と続く「平和主義=暴力革命」をつなぐコミンテルンという組織を知るための良本だと思います。
そういった勢力が戦前だけでなく戦後の今も日本で暗躍してるかと思うとゾッとしますね。

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Posted by ブクログ 2020年08月11日

中国との戦争を終わらせるためには蒋介石を支援している英米と戦うしかない,ソ連との対立ではなく、英米と対決すべき、と誘導した.

●リヒャルト・ゾルゲ。ソ連のスパイ。ドイツの新聞記者、尾崎を通じて工作。
●尾崎秀実(ほつみ)。ソ連のスパイ。朝日新聞の記者。近衛文麿政権の内閣嘱託として潜り込む。

●ハ...続きを読むリーホワイト:米官僚、アメリカを日本と戦わせるべくハルノートの草案作成。

※近代化による貧富の格差拡大を解決できず、国内で社会主義を盛り上げてしまい、それがソ連によるスパイ活動をやりやすくした。

※左翼全体主義:ソ連型共産主義を信奉。コミンテルン工作に呼応。
※右翼全体主義:資本主義・議会制民主主義を否定、官僚独裁。
※保守自由主義:資本主義・議会制民主主義を尊重、統制経済に反対、コミンテルンの対日工作を警戒、皇室のもとで秩序ある自由、福沢諭吉、吉野作造、佐々木惣一、美濃部達吉(天皇機関説)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年04月18日

明治維新以降の日本のテクノクラートや政治家や思想家たちが欧米の文化/思想/政治/経済に対して「早く追いつきたい…」という思考だったのは当然だったと思う。愛国心ゆえに国を憂い、みなぎる向上心が進む道の選択を見間違えた…だって当時の世界トレンドは「社会主義」「共産主義」でレーニンは名うての「アジテーター...続きを読む」だったんだから…この辺の件は、結構どころかかなり衝撃的でした。
それに共産党が標榜する「全体主義」の内容の恐ろしさにも驚きました。共産党の論理ってハチャメチャですね(笑)
しかし、小田村寅次郎のような「保守自由主義」をもって日本を守ろうとするの人物がちゃんといたことは嬉しく感じましたが、彼らが追いやられて行く様を、現代の我々はよく勉強して、同じ轍を踏まないように、負けないようにしなければなりません。昨今、インターネットのおかげで真実が国民にも簡単に手に入るようになりました。これまで知らないうちに植え付けられていた歴史や情報が如何に恣意的に操作されてきていたのか、ウソがばれ始めてきています。
我々日本人はもっと真実をしっかり知る必要があると思います。そして先人たちへの感謝を新たにし、日本人の誇りを取り戻すことが必要だと考えています。とてもいい勉強になりました。歴史的事実を列挙して解説を加えた体の本ですから、読むのは結構しんどいですけど目から鱗が落ちるような一冊です。一読の価値ありです。

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Posted by ブクログ 2018年06月10日

なぜ,日本は,およそ勝ち目のない大戦に進み,敗戦に至ったのか,その背景にコミンテルンの暗躍があったという視点から書かれています。

恥ずかしながら,コミンテルンがどのような組織であるかを初めてよく分かりました。
そして,第二次世界大戦時の日本の政治状況というのが,これまで知っていた程単純ではなかった...続きを読むこと,あの時代に,コミンテルンの影響と戦おうとしていた人々がいたことなど,この本で知ったことは数多くあります。

今の政治状況にも思い当たることもあり,読みごたえのある骨太な本ですが,一読して損はありません。

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Posted by ブクログ 2022年03月13日

いろいろ知らない事実があった。
コミンテルンという旧ソ連発のスパイが、各国の内部に深く入り込み、分断を仕掛けている事実。
第二次世界大戦は、彼らの工作に日本も欧米ものせられてしまった結果だと。
その工作は今も続いているとあり、各国のコロナ対策による人権侵害や、ウクライナとロシアの戦いによる新たな冷戦...続きを読む突入は、全てこの共産主義インターナショナル(コミンテルン)の策略なのかと肝が冷える。

日本はどう立ち回れば良いのか。

本文の中で右派も保守自由主義と右翼全体主義とに分かれている、と指摘されているが、今の国のコロナ対応を見ていると、全体主義が優勢にも感じる。

自由主義であり国の権力を厳しく監視する現憲法を護るにも、国防の話にすり替えられ、改憲派が優勢にも見える。
真に国益を護る政治家がいてくれるかだが、国民ももメディアに煽りに感情的にならず、冷静に判断していかないとと思わされた。

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購入済み

だんだん真相に近づいている!?

2020年08月02日

ファティマの聖母が約百年前に、ロシアの改心を願われました。この百年の激動の歴史の原因を知りたくて、いろいろな話を聞いたり、本を探したりしています。
ヴェノナ文書により、さらにコミンテルンの暗躍ぶりが明らかになっています。この「コミンテルンの謀略と日本の敗戦」によって、敗戦から今に続く『敗戦革命』と...続きを読むいうものを初めて知りました。目からウロコです。勉強になりました。

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Posted by ブクログ 2019年07月08日

共産主義の、コミンテルンの、謀略の凄まじさ。
日本においては明治維新からのタイミング、エリートと庶民の分断から、極めてこの路線に乗りやすい土壌が生まれていた。

んで、今でもそうだよな、きっと。

それに、政権というか、社会の安定にどれくらい経済ってのが大事かってことも判る。

こういう話をする、研...続きを読む究をすること自体ができない状況にしている勢力が、何かあると、言論統制だとか、弾圧だと吠える国の滑稽さ。

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Posted by ブクログ 2018年07月08日

コミンテルンが戦前日本に与えた影響について、丹念に分析した一冊。

「リヒャルト・ゾルゲ、尾崎秀実がコミンテルンのスパイだった」と断罪するのは簡単だけど、彼らは彼らの正義に従って行動してるわけで、その背景に何があるのかが気になっていたが、それを知ることができたのが良かった。

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Posted by ブクログ 2018年02月14日

コミンテルンの働き掛けもあるが、思考停止した無定見な指導者層が事態を悪化させたという、現代にも通じる評価だ。

本当に進歩がない。

戦前戦後で立場を反転させた朝日新聞だが、コミンテルンに忠実と見れば、終始一貫しているということか。

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Posted by ブクログ 2022年11月10日

2022年68冊目。414ページ、累計18,541ページ。満足度★★★☆☆

旧ソ連は「コミンテルン」という世界の共産主義者ネットワークを構築し、世界「共産」革命を目指して、各国に対する工作活動を仕掛けた。つまり、スパイを送り込み、秘密裏にその国の世論に影響を与え、対象国の政治を操ろうとした。このソ...続きを読む連・コミンテルンの対外工作によって世界各地に「共産党」が創設され・・・。

欧米では国際政治学、外交史の一分野として、この「スパイ」「工作員」による秘密工作について論じる学問が立派に確立されている。

本書は、日本の敗戦にも深く影与えたコミンテルンの実態について、当時の文書から豊富な引用も行いながら浮き彫りにするもの

新書ながら400ページを超える分量に、正直、後半は読み飛ばしたが、特に前半は読んで損がないと言えるだろう

ただし、後半は前半に比べて少々退屈する内容なので、分量が半分でちょうど良かった。そのため、星は減点

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Posted by ブクログ 2021年12月11日

戦前の国内、国外の政治背景や思想の根底を理解していなかったので読むことに苦労した。
人物の相関図をイメージしながら読むことで理解がより深まると思う。

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Posted by ブクログ 2020年09月13日

某国の支援を受けた共産主義・社会主義勢力の乗っ取りにより、日本が戦争への道を歩むことになった経緯が記されている。
一般的な印象である、いわゆる「軍部の暴走」といえば「昔の話」という印象だが、本書で語られているのは現代の延長線上のような話であり、同じような状況は、現代の令和の時代でも起こりうることだと...続きを読む、気づかされる。
引用多くて少々読みづらいが、当時の言論空間での議論を忠実に示すためのものであり、筆者の解説も丁寧に付されている。
ただ、後半は同じ議論が繰り返されており、冗長な感じが否めなかった。

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Posted by ブクログ 2019年02月03日

●:引用 →:感想

●革命を未然に防ぐためには適切な金融・経済政策をとって景気を回復させるべきなのに、なぜ政党政治を打破して「真の維新」と称するクーデターをするという形の飛躍するのか判然としない。何度も述べているように、大正時代から昭和初期にかけて貧困問題や労働問題に取り組もうとする人々が「民のた...続きを読むめの政治」を求めて政府を批判すると、非国民のレッテルを貼られて反体制派に追いやられるという流れがあった。そこに経済政策を理解していない「右翼」が政党政治を敵視し、薩長の権力独占に反発する徳川義親らが加わって、結果的に反体制派運動が強まっていったのだ。そして確かなことは、このような非常に不幸な構図を背後から煽ったのが、コミンテルンということである。
●五・一五事件と言うと、政治の腐敗に憤った少壮軍人たちが決起した事件だと一般に理解されているが、その理論は、コミンテルンの武力革命に立脚していたわけだ。
●実際に尾崎が「撤兵」の項目を削ったのかどうかは分からない。しかし、尾崎が削ったのだとしてもおかしくない状況だったと春日井氏は推論している。いずれにせよ、尾崎が戦争の長期化に大きな役割を果たしたのは、否定のしようのない事実である。むしろ、現在ではよく知られているように、1937年8月から1938年12月まで陸軍の作戦の責任部署である参謀本部の実質的な責任者であった多田駿参謀次長は、支那事変不拡大を強く訴えていた。軍部が反対したのに、コミンテルンのスパイが戦争を長期化すべく、和平工作を妨害したのだ。
●戦前の日本の政治体制がファシズムであったかどうかは議論が分かれているが、ファシズムを大政翼賛会に代表されるような「全体主義」をめざす「国家革新」運動だとみなした場合、この「国家革新」運動は一般に右翼の運動だと思われてきた。そして左翼知識人が、この「ファシズム」に抵抗したと、戦後長らく信じられてきた。だが、昭和研究会に集まった知識人たちの言動を見ると、実際には左翼知識人こそが「ファシズム」運動を担っていたことが分かる。彼らは表向きは「高度国防国家のための国家革新」という目標を掲げながら支那事変長期化から資本主義体制の打倒、そして「天皇制」の打倒を目論んでいたのだ。当時の一般庶民たちは、そんな意図が現在進行している「革新」運動に込められているとはもちろん思っていなかった。
●「右翼全体主義者」たちは、本来、帝国憲法体制の主柱たるべき「保守自由主義」を奉じる人々に対してさえ、「社会主義者」「自由主義者」などのレッテル貼りをして弾圧した。美濃部達吉の「天皇機関説」を排撃したのも、彼らである。(略)「戦前の日本は右翼に牛耳られていた」という言い方がよくあるが、この「右翼」は正確にいえば「右翼全体主義」を指しているのである。しかもその中に、コミンテルンにシンパシーを感じる「右翼全体主義者=共産主義者」や、一皮むけば真っ赤な偽装右翼も多数紛れ込んでいたから、なお状況が複雑となる。つまり、「右翼全体主義者」と「左翼全体主義者」が結びついて(というより、「右翼全体主義者」の動きに「左翼全体主義者」がつけこんで)、大政翼賛会などをつくり、大日本帝国憲法体制を破壊した。昭和初期は、議会民主主義と資本主義を敵視する社会主義に共感を覚えた「右と左の全体主義的エリート」たちによって、「保守自由主義」たるべき大日本帝国憲法体制が損なわれていった時代と見るべきだろう。

→状況証拠はあるのだが、物的証拠がない。
→コミンテルン細胞の浸透というよりも、プロパカンダの成功による自滅だったのではないか。
→従来のコミンテルン陰謀論(例えば、盧溝橋事件は中共が仕掛けた)などよりも現実的な見方がされている。
→共産党や朝日新聞に対する偏見・思い込みが気になる

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