【感想・ネタバレ】コミンテルンの謀略と日本の敗戦のレビュー

あらすじ

ロシア革命が成功したあと、レーニンは世界革命を遂行すべく、「コミンテルン(共産主義インターナショナル)」をつくる。それは恐るべき思想と悪魔的手法に裏打ちされた組織であった。そして大日本帝国は、やすやすとその謀略に乗せられ、第二次大戦に追い込まれていく。なぜ、そうなってしまったのか? 実は、その背後には、日本の「自滅的」な大失敗があった。リヒャルト・ゾルゲ、尾崎秀実らが暗躍していたことは、よく知られたことだろうが、彼ら以外にも、軍や政府内部に入り込み、ソ連・コミンテルンの都合の良いように動く人々がいたのである。どうして当時の日本のエリートたちは共産主義にシンパシーを覚えたのか? ソ連型の共産主義社会をめざす「左翼全体主義者」と、天皇を戴きながら社会主義的統制国家をめざす「右翼全体主義者」は、いかにして日本を席巻したのか? そして左右の全体主義の危険性に気づき、その勢力に敢然と立ち向かった保守自由主義者たちの姿とは――? コミンテルンの戦略を詳述しつつ、日本国内の動きの謎を解き、隠された「歴史の真実」を明らかにする刮目の書。 【目次より】●はじめに コミンテルンの謀略をタブー視するな ●第1章 ロシア革命とコミンテルンの謀略――戦前の日本もスパイ天国だった ●第2章 「二つに断裂した日本」と無用な敵を作り出した言論弾圧 ●第3章 日本の軍部に対するコミンテルンの浸透工作 ●第4章 昭和の「国家革新」運動を背後から操ったコミンテルン ●第5章 「保守自由主義」VS「右翼全体主義」「左翼全体主義」 ●第6章 尾崎・ゾルゲの対日工作と、政府への浸透 ●おわりに 近衛文麿という謎

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 明治末期、大正、昭和初期の経済状況やマルクス主義の台頭から日本でもエリートを中心に社会主義思想が広がり、コミンテルンの工作をとてもやりやすい環境を作っていった。この大前提を押さえておかないとこの時代は全然理解できないなと感じさせられた。
 そして右か左かではなく、「左翼全体主義者」「右翼全体主義者」「保守自由主義者」と3つに分類するだけでも、相当なパラダイムの変化が起こる。
 社会主義・全体主義思想が蔓延っていた時代に、十七条憲法や五箇条の御誓文の意義を正確に捉えて、保守自由主義を主張した、吉野作造・美濃部達吉・小田村寅二郎や山本勝市には敬意を表するとともに、もっと調べてみたい。

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2021年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

明治維新以降の日本のテクノクラートや政治家や思想家たちが欧米の文化/思想/政治/経済に対して「早く追いつきたい…」という思考だったのは当然だったと思う。愛国心ゆえに国を憂い、みなぎる向上心が進む道の選択を見間違えた…だって当時の世界トレンドは「社会主義」「共産主義」でレーニンは名うての「アジテーター」だったんだから…この辺の件は、結構どころかかなり衝撃的でした。
それに共産党が標榜する「全体主義」の内容の恐ろしさにも驚きました。共産党の論理ってハチャメチャですね(笑)
しかし、小田村寅次郎のような「保守自由主義」をもって日本を守ろうとするの人物がちゃんといたことは嬉しく感じましたが、彼らが追いやられて行く様を、現代の我々はよく勉強して、同じ轍を踏まないように、負けないようにしなければなりません。昨今、インターネットのおかげで真実が国民にも簡単に手に入るようになりました。これまで知らないうちに植え付けられていた歴史や情報が如何に恣意的に操作されてきていたのか、ウソがばれ始めてきています。
我々日本人はもっと真実をしっかり知る必要があると思います。そして先人たちへの感謝を新たにし、日本人の誇りを取り戻すことが必要だと考えています。とてもいい勉強になりました。歴史的事実を列挙して解説を加えた体の本ですから、読むのは結構しんどいですけど目から鱗が落ちるような一冊です。一読の価値ありです。

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2019年04月18日

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