【感想・ネタバレ】緒方竹虎と日本のインテリジェンス 情報なき国家は敗北するのレビュー

あらすじ

占領後のわが国で、“日本版CIA”をつくろうとした政治家がいた。その名は緒方竹虎。保守自由主義の立場から、戦前・戦時中に朝日新聞社の幹部、情報局総裁を務め、戦後は吉田茂内閣のもとでアメリカと連携しつつ日本のインテリジェンス(情報・諜報)機関の確立に奮闘。さらに戦後、保守合同・自民党の結党を成し遂げた希代の人物だ。国家にとって情報が「命」であることを、緒方の苦闘を通じて伝える著者渾身の一冊。 ●適塾と玄洋社――国際派の自由民権運動の系譜 ●共産主義とファシズムという「悪病の流行」 ●満洲事変が転機だった――朝日新聞と軍部 ●東亜問題調査会と同盟通信社――民間シンクタンク創設へ ●二・二六事件と大政翼賛会 ●我に自由を与えよ、然らずんば死を与えよ ●情報なき政府と最高戦争指導会議 ●和平・終戦を模索――繆斌(みょうひん)工作 ●東久邇宮内閣での情報開示、言論の自由政策 ●日本版CIAの新設ならず

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Posted by ブクログ

【日本は、日本自身の手でわが国の近現代の苦闘の歩みを振り返り、その「教訓」を踏まえてインテリジェンス機関を運用すべきなのだ。その意味するところを、緒方竹虎という一人の人物を通して描こうとしたのが本書なのである】(文中より引用)

朝日新聞で健筆を揮い、情報局総裁や副総理にまで上り詰めた男・緒方竹虎。戦後、緒方が全力を傾けたのは、戦時の情報の失敗を繰り返さないための、日本版CIAとも言える組織の創設であった・・・。著者は、近現代史に関する著作を多く世に送り出している江崎道朗。

緒方竹虎の歩みを通しながら、近代国家日本が情報・インテリジェンスをどのように扱ってきたかが概観できる一冊。また、「なぜ日本版CIAを創設することができなかったのか」という問いは、実は極めて今日的なものでもあると感じました。

著者の執念も乗り移っていました☆5つ

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2021年12月17日

Posted by ブクログ

東條英機が思ったより酷かった。そして小磯内閣がほとんど情報なかったんだけど、想像していたよりわりとマトモ?だと思った。軍部やはり縦割りだった…。

0
2021年08月09日

Posted by ブクログ

浅学にして存じ上げなかった人物。
この方の人生を描きながら、国家の意思、そしてインテリジェンスがどれだけ大切かと言うことを描き出す。
この方が、もう少し存命であったら、確かにその後の日本は違っていたかも知れないと思わせる。

其れにしても、日露戦争後に日本の中枢、軍部のひどさ。
いかに現場が優秀でも、あまりにも情けない。特に、レイテ沖海戦あたりの事情は腰砕けというか、こんなレベルで国民を死に追いやっていたのかと思うと、情けなさに涙が出るわ。

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2021年10月07日

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