佐藤勝彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
題名の「〜歳からの」は完全に編集者サイドの意向に見えたが、宇宙のはじまりからおわりまでをザーッっとこのページ数で教えてくれる素晴らしい一冊。
宇宙旅行にロケットへ乗って行かなくても、思考の中で時空を駆け巡ってきた満足度は高い。
第1歩にこの本に出会えて良かった。
ー「往古来今これ宙といい、四方上下これ宇という」往古とは過去のこと、来今とは「これから来る今」、つまり現在を含む未来のことです‥‥また、四方上下とは前後左右上下すべての方向のことです。つまり、宇とは全空間を表します。ですから「宇宙」とはすべての空間とすべての時間を合わせたもの、ということになるのです。
先生〜!?時間も宇宙??掴み -
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Posted by ブクログ
アインシュタインの生涯にはじまり、特殊相対性理論そして一般相対性理論、最後にビッグバン理論からインフレーション理論といった宇宙論の基本を、理論の発達の歴史を交えてわかりやすく解説した本。
光速に近い世界になると、時間が遅れ、物体は縮む。時間と空間は相互に関連し、重力は時空をゆがめる。"光速度は誰が見ても一定の速度に見える"からスタートして積み上げられたシンプルで美しい理論だと筆者は相対性理論を評する。確かに有名なE=mc2の式にしろ、時空の関係式にしろ、言われている内容の凄さに比べれば極めてシンプルのように素人にも思える。それが世の理か。
それにしても、筆者も読者が一番 -
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Posted by ブクログ
理系分野が苦手でも、わかりやすい本です。
研究職の厳しさや、やりがい、科学の役割などが、佐藤さんの経験から書かれています。
中学、高校のときの学びと、大学での学びの違い。
大学や大学院で何をすれば良いか。
大学で研究者になる厳しさなど、これから研究をやっていきたいと考える子供たちにきっかけを与えてくれる。
また、よかったのは、研究者になるだけが全てではないというメッセージや、応用科学と基礎科学の関係性と、基礎科学が蔑ろにされる現状を理路整然と批判したところ。
文系の人間でも、科学者たちの好奇心が、のちにどのように応用されていくのかがよくわかりました。
高名な科学者の人物像もわかるエピソー -
Posted by ブクログ
ネタバレ科学者の卵よ、世界にはばたけ。
科学者を目指す者に対するストレートで真摯なアドバイス。職業案内の本はいくらでもあるけれど、自慢だったり苦悩ばかりだったり夢ばかりだったり、とバランスが取れていない本が多い。その点、この本は自分の経験、現在の状況、考えておいて欲しいことがバランスよく書かれているのでは、と思った。
やや足りない気がしたのは、女性科学者の姿か。もちろん時代を考えれば、著者の経験や視点だけで女性科学者について長々と書くことは難しかっただろうし、また危険だっただろう。それは書ける人に書いてもらえばいいのである。
戦後日本にインパクトを与えた湯川秀樹という存在の大きさがわかる。湯川秀