あらすじ
とても興味があるけれど、むずかしくて理解できない……そんな代表的なものが、アインシュタインが提唱した「相対性理論」だろう。ところが、現代物理学にはその相対性理論よりも難しく、奇妙で、なおかつとても面白い理論がある。それが「量子論」。一番身近な例をあげると、最近はほとんどの人が持っている携帯電話やパソコンのもっとも重要な部品ともいえる半導体チップの中を支配している法則である。こればかりではなく、素粒子などのミクロの世界に適用されるもので、人などの遺伝子など生物の構造や進化、そしてマクロの極限である宇宙の創生までを解明するとされている。本書は、その量子論のポイントが一目で理解できるように、図やイラストを多数使って初心者向けにわかりやすく解説した格好の入門書。最先端物理学の不思議な世界を手軽に味わうことができる。監修は宇宙物理学を世界的にリードしている東京大学の佐藤勝彦教授。
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Posted by ブクログ
「量子論」について書かれた本。議論の争点になった箇所は、そのいきさつまで書いてあったりして面白い。
「量子論」の開拓者であるボーアやファインマンですら、量子論を『完全に理解している人はいない』と語っているので、気負わずに読むことができる。
量子論の発端は、光が粒か、波かを追求することで生まれた。結論から述べると、光は波の性質を持つ粒、両方の性質を持つ考えが主流である。その過程で、電子の電子のダブルスリットからの光の不確定原理の提唱の流れは、経験則から導き出された。波の性質は私たちには観測できないことにミクロ世界の奥深さというか魅力が詰まっていると思う。
また、量子論にも主流であるコペンハーゲン解釈と多世界解釈が存在する。これらは、ドラえもんの道具のような非常にロマンあふれるものとなっている。
文系、理系問わずぜひ手に取ってほしい一冊である。
Posted by ブクログ
量子コンピュータと、半導体不足が叫ばれる中、そろそろ量子論の触りだけでも知っとかないと、と思い手に取った。評価としては、非常に分かりやすかった。(私は力学系の研究者のたまごなので、素養はあるつもり。)分かりやすかったが、分からないことが増えた。僕が古典力学に苦闘している何十年も前から、こんなわけわからん理論が生まれてたんだなぁと、途方もなさを感じた。
Posted by ブクログ
良書!なんども読まないと理解できない、あるいは何度読んでも理解できないと思うけど、だんだん整理できてくる。量子論をとりまく科学者の挑戦にワクワクしながら読めた。
Posted by ブクログ
物理学は全くの素人だが、単純に読み物として面白い。
おそらく10%も理解できてないが、何度も読み返して理解したいと思った。
唯一理解できそうな二重スリット実験辺りの説明が少なかったのが残念。
Posted by ブクログ
光の研究から生まれた量子が原子の中の世界を解明して量子論が形作られる様子を様々な仮説や実験結果などを通して分かり易く解き明かします。アインシュタインはシュレーディンガーの方程式は支持したものの重ね合わせの状態の確率解釈は不支持だったなどとても興味深く量子論の史実を楽しみました。
Posted by ブクログ
めちゃ面白い。出版は20年前。その後、量子コンピュータもそろそろ出るかというところ。大統一理論には届かないものの、実用的には着実に進歩してる。
Posted by ブクログ
式を極力使わずに、難解な量子論を説明する貴重な本です.
この世界の原理はどこにあるのか、そもそも本質は存在するのか
小さい世界に足を踏み入れる事で、更に面白い問いが生まれますね
Posted by ブクログ
面白い!量子論ってこんなに奥深いものだったのかぁ。大学ではいきなりシュレディンガーなんかやるもんだから、道理でわけわかんなくて量子が嫌いになるわけだ・・・
Posted by ブクログ
文句無しの星5つ。こんなに分かりやすく、かつ興味をひかせながら、量子論を語る本書は本当に凄いと思う!終始興奮して読み終えることができた。なんていうか、途中まで読んでしまうと、最後まで読まずにはいられなくなる。久々に脳が活性化された気がしました。
Posted by ブクログ
なんかよくわからんけど色々辻褄が合うからこれは正しい。
という感じの事が結構あるんだなぁ。
個人的にはアインシュタインのまだ解っていない道なことがあるから確率に頼らざるを得ない。神はサイコロを振らないという考え方の方を推したい
Posted by ブクログ
「量子」について、多くの一般人は考えたこともないだろう。文系人間の私も、物理学は高校以来触っていなかった。
本書は私のようなワカランチンにも分かるように、極力平易な言葉で量子論の研究と発展の歴史を書いたものである。
1920年代ごろから、北米や欧州の物理学者たちが研究と試行錯誤を重ねて、量子論は改善されてきた。それでも現在まだ完成形には至っていないのだそうだ。本書が書かれたのは24年ほど前だが、調べたところ新しい理論の発見には行ったっていないそう。
量子論の特徴は確率論であらわされる自然のあいまいさであり、アインシュタインの提唱した白黒はっきりとさせる相対性理論と矛盾する箇所があったため、長い間物理学者たちの間で仮説・実験・議論が交わされてきたという。
一生懸命に理解してついていこうとしたが、最後2割くらいのところで行き詰った。そこまで行かれただけで良しとしよう。
昔から世界にはとんでもないレベルの天才たちがいて、一般人がまったく考えないことを一生かけて研究しているのだなと改めて思った。革命的な発見があったとして、それがどう自分に関係するのかもイマイチ分からないが、そういう人たちのおかげで現在携帯電話やパソコンなどが使える恩恵を受けているようだ。
理系出身の人ならたやすく理解できると思う。そうでない人も読んで損はない。
Posted by ブクログ
分かったような分からないような、でも分からないままだと落ち着かないのでどうしても関連本を漁ってしまう量子論。この世界が、宇宙が、本質的にどこまでも不確定性の重なり合いで構成されているというのは本当にスリリングで面白い。自分が生きている間に宇宙の真理が果たしてどこまで解明されるのだろうか、と考えるとなかなか死にきれない。
Posted by ブクログ
宇宙物理学者 佐藤勝彦氏監修による「量子論」についての解説書。普通の読み物としても非常に面白いです。とにかく難解な「量子論」の超入門編として、「量子論」の発展の歴史に沿った説明がされており、段階を追って理解することができます。最近のサイエンス領域のニュースを読むのに少しくらいは知識を入れておきたいという人は一読をおすすめします。もう20年前の本ですが、ミクロの世界の扉を叩くのに、今でも最適だと思います。
Posted by ブクログ
話の30%も理解できなかったと思うが、でも不思議なことに楽しく読めたし、なんか夢があって読んで良かったと思う。
ない脳みそをフル回転させて書くとすれば、超小さい
’ミクロ’な物質をのぞき込むと、そこには不安定で奇妙な世界が広がっている。粒としての性質を持っているように見えながら、併存するはずのない波としての性質も持つ。なんで両方が成り立つんだという謎を理論と実験で突き詰めていくと、「観測」するまでは波の性質を持つが、「観測」したら粒としての姿しか見えない。さらに、その物質は観測して、初めてどういう形でどこに位置しているか確定する。それまでは、不確定・確率の中で成り立っている。そして、最小単位の電子がこの世界を構成していることを考えると、世界自体がそんな不確定・確率で成り立っている。それは、並行世界、我々とは別の世界が存在する可能性をも考えられる。
うん、全然上手く書けない(笑)。なんの知識も持たない自分が高々一読ぐらいで世界の優秀な人たちや天才が苦労して構築してきた理論を理解できるとは思わないけど、SF映画やゲームの世界観で見る理論の位置づけや概要ぐらいは何となく理解ができて、宇宙と同じようなロマンを感じた。
趣味教養の一環で、この手の分野の進歩は引き続き下手の横好きながら注視したいとは思う。
Posted by ブクログ
読み始めたのは去年だった。とても時間がかかってしまった。読み進めるのが難しく、タイトル通りの楽しむ、というところまではたどりつかなかった。たしかにこの世界が思ったよりあいまいでゆらいでいるものなのだと考えることはできそうだ。でも、結局のところ、結果が同じにならない選択肢については知ることができない、まったく独立で干渉することがないのだから、自分が変わりたいと思っても、少しずつ変化を積み重ねていくしかないし、急激に変わる、ということはやはりほとんどないだろう。引き寄せの本でよく言う世界が急に変わる!みたいなことはやはり期待できないかなと。自分の意識のパラダイムシフトはあるかもしれないけどね。ちょっと期待しすぎていたかもしれない。
Posted by ブクログ
量子論の不思議な世界を存分に楽しめる。
粒であると同時に波でもある量子、ただ、波である様子を観測しようとすると、その瞬間に波としての状態は無くなり、私たちは観測できない。
観測するということ自体、光を粒であると考える光子を量子に当てて、反射された光が網膜の視細胞を刺激し、結果生じる電気信号が脳に伝わって意識に上がること。なので、対象物に必ず光を当てる必要があり、小さな量子では当てた光のエネルギーによって位置が変わってしまう。
見る前の状態のまま、量子を観測することはできない、つまり、観測では波としての状態は見ることができない。
シュレーディンガーの猫や、EPRパラドックス、その解釈として用いられる、多世界解釈。
雑だとは思うけれど、この解釈を読んだときに四次元立方体のテサラクトを思わずにいられなかった。五次元の"彼等"にとって、時間も空間も自由に行き来できる次元のひとつ、その存在が同時平行で、お互い重なることのない世界なんだろうか。
それにしても、「結果的にまったく同じ状態になる場合にのみ、二つの世界に分かれた物質が再び重なりあい、異なる過去が干渉を引き起こす」これが一番謎に感じる…
ということはミクロの世界では五次元の"彼等"と同様に、異なる世界を行き来できるということ?
未だ一般相対性理論と量子論を統合した、量子重力理論は完成していないけど、特殊相対性理論との統合は232ページでディラックが、時間と空間を統合して扱うことで、シュレーディンガー方程式に特殊相対性理論を取り込むことに成功しているとのこと。ここも掘り下げて欲しかった。
量子の世界から宇宙の始まりに繋がっていく様はぜひ読みたい。次は量子宇宙論かな。
Posted by ブクログ
やや甘めの評価。
少し量子論に興味があったので読んでみたが、こんなSFみたいな話が実際の理論として確立されていることに驚きを感じた。
量子論自体が難しいので、ド文系の私には理解できない部分が多かった。
ただこの本がいいのは、「難しいから全部理解しなくてもいい、この部分だけ頭に入れればいい」という記載がテンポよく出てきて、理解できなくても安心してぐんぐん読めるところだと思う。
そんな点を評価して⭐️×5にしました。
Posted by ブクログ
2009年5月14日~16日。
科学、というよりも哲学に近い印象。
断片的にはチラホラと知っていたのだが、これが量子論なのか……。
面白いのだが、個人的にはやはり曖昧さや確率は出してほしくなかったなぁ、というのが正直なところ。
あくまでも比較だけれど、相対性理論の方が判り易いと思う(くどいようだけど、あくまでも比較してってことです)。
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さわりのさわりがイメージできた気がする。多くの教科書があるが、難しすぎて困っていたところ、本書に会い、再挑戦する気になったところ。数学力が必要になるので、しばらく高校レベルからの復習の時間が必要と見た。量子論は現代物理学の花形なので、やはりある程度、理解したい。しかし、難しい・・・
Posted by ブクログ
光は物質なのか波なのか。光の正体を巡って数々の仮説が検討され、量子論という結論に辿り着く過程に興奮する。そしてその量子論が示すミクロの物質の、それぞれの場所にいる状態が重なり合っているという“真実”には、自分の既成概念をひっくり返された。
Posted by ブクログ
物理の二大理論の一つ、「量子論」について分かりやすく解説された本。『「相対性理論」を楽しむ本』の続編のような形で出版されたようだが、これだけでも楽しめ、量子論の概要くらいは理解できるようにできている。様々な解明の歴史的背景と解明の過程なども解説されていてわかりやすいし、面白かった。
Posted by ブクログ
ミクロが波の性質を持つ理由を、光のの性質から丁寧にわかりやすく説明している。
そこから波動関数の確率解釈、不確定原理まで話を広げ、それらを理解するために、多世界解釈という考えを用いてわかりやすく説明している。
最終的には量子論の発展により、化学への寄与も説明してわかりやすい内容だった。
Posted by ブクログ
佐藤勝彦監修の物理雑学本を読み終わった。これこそが文学だと私は思う。難解奇天烈な量子論の世界を素人に理解してもらうためにあの手この手を尽くしてくるぞ。特に序章のシュレディンガーの猫とボーアとアインシュタインを擬人化(?)したキャラクターによる茶番がとても微笑ましい。
Posted by ブクログ
なんとシュレーディンガーの猫さんが司会を務めて、ボーアとアインシュタインが対談するところから始まります。
物理学者達の関係が少し分かって面白いです。
理解しきれない所もありますが、調べながら楽しくぐんぐん読めて引き込まれる本です!
ちょっとバルマー系列わかんないです。
コペンハーゲン解釈、複素数の不思議は、公式が分かればもっと楽しめるのでしょうね〜
シュレーディンガーの量子論に対する言葉が印象的です。
最後の方難しかったけど、楽しかった〜
Posted by ブクログ
見えるというロジックを考えると見ようとすると見えないということになる。この不確実性が量子論。そして世の中のほとんどの最新技術がこの不確実性に乗っかっているという事実。
Posted by ブクログ
とっつきにくい量子論をわかりやすく紹介しています。
物理学を学んだことがない人でも理解できて、しかも
一通り最新の議論までを網羅している珍しい入門書。
量子論に興味ある方にはオススメの一冊です。
Posted by ブクログ
量子コンピュータが実現性を帯びて来て、ちょっと基礎知識を得たいと手に取ってみたが…
本の構成は、歴史的にどういう問いから量子の研究が始まって、世界中の科学者たちが机上や実験からその実体を探る旅が描かれている。
ただ、この旅の物語は、ゴールから見てこれまでの道のりを整理したものでは無く、ゴールがまだ見えず、よってこれまでの道のりもどれが本当に正しかったのか?断定出来ないまま進んで行く。
旅の始まりは、「光って何だよ?」と言う疑問を発端に研究が進み、光を運ぶ物質は、粒! と。でも、実験すると波の性質が見つかっちゃう。光も色々突き詰めてくと、電磁波も似てるね!って事になり、電磁波が空間を伝わる速度が光と同じ事から、光は電磁波の一種って事でと。時代が進んで、物体を細かく見ていくと、原子と言うものと電子と言うもので構成される!
でっ、この電子と量子に振舞いが似てる事が分かってくる。
電子は、原子の周りをある軌道上に存在して、波打って規則的に動いていて、観測した瞬間に粒として認識ができる。
更に探求すると、パウリの原理という制約事項が見つかり、それは4つの量子数なるもので、素粒子の研究からこの原理に従うやつと従わないやつがあることがわかって… そして、別々の研究に発散して行ってしまった…
わかった気になりたかったのに、暗闇の中に入り込んでしまった感が強くて、読後感はスッキリ出来なかった。