小林富雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
図らずもヒッグス粒子発見とこれからのその研究の重要性を学べた。素直に良かった。
また、超対称性粒子を検出するための物理学者の努力に敬服した。試行錯誤とはまさにこのことだ。真理を求めて仮説を絞り込んでいくのだなぁ。
暗黒物質やダークエネルギーについても他書にはない記述が多くて嬉しい。
ただし、本書は量子力学と素粒子論を学部レベルで学んでいないとチンプンカンプンかもしれない。
・パウリの排他原理がなぜ成り立っているかいまも分かっていない。
・ヒッグス機構はもともと弱い相互作用のゲージ粒子の質量を説明するために導入され、その後、フェルミオンの質量起源も説明できるようになった。
・電磁力の場合、距離とともにその大きさは減衰するが、強い力は距離にかかわらず一定の値を保つ。したがって、引きはがすために必要なエネルギーはクォークの距離とともに増大し、やがて新たにクォーク、反クォークのペアを真空から作り出すことができるエネルギーになる。
・LEPの実験までに、レプトンとクォークに少なくとも3世代あることは分かっていた。それがLEPの実験で大量に生成されたZ粒子の崩壊過程を詳しく調べることで、レプトンを構成するニュートリノの種類は3つしかないことが分かった。したがって世代も3つしかない。しかし、では「なぜ3世代なのか」という疑問は解消されていない。
・フェルミオンとベクトルボソンはそれぞれカイラル対称性とゲージ対称性に守られて、急激な発散は出てこないが、スカラーボソン(ヒッグス粒子)だけが急激な発散を内蔵している。
・弦理論にはそもそも発散の問題は無い。場の量子論は点状の粒子を扱うから無限大が現れる。
・ニュートラリーノが電気的に中性で弱い相互作用しか働かないので、暗黒物質の有力候補。
・暗黒物質の発見:ニュートン力学に寄れば、中心から離れた星はゆっくり回るはずだが、観測では中心からの距離によらず、銀河上のどの場所もほぼ一定のスピードで回転していた。これを説明するには、通常の物質以外にその約10倍の「見えない物質」で銀河全体が覆われていればいい。
・アクシオン:強いCP問題。強い相互作用の理論式には本来CP対称性を破る項が含まれているが、実験的には見つかっていない。この解決のために導入されたのがPQ対称性で、CP対称性が回復する。そのとき、南部・ゴールドストーンボソンが現れるが、それがアクシオン。
・ヒッグス粒子は、超対称性への道を開くのか、原子・原子核・核子・クォークと続いてきた物質の階層性をさらにもう一段深めるのか、あるいは宇宙のインフレーションに直結してしまうのか、今その岐路に立っている。 -
Posted by ブクログ
最近受験生の我が息子は、少し遠くの塾に
日曜日の夜間に通っています。(そんなに必死に
受験勉強しているわけではないのですが)
そこで、夫婦も揃って息子を送り届けて
塾が終わるまで二人でスタバに行って2時間
くらい待っています。私はじっくり本を読める時間
なので割と気に入っています。そこで読み終わった
今回のこの本。
川崎の桐光学園高校に様々な
論客(日本のトップクラス)が特別の授業をする
らしいのですがその授業の内容が本になっている内容。
こんな高校生はとても幸せだと思いますが
多分自分が高校生だったときはあまり興味を
覚えなかっただろうなあと思います。
でも、それでもそういうことを言っていた人が
いたなあとかすかに覚えていたり、そのうちの誰かの
話す内容に衝撃を受けたりすることが少ない確立でも
あったら、それって素晴らしいことなのではないかと
思います。
内容的には、とても知的な好奇心や問題提起がなされて
いてとても面白い内容です。おっさんがよんでも
とても勉強になり、感動し、納得し、面白いと
思える本です。
ぜひともいろいろな人に読んでほしいと思います。
やっぱりとりわけ若い人に読んでほしいと思います。
高校生でなくても、大学生や社会人でも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読書途中。20人の講師による。一人90分の講演会の収録である。一気に読めるはずもなく、じわじわと読んだ。
姜尚中の講演のなかで、夏目漱石が奥さんをなぐっていたエピソードがあった。ノイローゼであったらしい。私は夏目漱石になれないけど、夏目漱石よりましだなと少し思った。考えかたとしてまちがっているのかな?どんな偉い人もほんとうにいろいろな苦しみにもがいていきているのだと思い直した。
20名全て役に立つわけでないが、中には、気に入る人もいるかもしれないとのことだろうか?3.11後の話など考えさせられたり。光触媒の話は興味を覚えた。文学、美術に関心を持った。宇宙論や素粒子の話は、わからないので、もういいとの気持ちであった。こんな講演会を聞けるのは、エリートの家の子供だからいいなとひがみたくなるが、本として出版されているので、誰でも接する機会があるのだと思い直す。マスターキートンにあった、「勉強はどこでもできる。便所でも」を思い出す。 -
Posted by ブクログ
「ネーターの定理」対称性あるところに保存則あり。
ゲージ粒子は「ゲージ対称性」で守られており、フェルミオンは「カイラル対称性」で守られているが、ヒッグス粒子は標準理論では値が発散してしまうという「階層性問題」がある。これを解決するのが「超対称性」。
電子のスピン:複素2次元空間内の回転
3次元空間での1回転が、複素2次元空間では半回転に相当。スピンの向きを回転して、元の向きまで戻ってくるには、通常の時空で2回転させなければならない。このような「半ベクトル」のことを「スピノル」という。
テンソル:複数のベクトルを組み合わせて作られる
スカラー:どんなローレンツ変換を行った時も絶対に変化しない物理量。例)世界長さ、質量
カイラル:対掌性。左右を区別する弱い相互作用の性質。
SU(n):特殊ユニタリ群。Special Unitary。ユニタリとは大きさが1という意味。括弧内の数字は要素である行列が持つ次元を表す。「特殊」とは、n次元空間上にある一辺の長さが1の仮想的な立方体が、回転後も体積を1に保つような変換を意味する。