加藤かおりのレビュー一覧
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ネタバレフランスのミステリー。新聞の書評で知り読みました。主人公が犯人。強姦されそうになり相手を殺害。自首すれば自分も家族も不幸なると考え、被害者が当然別の場所で殺され、死体が出てこないのも世間が納得する状況を何とか作り出そうとする。強姦しようとした被害者は著名な作家で、SNSをやっていたので、作家が生きているかのように、Twitterに投稿し、電子メールを親しい人に送る。主人公は小説家の秘書になりすまし、小説家に親しい人に接近する。
人は周囲からどのように見られるかについて気になるが、別人格になりすます事で主人公が殻を破っていく過程がこの本の醍醐味です!地味な女性が異性を引きつける女性に変身するとい -
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ルワンダでのフツ族によるツチ族の大虐殺のニュースはたいへんショッキングだったのでよく覚えている。それ以前にも同じようなことが繰り返されていて、そのせいでルワンダから隣国のブルンジに逃れてきたルワンダ難民のツチ族の女性とフランス人男性の間に生まれた男の子が、少年期までを過ごしたブルンジでの日々を回想する形式で書かれた一作。ブルンジもルワンダと同じフツ族とツチ族で構成された国で、ルワンダで大虐殺が起こった後、元々政情が不安定だったブルンジでも民族間の戦争が始まったために、彼は父親の故国フランスに逃れる。
虐殺や戦争が始まるまでの彼の日々は、両親の不和などの不安材料はあるものの、家族や親戚、友人に囲 -
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ネタバレノーベル賞平和賞を受賞される前に書いた自伝、今後(旧ザイール)に生まれ、世界的に重要な医師になるその道のりは、決して平たんではなく、なったらなったで様々な障害が待ち受けている。激しく揺れ動く国内政治や国際情勢の中で、これだけ一貫性をもって生き続けている人がいる、ということは大きな励みになる。
自分のコミュニティのために尽くすことが、世界にとっての大きな価値を生み出している。
また同時に、現場に根差した活動には、専門家・プロフェッショナルとしての技術と信念が備わっていて、学ぶべきところが多いと思った。
働き方に加えて、生き方についても多くを教えてくれる。
人生は日々の積み重ね、なにかのために何を -
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アルゼンチンにおける過去の圧政、軍事独裁政権、あるいはファシズム時代の負の遺産の発掘と同じく先住民族に対する差別をテーマにしたミステリー。フィクションには違いないが、アルゼンチンの暗黒部分が圧倒的なスケールで押し寄せてくる。
次の殺人を防ぐための事実の調査が、結局次の殺人を生み出してしまうという負のスパイラルの連続。読んでいて気が重くなる一方だ。しかもその合間に触れられるアルゼンチンの酷い歴史とそれに紐づく警察や宗教界の対応。
しかし、それでも次々読み進めてしまうのは場面転換や、ジャナやルベンが遭遇する少しの光が前向きに展開していくからだろうか。 -
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ネタバレおもろい。ただダラダラしている。
180ページまでなんとか辿り着けばそこからは勢いで最後まで読んだ。
180ページの驚きがこの小説のキモだと思うので、ネタバレ厳禁にするのもわかる。いうてそこまでの展開は驚きに満ち溢れるというわけでもないので……
どちらかというと、「自分と全く同じ人物が突如この世に出現したらどうしよう?」という思考実験を楽しむ作品なのかなという気持ちもある。並行世界というわけではないから財産や家族は1人分なわけで、それをどうすればいいのか?という…悩ましい
登場人物が多く、その人物同士も大して交流しないので話が散逸してる印象を受ける。
世界規模を舞台にした話を書くぞ、という -
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フランスの小説。
普段日本人作家ばかり読んでいるせいか、翻訳文に慣れず、読むのにかなり時間がかかった。
西洋文化では前提として共有されている哲学的・知的背景を知らないと
「ん?どういうこと?」と立ち止まる場面も多い。
登場人物も多く、場面転換も頻繁で、名前がなかなか頭に入らなかった。
ただ、会話や人物描写はとても洗練されていて、向こうでは「おしゃれで斬新な小説」として受け入れられたのだろうな、というのは伝わってくる。
SF的な設定に対して、人々がどう反応するかはかなりリアルで、その点は面白かった。
とはいえ、読む体力をかなり使う一冊。
正直、当分は洋書はいいかな、と思ってしまった。 -
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ネタバレまず、この小説を読んで思ったことは推理小説ではあるんだがはっきりとした事件や犯人が出てこなく、不思議な小説ということです。次にイタリア・シチリア島をせっかく夫婦で旅行している中、天気が大荒れで夫がさらに道を間違いまくっていくということです。
自分はイタリアを個人で旅行する際に、身の回りの物(特にパスポート)は肌身離さず持つということをさんざん言われましたが、結局イタリアを旅行することはありませんでした。でも、海外を旅行するときには身の回りのものには気をつけるということをこの小説を読んで改めて思いました。あと、夫が道の選択を間違った上に何かにぶつかったという現象は最後になっても解決されること -
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"異常"に巻き込まれた当人たちそれぞれの未来は明るくもあり暗くもあるが、この世界全体としては明らかに破滅に向かって行く様相で、混迷の道を進む世界や異常そのものの原因へのフォローがないまま描かれるあのラストはとても良かった。
事態に対して居心地の悪い妙な軽快さがあり、その緩やかな終わりへの描き方はネビルシュートの「渚にて」を思い出す。しかしこの世界の終わりはそれよりもさらに悲惨なものになると思う。
多くの登場人物が存在し一見群像劇のように描かれてはいるが、その人物たちが交わることはほとんどなく個人個人の様子が描かれるばかりなのでそうした面白さはほとんどなかった。
この作品自