加藤かおりのレビュー一覧

  • マプチェの女

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    侵略者による先住民の大虐殺および軍事独裁政権による反体制派の弾圧(誘拐・拷問・殺害)というアルゼンチンの負の歴史が正面から扱われていることに伴って暴力描写も凄惨を極めており、恐ろしくはあったが大変勉強になった。「女装のゲイ」という翻訳は妥当なのか、原語でどのような言葉で表現されているのか気になる。

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    2022年02月24日
  • すべては救済のために

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    コンゴ民の歴史がリアルに表現されていてすごい。北欧のキリスト教慈善団体のコンゴ東部での活動がよくわかる。その中で現地人医師たちの考え方と行動、それを支える北欧慈善団体もスバラシイ。厳しい現実にもひるまず、住民目線の活動を継続するパワーは驚くばかり。海外からの支援から現地民による自立への移行も学ぶことができた。ドキュメンタリー「女を修理する男」をぜひ観たい。

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    2021年12月29日
  • ちいさな国で

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    舞台のブルンジは初めて名前をきく国だった。ホテル・ルワンダも映像としての衝撃があったけど、この小説は、特にお母さんの言動を通じて当事者としての体験が生生しく感じられる。
    中立に、平和主義で、事なかれ主義でいたい性格の主人公が、殺伐としていく状況から逃げたいけどどうしようもなく紛争に絡め取られていく様子が丁寧に描かれてた。少年時代とその喪失、家族の問題、特権階級として存在する白人たち、そして民族対立の憎悪と狂気と悲しみ。色んな要素がぐるぐると混ざり合う。主人公と同じく読者も、それらに翻弄されながら受け止めるしかない。できることとして、遠い異国の痛ましい話に関心を寄せ、心を寄せ、支援できることがあ

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    2021年11月04日
  • ちいさな国で

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    ブルンジ共和国でフランス人の父とルワンダ難民のツチ族の母の間に生まれた少年ギャビーの日常とそれを襲ったルワンダ大虐殺と内戦を描いた作品。そもそも無知すぎて作品背景についての知識があまりなかったので勉強になった。
    第二次世界大戦下イギリスの少年の日常を描いたロバート・ウェストールの『機関銃要塞の少年たち』を思い出したけど、大人から独立してドイツ兵を匿う子どもたちとは違って、自ら内戦に飲み込まれて子ども時代を奪われていく子どもたちの描写が苦しかった。その描写が瑞々しくあればあるほど。

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    2021年08月18日
  • すべては救済のために

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    この人は本当に素晴らしい。この強靭な精神力と信念を曲げない強さはどう培ったものなのか...宗教教育の賜物なのか、いずれにしても普通のお医者さんではなし得ないことをしていると思う。
    沢山の人に読んでほしい。

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    2021年04月22日
  • 念入りに殺された男

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    ネタバレ

    フランスのミステリー。新聞の書評で知り読みました。主人公が犯人。強姦されそうになり相手を殺害。自首すれば自分も家族も不幸なると考え、被害者が当然別の場所で殺され、死体が出てこないのも世間が納得する状況を何とか作り出そうとする。強姦しようとした被害者は著名な作家で、SNSをやっていたので、作家が生きているかのように、Twitterに投稿し、電子メールを親しい人に送る。主人公は小説家の秘書になりすまし、小説家に親しい人に接近する。
    人は周囲からどのように見られるかについて気になるが、別人格になりすます事で主人公が殻を破っていく過程がこの本の醍醐味です!地味な女性が異性を引きつける女性に変身するとい

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    2021年03月15日
  • 念入りに殺された男

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    かなりな周到さで、アレックスもれっきとしたソシオパスですね。どうなるんだろうと思いましたが、うまくいくもんなんですね。本当のレオが現れたら一気に崩れ落ちるような気はするのですが。

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    2020年07月29日
  • ちいさな国で

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    ルワンダでのフツ族によるツチ族の大虐殺のニュースはたいへんショッキングだったのでよく覚えている。それ以前にも同じようなことが繰り返されていて、そのせいでルワンダから隣国のブルンジに逃れてきたルワンダ難民のツチ族の女性とフランス人男性の間に生まれた男の子が、少年期までを過ごしたブルンジでの日々を回想する形式で書かれた一作。ブルンジもルワンダと同じフツ族とツチ族で構成された国で、ルワンダで大虐殺が起こった後、元々政情が不安定だったブルンジでも民族間の戦争が始まったために、彼は父親の故国フランスに逃れる。
    虐殺や戦争が始まるまでの彼の日々は、両親の不和などの不安材料はあるものの、家族や親戚、友人に囲

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    2020年05月25日
  • すべては救済のために

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    ネタバレ

    ノーベル賞平和賞を受賞される前に書いた自伝、今後(旧ザイール)に生まれ、世界的に重要な医師になるその道のりは、決して平たんではなく、なったらなったで様々な障害が待ち受けている。激しく揺れ動く国内政治や国際情勢の中で、これだけ一貫性をもって生き続けている人がいる、ということは大きな励みになる。
    自分のコミュニティのために尽くすことが、世界にとっての大きな価値を生み出している。
    また同時に、現場に根差した活動には、専門家・プロフェッショナルとしての技術と信念が備わっていて、学ぶべきところが多いと思った。
    働き方に加えて、生き方についても多くを教えてくれる。
    人生は日々の積み重ね、なにかのために何を

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    2019年10月06日
  • マプチェの女

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    アルゼンチンにおける過去の圧政、軍事独裁政権、あるいはファシズム時代の負の遺産の発掘と同じく先住民族に対する差別をテーマにしたミステリー。フィクションには違いないが、アルゼンチンの暗黒部分が圧倒的なスケールで押し寄せてくる。

    次の殺人を防ぐための事実の調査が、結局次の殺人を生み出してしまうという負のスパイラルの連続。読んでいて気が重くなる一方だ。しかもその合間に触れられるアルゼンチンの酷い歴史とそれに紐づく警察や宗教界の対応。

    しかし、それでも次々読み進めてしまうのは場面転換や、ジャナやルベンが遭遇する少しの光が前向きに展開していくからだろうか。

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    2018年06月23日
  • ささやかな手記

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    スティーブン・キングの作品を連想させる設定だが、現実社会から乖離したように舞台が出来上がっていく感が本著はより一層強い。不条理な立場に立たされた被害者たちがさらに心理的に追い込まれていく描写は、強い絶望感を伴って読者に迫ってくる。

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    2016年08月06日
  • ささやかな手記

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    一気に読める。印象的なフレーズもたくさんあって、ちらりと深みを感じさせもする。
    しかしいかんせん凄惨すぎ、痛過ぎる。。。

    「その女アレックス」などもそうなんだけど、監禁や暴力は読むのがつらくてつらくて、つらさだけが最も残ってしまう。あるのはつらさだけじゃないのにね。

    イヤミスと言えるものかどうかわからないけれど、もうイヤミスはやめようよ、と言いたい。
    読み応えはあるが、拭い去ることの出来ないこの読後の不快をどうしよう。

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    2016年08月05日
  • マプチェの女

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    なかなか掘り出し物。南米舞台は新鮮やし筋はオーソドックスやし理解しやすい。
    表紙の女性はもうちょい胸なくてもいいんちゃう(描写的に)

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    2016年03月24日
  • 異常【アノマリー】

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    後半失速したかなあ…第1部がいちばんワクワクして読めた。しかし著者はウリポなのか。じゃしょうがないね。

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    2026年06月25日
  • 異常【アノマリー】

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    SNSで見かけて気になった作品。
    海外文学はあまり得意ではないため、少し苦戦。
    あらすじをまったく見ずに読み始めたので、何が異常なのかを期待しながら読み進めた。

    異常な現象に見舞われた人々は、どのような行動を取るのか。
    その反応は人それぞれで、立場や価値観の違いによって対処の仕方も大きく異なる。
    それぞれのコーピング方法の違いが印象的。

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    2026年06月23日
  • 異常【アノマリー】

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    ネタバレ

    3.5くらい
    読むのに時間かかった。物語の加速パートに入るまでが長い…人間も多くて誰だっけとなる。
    シミュレーション仮説というのがどうも腑に落ちなくて、そこも読みにくいポイント
    でも重複者それぞれの人生の選択が面白くて、特にスリムボーイは好き(対面の場で寿司を食べながらお互い見つめ合うシーン面白いし、なくした片割れとの出会いみたいにしっくりきててよい)
    あとソフィアの父親による性暴力が明るみに出たところも、ちょいきついもののよかった。
    終わり間際の俯瞰した状態で登場人物たちの様子が描かれるところ、映画みたい。

    で、まさかの三便目…大統領の撃墜指示。ヒェ〜3があるなら4や5もあるのでは…これか

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    2026年06月19日
  • 異常【アノマリー】

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    ムンバイの自動車修理工場の中庭のパンクした古タイヤ
    ヴ ト   ル 持 赤 〈イリ  の
     コ  カ  アン  ヴァ  ルの
        指 につ  黒 イ   ド
          テ  〉の 二   ー
             合 イ    木
                存 在  
                 潰
                    瘍
                   そ 
                    し
                    て

                    少
                    石

                    の
                    立
        

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    2026年06月06日
  • 異常【アノマリー】

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    途中までは、設定なども踏まえてとても面白かった。
    最後にかけて、解説やミステリーの解決がなく、そのまま残された人々のその後という話題に入って終わってしまったのが惜しい。

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    2026年05月28日
  • 異常【アノマリー】

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    ネタバレ

    同じ人々が突如現れたら、国家として人類としてどう対峙するか。
    これがテーマの小説だ。

    小説というべきか、ドキュメンタリーのようにも思える。
    もともとの世界にずっと存在していた人たちをマーチ(3月)、3月時点から分岐して突如6月に現れた人たちをジューン(6月)と分類する。
    言葉は便利だ。同じ人間ですら分類できる。
    しかし、当事者にとっては残酷だ。
    自分は、ずっと一人と思っていたのに、1号、2号とつけられたようなものだからだ。
    一人の息子を前に合理的な判断を選び、共存を模索するマーチとジューンもいれば、
    たった3か月の空白のために身を引き、新たな生活を始めるジューンもいる。
    過去は思い出として共

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    2026年05月16日
  • 異常【アノマリー】

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    著名人の推薦文が煽り過ぎでミスリードと感じた。
    もっと感じ入りながら読むスタンスで読んだらより気に入っていたかも知れない。

    アメリカ映画的なエンタメプロットを期待してしまったけど、めちゃフランスだわこれ。

    フランス映画見るようなつもりで読んだらめちゃおもしろかっただろうなと思う。

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    2026年05月13日