加藤かおりのレビュー一覧

  • ジャカランダの樹

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    フランスで生まれ育ったミランは、1994年のルワンダ虐殺を生き延びたクロードとの出会いと別れを経て母の祖国でもある彼の国へ。凄惨な記憶を背負う彼ら生存者たちに寄り添い、自らのルーツをも見つめ直す。

    当事者から語られる事件の詳細はあまりにも辛く重たい。それでも、癒えない傷を抱えつつ、人生を歩みつづけようとする皆に心を寄せます。

    ミランの母がなかなかシビアかつ強烈な人物で、しっかり個人として息子に向き合う姿が西洋個人主義的。「そうあろう」としているようにも感じるし、あの地獄から徹底的に息子を守ろうとする愛の盾でもあった。
    そして感情の流れは事件後に生まれたせだいでもあるステラにも続いてゆく。

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    2026年07月03日
  • あなたについて知っていること

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    積読チャンネルから来ました。自分にとっては翻訳文が少し読みにくかったです。ただ、物語は興味深いものでした。しかし、主人公がなぜ全てを捨ててまで、彼を愛してしまったのかは理解出来ませんでした。この物語の1番の被害者は彼の息子だと思います。いや、彼を産んだことこそが彼女にとって、彼への1番の復讐だったのかなとも思いました。

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    2026年06月19日
  • 異常【アノマリー】

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    ネタバレ

    なんかすごいものを読んだ。
    一体どういう結末なんだろうと思って読んでたけど、異常事態が淡々と綴られていくこと自体を楽しんで読むのが正解だったのかな
    各国の偉い人、どう考えてもモデルがいる(笑)

    もう1人の自分がいたらいいのに、って割と昔から思ってたので私だったらこの異常を割とすんなりと受け入れてしまいそう。
    それもそれで異常、かもしれない。

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    2026年06月16日
  • 異常【アノマリー】

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    ネタバレ

    中盤の、何が起こったかわかるところがめちゃくちゃ面白い。でもそこがピークで、残りは余韻だけな気も少ししてしまう。訳者あとがきにも書いてあったけれど、こういう事件があったらどうなるだろう、というの一本で遊び倒している。
    終わりはきちんとあるけれど、ページ数も少ないし、最後の展開にあまり重きを置かれていないような感じがする。後半はずっとそんな感じ。思考実験としてすごく面白いし、創作物などでこういうシチュエーションを今後考える時に思い出される本だと思う。

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    2026年06月14日
  • 異常【アノマリー】

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    ずっと気になっていた作品を、満を持して読んだ。

    第一章は登場人物たちの日常が延々と描かれる。人数も多く、正直やや退屈。しかし章の終わりで衝撃的な展開を迎える。

    そこから先は、「一体何が起きているのか」という謎を追う話というより、その異常な出来事に直面した人々がどう生き、どう判断するのかを描く。SF的な仕掛けを用いているが、読後の印象はむしろ哲学的な思考実験のよう。

    第一章の日常描写が生きてくるのもそこから。様々な人物の視点や生活が描かれ、それぞれが同じ現象にどう向き合うのかが示される。読みながら何度も「自分だったら」と考えた。

    SFやミステリーとして読むと、謎解きやカタルシスは少ない。

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    2026年06月06日
  • ジャカランダの樹

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    ルワンダ大虐殺の心の傷が世代を超えて伝わっている。ジェノサイド後に生まれた若者がトラウマ発作に見舞われるシーンは感情を麻痺させないと受け止められない。

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    2026年06月03日
  • 異常【アノマリー】

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    ネタバレ

    異常事態の全容が明らかになった時、映画『シン・ゴジラ』を思い出した。人智を超えた事態が発生した時、人類はどう行動するのかをシミュレーションしているような内容だったのが共通しているからだろう。

    一部の時点では、多分描写されている人物達には皆、後々重要な変化が訪れたりするんだろうなぁとうっすら予想しながら読み進めていたが、正直集中力が続かなかった。ピックアップされている人物が多すぎることに戸惑いがあったので。
    二部以降は筆者の意図も理解でき、一部を読み流していたら面白さが加速していく波に乗れなかったな、とちょっと得した(?)気分になった。

    重複者を日常へ戻すにあたり対策を講じる中で、宗教面にも

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    2026年05月30日
  • 星の王子さま

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    子供の頃に読んで以来、久しぶりに読みました。絵柄が変わって、こちらのバージョンもまた可愛らしくて良いですね。
    子供の頃分からなかった部分がすっかり理解できるようになっていて、子供の頃から忘れていた感覚を思い起こさせてくれて、長い時の流れを感じました。
    今の私には大切な花がたくさんあります。
    わが子にとっての大切な花も摘み取ってしまわないように、気をつけたいなと改めて思わせてくれるお話でした。

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    2026年05月29日
  • 異常【アノマリー】

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    ものすごく繊細に、そして情緒的に、でも大胆に書かれた作品
    難しい部分はあれど、読み込むうちに不思議と自然に、この作品の世界観に引き込まれていく素敵な感覚に陥るのが本作の魅力だと思う

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    2026年05月16日
  • 夜、すべての血は黒い

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    アルファの視点で語られるので言及されてないけど、どう見てもアルファは頭がおかしくなってる。病院に入れられてるし。
    戦争で人間性を失ってしまった人の語りという点では大岡昇平の「野火」とよく似ている。
    独特の文体の中に異文化が見えてとても良い。

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    2025年11月07日
  • 迂回

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    ネタバレ

    難民の子供を轢き逃げした夫婦が、まさに難民のような危険な旅路を斡旋されて日常生活に戻ろうとするラストの皮肉さと後味の悪さ、フランスの短編〜〜〜!!って感じ

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    2025年11月05日
  • 夜、すべての血は黒い

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    狂気に染まることが美徳とされる戦場で、周囲からも畏怖されるほど人間味を失った行為を繰り返す主人公は、果たして死神なのか、狂人なのか、殉教者なのか、あるいは……。

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    2025年06月13日
  • 異常【アノマリー】

    ネタバレ 購入済み

    想像を裏切られる

    「第一部のラストで思わず本を落とした」という小島監督などの帯コメントにひかれて購入。
    SF読みなので一部のラストでめちゃくちゃ驚いたかというとそうでもなかったけど、その後の展開がすばらしい。
    私を含む多くの読者が(なんで? どうしてこうなったの?)と期待するタネ明かしが本筋ではなく、(巻末解説にもあったが)それにどう立ち向かうかを作者は描きたかったのだ。そこが目ウロコでおもしろかった。そういう物語でもいいよね。
    多岐にわたるジャンルへの作家の博識もすばらしいが、訳者のなめらかな翻訳がさらにすばらしい。
    おかげで様々な文体ジャンルを含む物語をすらすらと読めた。
    (アンドレの日常だけ、興味が持てな

    #エモい #切ない #カッコいい

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    2025年06月02日
  • サヨナラは言わない

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    母を亡くした娘と父。
    父は心に蓋をしてしまう。父の心の状態を気にしながら生きていかなくてはならない娘に、いろんな出来事、人がズカズカ入って来て、生活が変わっていく。
    心温まる物語。

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    2025年05月02日
  • 生き急ぐ

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    無意識と意識の鬩ぎ合いの中で人生を連ね、何かが起こったとき、無意識が途端に意味を持つ何かへと、かわっていることに気付く。
    核心への怯えが伝播するように、じっくりと向き合う一冊でした。

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    2025年03月09日
  • ちいさな国で

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    ネタバレ

    ガエル・ファイユの自伝的小説のようであり、デビュー作のようである。
    「ぼくは、ぼくの子ども時代を追われたのだ」この言葉がこの話の本質を得ているのではないかと思う。
    主人公は子どもから大人に変わる時期をはく奪され、両親も友達も近所の仲間も多くを失った。またその失った原因は外的要因である民族間の問題である。
    父が政治に興味を抱かせなかったのも、政治に関わることで民族というフィルターが貼られることを想ってであり、そのフィルターがなかったために、主人公はある意味では自然的に、ある意味では周囲の状況を理解できなかったのだと思う。
    また、主人公は何度も恐怖と怒りの天秤に関わるところは、民族間の争いが起こっ

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    2025年02月21日
  • 生き急ぐ

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    20年前に最愛の夫クロードをバイク事故で喪ったブリジット。2人で手を入れながら住む予定で購入した家に引っ越す直前の事故だった。事故に至るまでの様々な分岐点を振り返りながら、「もしも」を問い掛ける。
    SFやファンタジーならばタイムリープものになるのだろうが、本作では後悔と諦念の繰り返しになる。重い。つらい。だが、人生とはそうしたものだ。“運命”という言葉は使いたくないが、どれか1つでも違っていれば、結果もまた異なったのかもしれない。
    訳者あとがきを読んで、本作が著者の実体験に基づいたものだと知って激しい衝撃を受けた。

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    2024年12月07日
  • すべては救済のために

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    読んでいるだけで辛くなるような酷いことが、実際に起こっているのが恐ろしい。
    文字通り命がけで女性たちを救うムクウェゲ医師だが、その背景には、生まれて間もない自身の命が神によって助けられたという思いがあるようだ。
    無宗教の自分には、どうしてもなんとなく宗教アレルギーのようなものがあるが、信仰はここまで人を支えてくれるものなのかと感銘を受けた。

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    2024年02月06日
  • ちいさな国で

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    フランスの高校生はすごい。
    高校生が選ぶゴンクール賞を受賞した本作は、「ある秘密」同様、戦争のやるせなさと、痛いほどの悲しみを描く。これは、こういうのを読まないと本当に戦争に反対できないなと、そう思った。

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    2023年12月15日
  • すべては救済のために

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    2018年ノーベル平和賞を受賞したデニ・ムクウェゲ氏の自伝。
    ノーベル平和賞受賞者が常に危険と隣り合わせなことは、それだけ治安が悪い地域で活動されているということ。志があっても、命をかけてまで、行動に移せることではない。
    ムクウェゲ氏の功績ばかりに目が行きがちだが、本書は彼の人生が書かれていて、興味深い。
    信仰が悪い方へ働くのではなく、活動の支えとなっていることに救いを感じた。
    彼が言うように、指導者の意識が変わり、安心して暮らせる世の中になることを願う。

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    2023年08月21日