作品一覧

  • すべては救済のために
    4.5
    本書は、2018年度ノーベル平和賞を受賞したデニ・ムクウェゲ医師の自伝である。ノーベル平和賞では、「戦争や武力紛争の武器としての性暴力の撲滅を目指す取り組み」が評価された。ムクウェゲ医師はこの20年間、紛争が続くコンゴ東部で性暴力被害女性の支援に取り組んできた。彼が設立したコンゴの病院で治療を受けた被害女性は、4万2千人以上になる。背景には、複雑な民族・部族間の対立と鉱物資源の支配権をめぐる武装勢力の抗争があり、鉱山周辺にある村々を恐怖で制圧するために安上がりな手段として性暴力が行われているという。「コンゴでは女性への性暴力が最大な武器になっている。私の仕事は、被害にあった女性たちの身体を可能な限りもとに戻すことだ」本書は、世界を動かした医師の告発であり、性的テロ撲滅のために命をかけて闘う医師の衝撃のノンフィクションだ。プロローグの段階で、彼が命がけで被害女性の支援に取り組んでいることが伝わってくる。

ユーザーレビュー

  • すべては救済のために

    Posted by ブクログ

    アフリカのコンゴで、想像を絶する凄惨な性暴力の被害を受けた女性たちの治療にあたり、現状を国際社会に訴え続けるムクウェゲ医師。その生き方や考え方を知れる一冊。

    幼少期から紛争に巻き込まれた一市民としての経験がリアルに語られると共に、コンゴの歴史を垣間見ることができます。衝撃的なストーリーが次々に語られていくのですが、自分や家族を身の危険にさらしてでも活動を続ける、彼自身の行動と強い絆で結ばれた家族のあり方にリスペクトを感じずにはいられませんでした。

    コンゴの問題や、難しい問題に立ち向かうムクウェゲ医師の生き方に興味のある方は是非読んでみてください。

    0
    2023年07月16日
  • すべては救済のために

    Posted by ブクログ

    徳島ヴォルティスに所属するバケンガ選手の叔父さんの自伝。
    医療において信仰が及ぼす力の大きさを繰り返し述べられているのが印象的だった。

    0
    2022年08月13日
  • すべては救済のために

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    世界には日本では考えられないようなことがたくさん起きていて、
    そこで、こんなにも厳しい目にあいながらも信念を持って立ち向かう人がいる。
    信仰が人を支える、救うという言葉がまっすぐに届く。
    信仰がなければ生きていけないような、
    人は許せないようなこともたくさん起こすけれど、こんなにも強く生きる人もいるのだと、本当に素直に尊敬する。
    何もできないけれど、せめて、あなたのしていることはすごいことだとたくさんの人に伝えたい。

    1
    2020年02月22日
  • すべては救済のために

    Posted by ブクログ

    アフリカ中央部コンゴ民主共和国の産婦人科医が書いた性暴力撲滅を訴えた本
    ある意味自国の告発本だ
    この国のレイプ事件は酷いらしい
    被害者の女性たちや妊娠出産時においての治療を行ってる
    またある時は、牧師という側面を持っている
    昨年(2018)ノーベル賞をもらっている著者
    この本を読めばその理由が良く解る
    “すべては救済のために”
    暴力は絶対ダメと言いたい

    0
    2019年06月20日
  • すべては救済のために

    Posted by ブクログ

    2019年11冊目。

    これは本当に多くの人に読んで欲しい。2018年ノーベル平和賞を受賞したコンゴ民主共和国の産婦人科医、デニ・ムクウェゲさんの自伝。

    「世界最悪の紛争地」「第二次世界大戦以降540万人以上の人々が理不尽な理由で亡くなっている」...コンゴの状況は、いくつかの情報源からある程度知ってはいた。だけど、実際に現地で生まれ、現地に根付いて活動されている方の言葉から知る現状は、想像をはるかに超えるものだった。ここに言葉として書くのがはばかられるほど、性暴力の嵐の中にいる現地の女性たちの立場は厳しい。厳しいなんていうものじゃない。この世の沙汰とは思えない。

    性暴力は、「安上がりで」

    0
    2019年05月04日

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