加藤かおりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレパリに住むエリーズのママが亡くなってから、パパは心を閉ざしている。
二人の腫れ物を触るような、ひっそりした暮らしに、
日本からおばあちゃんがやってきて・・・というお話。
連作短編集みたいな感じ。
タイトルは、日本人のおばあちゃんにまつわるのだけれど、
「おばあちゃん」の印象が残らない。
むしろ、パリにおける日本文化の捉え方がクローズアップされているようで
そちらに意識がいってしまった。
本文にも、やたら注がふられ、ほぼ日本語の説明w
フランス人読者に向けて書いているんだからあたりまえ。
そこがおもしろくもあり、面倒でもあり。
若い人の文章だなぁと、エリーズのおばあちゃんより、
少し若い「高齢者」は、途中から流し読みしましたw
エリーズのおばあちゃんは66歳の「高齢者」
ショックを受けたら倒れてしまうかも知れない
おとしよりだそうです。
(作者の年齢からいえば、その感覚なのね ここもギャップ!) -
Posted by ブクログ
「なぜ、男達は気づかないのだろう?」と女の私が思うように「なぜ、女達はそんなことをするのだろう?」と世の男性達も理解に苦しむのかもしれない。
登場人物全員「今、自分は人生の重要な局面にいる」と思っている。自分の得たい幸福において、必要かどうかでしか相手をみていない。だから、相手も大事な局面にいるなんて想像もできない。読者として、客観的に見ていると愚かにも思えるが、これは日常的に起きていることだと気付かされる。
ほんの少しの歩み寄る気持ち、相手のことを理解しようと思う心があれば「男女のわかりあえない問題」も少しは解決するのではないかと思った。 -
Posted by ブクログ
フランスのミステリ。
興味を引くタイトル通り、着想が面白い。
フランスの田舎町に住むアレックスは、家族とは睦まじく暮らしているが、人中に出ることのない内気な女性。
小説家を目指していたが、今はほぼ諦めていました。
家族と営む民宿に、思いがけなく有名作家のシャルル・ベリエが滞在することに。
お忍びで作品を完成させたいというのだ。
気さくで話し上手なベリエは家族を魅了するが、アレックスは次第に圧迫感を覚える。
ある晩、ベリエに襲われて、抵抗した勢いで殺してしまったアレックスは‥
この宿に来ることを誰にも教えていなかったベリエ。
複雑な性格で、勝手な行動も多かったため、隠蔽できるのではないかとアレックスは思い立つ。
変身してパリに出て、アシスタントと名乗って行動し始めるのです。
ある意味ファンタジックな興味深い展開。
‥しかし捜査したら、こんなのバレるよね?!
と思うと、感情移入はしきれず、はて?
作家らしいややこしさや身勝手さを隠蔽に生かしたり、ある程度才能ある女性だからこそベリエの作品や周辺のことを理解し、出来る立ち回りなど、フランスらしいエスプリは感じられます。
続編があるらしいのだが、えええ?それって~… -
Posted by ブクログ
着想のフレンチミステリ。まさに。
アレックス一家の営むペンションに訪れた有名作家ベリエ。
その屈託のなさで家族にあっという間に馴染み溶け込んでいたかと思えば、その裏では自身の新作の題材に家族のイメージを勝手に使ってしまうあざとい男。
あげくの果てに、アレックスのサプライズ誕生日パーティーの夜にアレックスに言い寄り襲い掛かる。
アレックスは抵抗する中でベリエを殺してしまう。
そこからが真骨頂。
単純な隠ぺい、逃避、しら切りではなく、他の誰かに罪をなすりつけようとベリエのアシスタントに成りすまし、関係者から候補者探し。
いかにも素人めいた手口や無理のある偽装工作、結末への舵切りには改良の余地ありだが、コンテキストの斬新さに推されてページが進む。 -
Posted by ブクログ
書評家筋で評価が良さそうだったので読んでみたが、珍しくぼくの予想は裏切られ、惨憺たる読後感に終わった一冊。
出だしこそ、小説家志望の女性とその家族、そこにお忍びで訪れる有名作家という、文学の香りを散りばめたシチュエーションが素敵であり、本好きの読者は即刻物語の重厚さに引き込まれると思う。
しかし、いざ事件が起こり、その結果をノワール風に展開する段になると、あまりの力技的プロットにその時点からついてゆきにくくなってしまった。文学的な手段を用いてゆくにしても、スタート時ほど表現として入れ込んでくれないのが残念である。
次にヒロイン造形について難があり過ぎるとも思える。いくら追い詰められたヒロインとは言え、夫と二人の子供たちへの思いやりをほとんど見せず、保身のための計画を構築し、思い切った行動に出ること自体、ストーリーとしては意外だし、それ自体が本書のエンターテインメント部分であるとは言え、あまりに不自然過ぎる。
ヒロインの無茶や軽薄な行動は、いくつもの幸運で救われるが、先の見えない不安が強いて言えばノワール的でありながら、あまりにも展開に無理がかかり過ぎているような気がする。彼女の行方をどうやってか探り当ててしまう夫の行動についても、両親不在の子供たちの世話についても、説明はされない。
とことんヒロインの視点でしか物語られないゆえに、謎に謎を積み重ねてゆくばかりで、しかもヒロインがあまり好きになれないばかりか、読者も家族も裏切るような軽率な行動をとることで、もはやぼくはヒロインを許せなくなった。
女性によるノワールは珍しいように思うが、エンターテイメント性を重視して、しかも結果が結果なのでノワールというより、ブラックだったのか、との印象。わかりにくいかもしれないが、ジャンルはノワールとは異なると思う。
作家は同じヒロインによる次作を準備中らしいが、そこで本書の欠点をフォローできるかどうかも注目しておきたい。もしかして大逆転があるかもしれない、とわずかに期待したいが、今の時点ではどうにも……。