加藤かおりのレビュー一覧

  • ちいさな国で

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    宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』。堀辰雄の『風立ちぬ』。夏目漱石の『夢十夜』。連城三紀彦の『戻り川心中』等々。
    文章の美しさが印象的な作品はいくつかあるのですが、この『小さな国で』の文章も、それらの名作と同じくらい印象に残ります。

    本編である少年時代の回想に入る前に、語られるギャビーの追憶。自身と似た境遇の難民へ抱いた想い。故国を逃れたことによる居場所の無さ。
    その文章の詩的な儚さと美しさに魅せられると共に、その語りの奥に秘められた哀しさが、自分の中の琴線に静かに触れてくるような、そんな感覚を覚えます。

    『ちいさな国で』の著者、ガエル・ファイユはブルンジ共和国出身。ブルンジという国はこの小説を読

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    2020年07月24日
  • すべては救済のために

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    ネタバレ

    世界には日本では考えられないようなことがたくさん起きていて、
    そこで、こんなにも厳しい目にあいながらも信念を持って立ち向かう人がいる。
    信仰が人を支える、救うという言葉がまっすぐに届く。
    信仰がなければ生きていけないような、
    人は許せないようなこともたくさん起こすけれど、こんなにも強く生きる人もいるのだと、本当に素直に尊敬する。
    何もできないけれど、せめて、あなたのしていることはすごいことだとたくさんの人に伝えたい。

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    2020年02月22日
  • すべては救済のために

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    アフリカ中央部コンゴ民主共和国の産婦人科医が書いた性暴力撲滅を訴えた本
    ある意味自国の告発本だ
    この国のレイプ事件は酷いらしい
    被害者の女性たちや妊娠出産時においての治療を行ってる
    またある時は、牧師という側面を持っている
    昨年(2018)ノーベル賞をもらっている著者
    この本を読めばその理由が良く解る
    “すべては救済のために”
    暴力は絶対ダメと言いたい

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    2019年06月20日
  • すべては救済のために

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    2019年11冊目。

    これは本当に多くの人に読んで欲しい。2018年ノーベル平和賞を受賞したコンゴ民主共和国の産婦人科医、デニ・ムクウェゲさんの自伝。

    「世界最悪の紛争地」「第二次世界大戦以降540万人以上の人々が理不尽な理由で亡くなっている」...コンゴの状況は、いくつかの情報源からある程度知ってはいた。だけど、実際に現地で生まれ、現地に根付いて活動されている方の言葉から知る現状は、想像をはるかに超えるものだった。ここに言葉として書くのがはばかられるほど、性暴力の嵐の中にいる現地の女性たちの立場は厳しい。厳しいなんていうものじゃない。この世の沙汰とは思えない。

    性暴力は、「安上がりで」

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    2019年05月04日
  • すべては救済のために

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    【魂を揺さぶる産婦人科医】

    2018年ノーベル平和賞受賞者。コンゴ民主共和国東部で「女を修理する男」として活躍。医療のみならず、性暴力を撲滅するために、自らの命を危険に晒してまで圧倒的な行動力を持つ。

    「性暴力」とは住民を脅すため、
    軍人や警察官が、強姦し堕胎に至るだけではなく、膣に銃や刃物を入れ傷つける。膣に穴が開き尿や便が溜められず垂れ流しになってしまい、家族から辱めを受けたものとして追放されてしまう。
    銃や砲弾より安上がりな「兵器」なのだ。

    自ら手術をし心を癒すムクウェゲ医師からは、強烈なエナジーを感じる。ミッションを持つ人の輝きがある。

    医療、福祉関係者には読まずにいられない一

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    2019年05月02日
  • マプチェの女

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    国の歴史に関わる事件といい
    マプチェ族の女、探偵の男
    深い傷を持つ二人が惹かれ合う構図

    あれ?オカシイな〜
    やだなぁ〜コレもしかして…
    探偵は女にモテるし…
    女は闇を抱えて強気だし…

    コレって「ドラゴンタトゥーの女」
    の縮小版かな…とか、序盤は嫌な汗を
    かいていたのですが
    作者に失礼でした。すみません。

    600ページというボリュームですが
    なんとも読み進めたくなる。
    第3部のタイトルページで鳥肌が立ちました。

    「ミレニアム」に手を出しづらいと感じてるあなたは是非コチラをどうぞ。

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    2018年02月16日
  • マプチェの女

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    カリル・フェレ『マプチェの女』ハヤカワ文庫。

    珍しいアルゼンチンを舞台にした冒険小説。全く期待はしていなかったのだが、まるで、アンデシュ・ルースルンドの『熊と踊れ』を彷彿とさせる非常に面白い作品だった。

    その土地の匂いまでも感じるような小説には、なかなか出逢う機会は少ない。かつて、船戸与一という作家が居たが、彼は日本で唯一、砂漠の匂いを感じさせる小説を書いていた。本作は船戸与一が書いた砂漠の匂いをも感じさせる熱い小説だ。650ページに及ぶ大作なのだが、独特の荒々しい雰囲気と手に汗握るストーリーを最後の最後まで堪能出来た。

    かつてアルゼンチンで起きたスペイン人入植期の原住民虐殺と1976年

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    2017年09月14日
  • マプチェの女

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    激烈。一言で表すとこの言葉かしっくりとくる。
    しかし、そうであるが故の儚さと美しさがあった。
    気概と闘志、どんな状況でも目を逸らさず、真っ直ぐなジャナ。軍事政権時代に弄ばれ、壮絶な拷問に耐えながらも憎悪を糧に生き続けたルベン。
    2人の生きる姿は、荒々しく獰猛であるのに、どう見ても美しかった。
    久々に読み応えのある本で、ズブズブにのめり込んだ。

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    2017年09月06日
  • マプチェの女

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    久しぶりにドップリ漬かる小説だった。近年はエンターテイメント・ミステリーと言えどもプロットの面白さだけでは成立せず、歴史や政治、恋愛、性風俗など様々な要素を重層的に積み重ねて、アクションあり、サスペンスあり、ラブロマンスありとサービスし放題にサービスしないとなかなか評価される作品には仕上がらない。

    『マプチェの女』はまさにそのようにして成功した作品で、アルゼンチンを舞台にスペイン人入植期の原住民虐殺と、1976年の軍事クーデターから開始され1980年代まで続いた『国家再編成プロセス』(国家権力による左派勢力の大量誘拐、失踪)を背景に、マプチェ族の末裔ジャナと探偵ルベンが戦争犯罪者を暴くという

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    2016年09月25日
  • ジャカランダの樹

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    フランスで生まれ育ったミランは、1994年のルワンダ虐殺を生き延びたクロードとの出会いと別れを経て母の祖国でもある彼の国へ。凄惨な記憶を背負う彼ら生存者たちに寄り添い、自らのルーツをも見つめ直す。

    当事者から語られる事件の詳細はあまりにも辛く重たい。それでも、癒えない傷を抱えつつ、人生を歩みつづけようとする皆に心を寄せます。

    ミランの母がなかなかシビアかつ強烈な人物で、しっかり個人として息子に向き合う姿が西洋個人主義的。「そうあろう」としているようにも感じるし、あの地獄から徹底的に息子を守ろうとする愛の盾でもあった。
    そして感情の流れは事件後に生まれたせだいでもあるステラにも続いてゆく。

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    2026年07月03日
  • あなたについて知っていること

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    積読チャンネルから来ました。自分にとっては翻訳文が少し読みにくかったです。ただ、物語は興味深いものでした。しかし、主人公がなぜ全てを捨ててまで、彼を愛してしまったのかは理解出来ませんでした。この物語の1番の被害者は彼の息子だと思います。いや、彼を産んだことこそが彼女にとって、彼への1番の復讐だったのかなとも思いました。

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    2026年06月19日
  • 異常【アノマリー】

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    ネタバレ

    なんかすごいものを読んだ。
    一体どういう結末なんだろうと思って読んでたけど、異常事態が淡々と綴られていくこと自体を楽しんで読むのが正解だったのかな
    各国の偉い人、どう考えてもモデルがいる(笑)

    もう1人の自分がいたらいいのに、って割と昔から思ってたので私だったらこの異常を割とすんなりと受け入れてしまいそう。
    それもそれで異常、かもしれない。

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    2026年06月16日
  • 異常【アノマリー】

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    ネタバレ

    中盤の、何が起こったかわかるところがめちゃくちゃ面白い。でもそこがピークで、残りは余韻だけな気も少ししてしまう。訳者あとがきにも書いてあったけれど、こういう事件があったらどうなるだろう、というの一本で遊び倒している。
    終わりはきちんとあるけれど、ページ数も少ないし、最後の展開にあまり重きを置かれていないような感じがする。後半はずっとそんな感じ。思考実験としてすごく面白いし、創作物などでこういうシチュエーションを今後考える時に思い出される本だと思う。

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    2026年06月14日
  • 異常【アノマリー】

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    ずっと気になっていた作品を、満を持して読んだ。

    第一章は登場人物たちの日常が延々と描かれる。人数も多く、正直やや退屈。しかし章の終わりで衝撃的な展開を迎える。

    そこから先は、「一体何が起きているのか」という謎を追う話というより、その異常な出来事に直面した人々がどう生き、どう判断するのかを描く。SF的な仕掛けを用いているが、読後の印象はむしろ哲学的な思考実験のよう。

    第一章の日常描写が生きてくるのもそこから。様々な人物の視点や生活が描かれ、それぞれが同じ現象にどう向き合うのかが示される。読みながら何度も「自分だったら」と考えた。

    SFやミステリーとして読むと、謎解きやカタルシスは少ない。

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    2026年06月06日
  • ジャカランダの樹

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    ルワンダ大虐殺の心の傷が世代を超えて伝わっている。ジェノサイド後に生まれた若者がトラウマ発作に見舞われるシーンは感情を麻痺させないと受け止められない。

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    2026年06月03日
  • 異常【アノマリー】

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    ネタバレ

    異常事態の全容が明らかになった時、映画『シン・ゴジラ』を思い出した。人智を超えた事態が発生した時、人類はどう行動するのかをシミュレーションしているような内容だったのが共通しているからだろう。

    一部の時点では、多分描写されている人物達には皆、後々重要な変化が訪れたりするんだろうなぁとうっすら予想しながら読み進めていたが、正直集中力が続かなかった。ピックアップされている人物が多すぎることに戸惑いがあったので。
    二部以降は筆者の意図も理解でき、一部を読み流していたら面白さが加速していく波に乗れなかったな、とちょっと得した(?)気分になった。

    重複者を日常へ戻すにあたり対策を講じる中で、宗教面にも

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    2026年05月30日
  • 星の王子さま

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    子供の頃に読んで以来、久しぶりに読みました。絵柄が変わって、こちらのバージョンもまた可愛らしくて良いですね。
    子供の頃分からなかった部分がすっかり理解できるようになっていて、子供の頃から忘れていた感覚を思い起こさせてくれて、長い時の流れを感じました。
    今の私には大切な花がたくさんあります。
    わが子にとっての大切な花も摘み取ってしまわないように、気をつけたいなと改めて思わせてくれるお話でした。

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    2026年05月29日
  • 異常【アノマリー】

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    ものすごく繊細に、そして情緒的に、でも大胆に書かれた作品
    難しい部分はあれど、読み込むうちに不思議と自然に、この作品の世界観に引き込まれていく素敵な感覚に陥るのが本作の魅力だと思う

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    2026年05月16日
  • 異常【アノマリー】

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    ネタバレ

    非現実的な展開に直面した人々がいかに葛藤し、行動するか。存在しないifであるにも関わらず、登場人物一人一人にすごく心を動かされた。

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    2026年05月03日
  • 異常【アノマリー】

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    前半は全く意味が分からなかったがそういうこと?となってからあっという間に読み終えた。SFでありながら哲学的な内容で考えさせられることも多々あった。時間を置いて再読したい。

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    2026年04月14日